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港湾都市メナ

カーゴの列車輸送により、2日で目的地に着くことになる。

寝台列車では、1等室の個室が割り当てられ、彼らにとっては久々の休暇になっている。


港湾都市メナ。 運河による都市内部への交通網により、道路交通の緩和が実現できている都市である。 


かつての開拓時代には、多くの人がここから西側の開拓地に進んだようである。 今は、鉄道や航空網が発達しており、かつてほどの賑わいもないが、それでも大型の船着き場は重宝されている。


列車からカーゴを降ろし、車輌はメナの街へと走り出す。


「私。こっちは初めてですね」

車両の窓の外、運河を滑る船と穏やかな街並みを眺めながら、ローラが呟いた。


「大半の連中はヤンサに流れちまうからな。だが、海運業者や船乗りにとって『ラクシュミ地区の玄関』といえばこのメナだ。……まあ、人それぞれだがな」


「確かに海運がメインって雰囲気ね。 運河も綺麗だし、落ち着いた良い街並みね」


「そうだな。チーヌーより遥かに治安がいい。ここはラクシュミ捕囚のターゲットから外れた地域と言うこともあって、先住民も移民も、それなりに平和に暮らしてるよ」


「あんたは、ここに来たことあるの? 」

「ここにも31部隊の支部はあるからな。 荒事の出張が多い職種なんだよ、俺たちは」


「因みに前回は何で? もちろん話せる範囲でいいけど」


「おやおや、治安部の仕事に興味をもったのかい?」

キリヒがニヤニヤしながら、返答してくる。


「そんなんじゃないけど――」


「裏社会関連だな」

「……また危ない仕事ね」


「まあな。 でもアーサ・ブカブ社の治安部には、最新のコンバットスーツがある。 田舎マフィア程度は、容易に片づけられる」


「公共の治安隊は何しているの? 」


「こんな地域であれば汚職まみれさ。 金を握らせられれば、大概の治安隊は、奴らの操り人形だ。 


実際にここに来たのもアーサ・ブカブ社の社員が、地元マフィアに危害を加えられ、その報復的な対応だからな」


「……人事部にそんな情報上がってこなかったけど、チーヌーの支店長止まりなのかしら? 」


「詳細は知らんがね。 まぁ支店長も順風満帆に支店を動かしていると報告しなきゃいけないから、多少の揉め事は握り潰しているんだろ」


車輌は歴史ある石造りの建造物と近代的なビルが入り混じる街並みを抜け、アーサ・ブカブ社メナ支部の治安部へと向かう。


観光で訪れるなら、きっと魅力的な街なのだろう。だが、今の彼らは仕事中だ。美しい都市景観も、ただ通り過ぎる車窓の背景に過ぎない。


車内の雑談は、次第にきな臭い核心へと踏み込んでいく。


「――あの研究所がヴェスパーと繋がっていたとなると、コールドスリープの先住民は記憶を消して兵士に仕立て直すためのものだったのか? 」


キリヒ氏が、ローラさんに問いかける。


「うーん。 私も最初にその考えになったんだけど、違和感があるのよね」

「違和感? 」


「あそこの所長は記憶を消すではなく、呼び出してくれって言っていたの」

「そうだったな」


「記憶漂白であれば、消す方よね」

「……まぁ」


「あっちは、記憶を生かす方法を研究していたように思う。 私もセレン(サナエさんのトークン)さんの後ろで見ていただけだから、うまく説明できないけど」


ローラは頭の中に浮かぶ疑問を一つずつ言葉にしていく。


「それと色付きと白黒があったのも気になるんです」

「……」


「それに、兵士にするのであれば、引き取り手のない死者からの記憶情報を引っ張り出すなんてしないでしょう? 」


「確かに」

「あそこの研究は、兵士とは真逆の研究じゃないかって。勘だけど」


会話が途切れ、車内には重苦しいエンジン音だけが響く。

窓の外に広がる穏やかな都市の風景とは裏腹に、車内を満たしているのは冷たい危険な空気だった。


街路樹が途切れ、周囲の景色が急速に開けていく。メナ支部治安部もまた、チーヌー同様、郊外の広い土地に位置していた。


大量の重武装や軍事物資を保管するには、どうしても広大な敷地が必要になるのだ。

街中を抜けて郊外に出るといつもの広い空が目に飛び込んでくる。


「ほんと郊外はこんな感じねー」

「あそこだ」


キリヒが指さす先には、それなりの高さの塀で囲まれた施設がある。

チーヌーより規模が小さいが、それでも一般の感覚からするとそれなりに大きい。


「分かり易いわね」

呆れたようにローラが洩らす。


「まーな。 規格通りに作れられているからな」

敷地のゲートで人事部のIDを提示すると、厳重な照合のためしばらく待たされた。


やがてゲートが開くと、奥から身なりの整った紳士的な男性が現れ、彼らの車両に近づいてい来る。 その立ち振る舞いからして、ただの下っ端ではない。


やはり本社人事部の権限の強さが伺える。“査定権”があるゆえの社内のパワーか。 


まぁ逆の立場になれば、自分も同じことをしたかもしれない。 とはいえローラとしては、査定権を振りかざす気など毛頭ない。


なにせ自分自身が「年俸6割カット」という首の皮一枚の瀬戸際に立たされているのだ。他人のアラを探している余裕などどこにもなかった。


*


両者は案内されるままに、事務棟の前に車両を停車させ、室内に入っていく。

案内された室内で紳士的な男性との会話になる。


「ティエンフー本社からわざわざこんな僻地にご足労様です」


紳士的なダンディーなおじさまが、穏やかな口調で話しかけてくる。

治安部の方にしては洗練されている。


「クリエヴァは健在なのか? 」

キリヒが親しそうに尋ねる。


「ええ。ちょうどスノトラ社との抗争中ですからね。 本日の業務が終わったところで、今しがた帰投してきたところです。しばらくお待ちください」

“スノトラ社との抗争? ”耳を疑うような言葉に、ローラは思わず口を出した。

「あのーよろしいでしょうか? 」


「はい、ローラ様でしたか。なんでしょうか? 」


「そのースノトラ社って? 」


「メナからヤンサ周辺を仕切る有力企業です。造船、鉄鋼といった重工業に強みを持っていましてね」


「はぁ……」

「その会社の市場(マーケット)を我がアーサ・ブカブ社が手に入れたい。そのため、抗争を行っているのです」


「……抗争って? 」

「武力衝突ですね」


「……」


「中央の人事部には、なじみがないだろうが、そうゆうことだ。ベレギニア地区の部隊は、主に開発地区の治安維持と護衛が多いからな。 西地区には別の企業文化があるのさ」


企業文化って――

「こう――商品でいいもの造るーとか。サービスを提供するとかで競争はしないんですか? 」


「そうですね」

ダンディーなおじさまは穏やかに微笑んだ。


「西部方面におけるアーサ・ブカブ社は、テクノロジー企業というより土地開発業者としての色が強いのです」


「確かに」

自分の経験でもテクノロジー会社からはかけ離れた業務をやっていた感がある。


「そして土地絡みとなると、どうしても怨恨が生じる。社員の身の安全と権益を守るため、我々のような強大な治安組織が必要不可欠となります」

ダンディなオジサマが、話を続ける。


「はい……」


「しかし、我々の仕事は、良くも悪くも戦闘・暴力を供給するサービスです。よく言えば、“セキュリティサービス”。 悪く言えばー“マフィア”ですかね」


「……」

ダンディーなおじさまの口からサラリと出た単語に、ローラは眩暈を覚えた。


「護衛任務だけだけでは、兵士や従業員は食わしていけませんからね。地代の上り以外の事業を持たないといけません」


一気にきな臭く、パウダーの香りがし始める。


「……えっ? 」

「暴力で他者を権利や財を奪い乗っ取るのが、こちら側のビジネスモデルです」


「……」

(悪だ。 完全に悪の会社だ)


「逆に我々のビジネスにも手を出されますからね。それを守る自営の意味合いもあるんですよ」


「……」


「本社東側のビジネスモデルとは大きく乖離していますが、これがこの地での出来事であり生きていく手段です」


「本物の抗争じゃないですか! 」

ローラが苦言を呈する。


「ええ。その通りです。獣の所業でしょう」

彼は、紳士的な笑みを崩さず、肯定する。


「その通りだ。否定もしないさ」

キリヒが回答する。


「でも、ここではこうして生きている。 攻めるも守るも力がなければ、全てを失うのがこの地になる」


「アフロディア大陸のことを蛮族の地とか言って笑えませんね」

自嘲気味に呟くローラに、キリヒは短く返した。


「俺は、笑ったことはないがな」



その時――応接室の重厚なドアが、乱暴に叩き開けられた。

「今帰ったぞ!! ようキリヒ。よ うやくこっちに来る気になったか! 」


入ってきたのは、高身長で引き締まった体躯を持つ女性だった。 最大の異彩を放っているのは、肩から先が剥き出しの義体(サイボーグ)へと換装された左腕だ。


「同じことを、治安部の部長にも言われたよ 。残念ながらまだ戻らないさ。 それに今日は別件だ」


唖然と見上げるローラさん。言葉も発することができないでいる。

大柄な女性は、座っているローラに目をやる。見下ろすといったほうがいい状況だろう


「ああ。 こちら本社人事部のローラさんだ。 今の俺の上司だ」

キリヒからの紹介で我に返り、ソファから立ち上がり自己紹介を始める。


「どうも。 本社人事部のローラ・ヤールです。 それとこちらは、護衛トークンのブラウニーになります」


「ブラウニーにローラか! 随分と可愛い名前じゃないか! それにしても本社人事部ねー」

品定めするように、クリエヴァの鋭い視線がローラを舐め回す。


「クリエヴァ。 ローラさんとは、初対面だろう? 」

キリヒが窘(たしな)めると、彼女はニッと口角を上げた。


「ああ、すまん。クリエヴァだ。 ここで“メナ地区の治安部支長”を仰せつかっている」


豪快で野性味あふれる雰囲気。だが、端正な顔立ちとモデル顔負けのスタイルは、否応なしに目を引いた。


「それで。ティエンフーからはるばる西方のフロンティアに何の用かな? 」

「それは、俺から説明する」


キリヒからの説明が行われている。


・アーサ・ブカブ社のナンバー案件の研究内容が盗まれたこと。

・それにヴェスパー社が関わっているらしいこと。

・チーヌーで起きた動乱のこと

・ヤンサ暴動の原因の戦闘人間兵器が用いられたこと。


説明が進むにつれ、クリエヴァの眉間に深いシワが刻まれていく。


「……ヤンサ暴動の再来だと? 」

「ああ。実際、チーヌーでは発生している」


データを彼女の端末とモニターに転送する。 映像に映し出されたのは、身一つで猛烈な弾幕の中を突撃してくる異形の人間兵器だ。 


銃弾を叩き込まれてもわずかに体勢を崩すのみ。心臓を撃ち抜かれてもなお、止まることなく突撃し動いている。


「何なんだこいつら」

「心臓が2つあった」


「……冗談だろ」


ブラウニーが補足を入れる。


『これらの個体は記憶漂白処理を受けており、痛覚および恐怖心が完全に排除されています。さらに薬物投与と肉体改造により筋線維が異常発達しており、小口径の銃撃では停止しません』


「なんて奴らだ……最高の兵士じゃないか。イカれてるが、大したもんだ」

凄惨な映像を前に、クリエヴァはどこか感心したように呟く。


『しかし、持続時間が48時間で使用不可能になります。使い捨ての兵士になります』

「使い捨てかー。それでは練度が上がらんな」


『練度は、漂白化した上に人格を上書きすることで対応すると考えています』

「トークンのデータ更新みたいな感じか?」


『はい。 そして――その改良型が、近いうちにこのメナへ投下される可能性が極めて高い』


「……だから、撃退のための支援をしろと?  統括部長と本部の親父(治安部長)からの要請と一致するな」


『我々の第一目的は開発データの奪還ですが、奴らが黙って渡すはずもありません。確実に戦力を投入してきます』


「なるほどな……」


クリエヴァはサイボーグ化された左腕を提示し、愛おしそうに指先を動かした。


「ヤンサ暴動では多くの部隊が壊滅した。 中西部地区の戦力は、特に甚大で数年かけてようやくここまで立て直したんだ。……私のこの腕も、あの悪夢で持っていかれた」


『その悪夢との、再戦になります』

「再戦、か……」

クリエヴァの瞳に、ギラリとした猛獣のような光が宿る。


『はい。ただし、今回は、相手がどんな手で、どれだけの数を投入するかが不明です。 少なくとも住民を用いて混線ではなく、組織的な人間兵器が投入されるといったところでしょう』


「……随分とリスクが高いな」


『ええ。 しかし、 クリエヴァ前・西方方面大隊指揮官殿。 西方方面大隊指揮官の上は、治安部部長しかおりません。 出世コースを投げうって、ここの支長にいる理由。 そしてこの場所に執着している理由。 それらを込みで支援をいただけますか? 』



「……フン、嫌なトークンだ。上からの命令がなくても、最初から断る気なんてねえよ。この左腕の落とし前、アイツらにきっちりつけさせてやる」


『高い士気、感謝いたします。参加人員の選抜はお任せします。ただし、チーヌーでの戦闘映像と事実をそのまま隊員へ開示してください。そして――』


「まだ何かあるのか? 」


『言いにくいことですが……あのヤンサ暴動は、敵にとってみれば単なる前座(テスト)に過ぎません。 ここメナでは、チーヌー以上の化け物が投入されます。 覚悟の足りない半端者は不参加でお願いします』


「――前座だと!? 証拠はあるのか! 」

クリエヴァの雰囲気が一変し、怒気が部屋を満たす。


ブラウニーが、倫理員会の文書を転送する。

『証拠です』


データ端末に送られてきた倫理員会の文章を読み進め行くほど、クリエヴァが震えている。

「……こいつ!! 一体誰なんだ! 」


『かつてのアーサ・ブカブ社のナンバー案件の開発主任、現在は、惑星間貿易商メトナ運輸の幹部ですね』


「惑星間貿易商か? クソほど出世するか! 」

クリエヴァは怒りを押し殺すように深呼吸をすると、キリヒを睨みつけた。


「いいだろう。命令もある。 支援は実施する。要望されていた武装も与えよう。ただし私に指揮権を渡してもらう」


キリヒに指揮権を要求してくる。


本来は、キリヒ達の指示に従ってもらうことになるのだが、相手の恨みが強すぎて力は貸すが、こちらに従えとのことになっている。


相手を制圧するには、どうしても彼女の部下は必須である。 しかし、こちらまで彼らの私怨に付き合うこともできない。


こちらの目的は、開発データの奪還である。


「……少し相談させてくれないか? 」

キリヒが、クリエヴァに提案する。


「いいだろう」

キリヒ、ブラウニー、ローラさんは、いったん部屋の外にでる。

*


「あの提案、どう思う?」

キリヒが口を開く。


「いいじゃないですか? 渡してあげれば。 我々の目的はデータ媒体の奪還ですし、彼女達が、戦闘に集中してくれるのであればこちらも助かると思います」


だが、ブラウニーが異論を唱えた。

『その考えはどうでしょうか? 彼らの目的は、あの人造人間の破壊。 我々の目的は、開発データの奪還です。 こちらと向こうの戦闘の意図が違っているように思います。


ここは、我々は彼女の指揮権から外れるとの条件では、如何でしょうか? 』


「どうゆうことだ」

キリヒが真意を確認する。


『我々の目的は、化け物退治ではない。 彼女達は化け物退治に集中してもらうということです。 データを発見したら、我々は化け物よりデータを優先するということになります。指揮下に入れば勝手な行動はできませんからね』


「なるほど。 それでいってみるか」

再び応接室のドアを叩き、中に入る。


「どうだ。決まったか? 」


「ああ。クリエヴァ支長。 あなたに指揮権を委ねる。 ただし我々の目的は、データの奪還だ。 情報も全て渡すが、データ奪還にリソースを割くため支長殿の指揮権からは外して頂きたい」


クリエヴァは眉をひそめ、しばし沈思黙考した。やがてフッと不敵に笑う。


「いいだろう。 それでいこう。 支援も指揮権も決まった。 相手の素性も分かった。 想定される戦力はどうなっている」


『全く不明ですね。 ヤンサ暴動のような住民にランダムに競わせるようなことはしないでしょう。 前回の統一意思を持った記憶漂白部隊で攻めてくるのが常道。


しかし、セミラミーデの性格上、同じ実験は絶対にしないはず。 故に今回は、チーヌー戦より改良した“何か”を投入することが想定されます』


「“何か”ねー。 普通に考えれば、前回は武装していない。 精々自爆兵器だけだ。 本格的な武装による戦いか? 」


『普通に考えればそうなのですが――』

「どうしたAI。何か疑問か? 」


『セミラミーデは、試験体の身体能力実験を考えていると想定されます』

「身体能力? 飛んだり、走ったりか? 」


『はい。 故に武装を付けての実験と言うのが、どうにも彼女の思考として、私の推測と合致してこないのです。 がそれ以上の内容もデータベース上から発見できていない』


「――分かった。それらも踏まえて運び屋の足取りも調査させる。副支長! 」


「承知いたしました。準備に取り掛かります」


ダンディーなおじさんは、ローラの見立て通りお偉いさんだったようである。

副支長となると、彼女がいない場合のこの施設を預かる身分になる。


彼は、彼女の指示を受けたのち速やかに応接室をあとにした。


「さてお前らには宿泊施設を用意する。情報が集まるまでしばらく体を休めて置け」

「ありがとうございます」

ローラが礼を言いう。


応接室を出るとメナ治安部のトークンが、部屋まで案内してくれる。


3名はトークンの後ろに付いてく。


ローラさんは、何やら難しい顔をして考えている。


「ローラは、これからどうする? 」

キリヒが尋ねてくる。


質問により我にかえり、返答していく。


「前線に出ないのなら、“人事の仕事やれ”って次長からの指示が来ているわ。命がけの追跡時に何をやらせる気なのかしら。 あんたは? 」


ウンザリしている顔で愚痴ってくる


「時が来るまで、トレーニングだな。 それにしても、“ヤンサ暴動”並みの超厳戒態勢の中で業務とは、事務屋も辛いな 」


「まぁね。 もし、この案件が失敗したら給料も減らされるからね。 少しは会社に貢献して、減額率を下げてもらわないと。 勤め人の辛いところよ」


すっかり疲れ切った中年社員のような愚痴をこぼすローラに、キリヒはフッと口元を緩めた。


「安心しろ。……失敗はない」

「そう言ってもらえると気が楽になるわ。それじゃ」


「おう」


案内されたそれぞれの個室へ入っていく。

重い金属音が響いてドアが閉じられると、静寂が廊下を包み込んだ。


平和な街並みの真下で、破滅の足音が確実に近づいてきていた。




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