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天涯孤独の微妙なアーティストの物語  作者: あまゆり


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13/20

第13話 ある夜の出来事

数多くの作品の中からのアクセスありがとうございます

素人ながら書いておりますので表現などわかりにくい部分もあるかと思いますが、宜しくお願いします

夏頃、親父も悪かった肝臓もようやく良くなり退院しました


そして、小学校も2年生になり、大分落ち着きはじめたある11月の夜の出来事だった…。


 私はいつものように、金曜日の夜のアニメを見ていた。


 親父は


「ちょっと屋台のおでん屋でいっぱいひっかけてくるから適当になんか食っとけよ」



 と私に言った。


「お母ちゃんおったらなんかうまいもんでも食えたのになぁ…」



 と出ていこうとする親父に私は愚痴を言った。



 親父は

「母ちゃんは死んだんやから仕方ないやろ!女くらい買ってきたるさかい、待っとけよ」



 と言って笑いながら出て行った。



 それが、親父との最後の会話になるとは…




 親父が屋台に飲みに行ってから数時間が過ぎた頃…。


「お~ぃ!」


 と声をかけながら部屋のドアがガチャっと鳴って開いた。


 れっちゃんのおっちゃんだ。



「優里、ひとりか?父ちゃんはドコ行ったんや?」



 私は普通に



「屋台のトコに飲みに行ったよ」



 と答えた。



 するとれっちゃんのおっちゃんは



「しょうがないやっちゃなぁ~。優里ひとり残して…」



 と言いながら財布から1000円を出し、



「腹減ったやろう?これでなんか食いや」



 と、私にそのお金を渡して、部屋を出て行った。


 その後、私はすぐに睡魔に襲われ、親父とふたりで寝ていたベッドに入った。

 もしかしたら、れっちゃんのおっちゃんは何か胸騒ぎがしたのだろうか?



 今になっては、そう思う。



 私が夢の中にいる頃だった。



 後で聞いた話だけど、屋台に行っていた親父は、酔っ払いながら自転車に乗って家に向かっていた。



 大国町辺りの交差点の角にある煙草屋さんの前だった。


 酔っ払った親父は歩道の縁石に自転車を乗り上げて転んでしまった。


 その時に頭を強く打ってしまった。



 頭からの出血を手で押さえながら親父は傍にあった公衆電話で救急車を呼んだ。


 親父はその救急車に乗せられて大国町から2〜3キロほど離れた難波の富永病院に搬送された。


「政春さん。傷も深いので入院せなあきませんよ。」


 と医者は親父に言った。



「このくらい大丈夫や。血も止まったみたいやし。それに入院するわけにはいかへん。息子がひとり家で待ってるんや。」


 と親父は言い、医者の言葉も聞かずに病院を出てタクシーに乗った。



 親父はタクシーに乗ると運転手に言った。



「今宮戎まで行ってくれ。」



 親父は恐らく、1000円も持っていなかったんだろう。


 今宮戎には程遠い場所で降ろされた。



 頭の痛みにイライラしながら家に着いた親父は、痛みに耐えられずに、何度も、何度も自分で柱に痛む頭をぶつけた。


 そして、ベッドの脇の窓際の畳の上で眠りについた。




 その時、私は目が覚めて親父がいることに気付いた。

 寒くなる秋の夜に窓際で寝ている親父に



「とーちゃん。こっちきぃや」

(きいや→おいで)



 言ったか言わなかったか、覚えていない。



 眠くて私は眠ってしまったのだった。


 …そして夜が明けた。


 この話は、私がミュージシャンを目指して埼玉県にいた頃(結構昔)、FMラジオNack5のNACK WITH YOUという、あいざわ元気さんがパーソナリティを務めていた番組の「泣ける話」のコーナーでも紹介されました。

最後までお読みいただきましてありがとうございます。

続きは不定期に更新していきますが、今後ともよろしくお願い致します


※この物語に出てくる登場人物は本人を除いて一部の人は仮名で表現しております。

一部、暴力的、性的描写、犯罪などの描写がありますので閲覧にはお気をつけ下さい

尚、作品については犯罪を助長するものではありません

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