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この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


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本庄 凛(ほんじょう りん)

お腹が…気持ち悪い。

もぞもぞと何かがしている様で…。

後、少し痛い…。

ぬるぬるとしたモノが下腹部に塗られた。

これは何なのだろう。

硬いモノが押し当てられる…。


「最低三日ね。三日。このまま投与すればいけそう」

「そうか。では三日後にあいつらに知らせよう。それまでは…」

「ええ、隠しておくのがベストよ」


男の人と女の人の話声が聞こえる。


「では、あなた達…この子を移動させてちょうだい」

「はい」


下腹部のぬるぬるが拭われた…けど、少し残って服が湿る感覚があった。


「そういえば、ジャンの話は聞いた?」

「あぁ、聞いてる」

「そう、知ってたのね。…つまらない…」

「それも…良い材料だ」


ふわっと体が浮いて、硬い何かに乗せられる…。


「先に一緒に行ってる?それとも?」

「…俺は先に行く。…ジャンを連れてくるのに誰か残っておいてくれ」

「そう…じゃあ、私が残るわ。柳さんは所長と一緒に…」

「あぁ」


カラカラと音がする。


「あっ…」


声に音が止まった。


「じゃあね、凛さん。また後で」


頭が撫でられた後、カラカラとまた、鳴り出す。


「なんだ、愛着でも沸いたのか?」

「いいえ。…でももう少しで結果が出ると思うと。嬉しいじゃない?」

「君は本当に研究熱心だな」


声が…遠ざかっていく。

チンっとエレベーターの到着した音がして、カラカラした音が変わった。

風が髪を揺らしているのが…微かに分かる。

ここは外ね。

私…何処かに連れ出されてる。

ヘリの…プロペラの音が聞こえる。

目を開こうとしても、瞼が震えるだけで開かない。


「薬が切れて来たか?」

「みたいですな。一本打っておきましょう…」

「…量は増やすなよ」


腕にチクッと何かが刺さる。


「体内のアレに影響は?」

「無いと思われます」

「なら良い」

「さようで」


右腕の辺りから何かが広がってくる…。

また、感覚が…意識が遠のいていく。

お腹の気持ち悪さも…感じなくなる。

そして、ゆらゆらと…暗闇に落ちていく。


いつも、ここで…誰かに会っている…そんな気がするのに。

薬の所為なのか顔も姿も覚えていない。

彼なのか…彼女なのかさえも…わからない。

優しくもなんともないけれど、無関心さが心地いい。

懐かしい気持ちも…する。


あの人は…。

いったい…。

誰だ…ろう…。


…。

……。

あなたは…。

誰…?

その子は…誰?

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