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この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


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156/200

A班 救助用機体5021 カイル隊員7-3

数字の事は置いておいて、ジャンのファイルを机に置く。

机から埃が舞う。


「忙しくて戻ってないだけなんでしょうか」

「ここまで埃が溜まるのは…戻ってないのは長期間だな」


埃に鼻がむずむずする。


「他の隊員のも気にはなるが、まずはジャンのファイルだ」


開くとジャンの黒髪の写真が出てきた。


「あいつ…染めてたのか」

「書かれているのは経歴とかばっかりですね」

「特に…気になる事は書かれてないな」

「なのにファイリングってするものなんですね」

「経歴…所属前の履歴書みたいなものか?」

「カイルさんも出しました?」

「…いや、出した事はないな。俺の場合志願ではないから」

「って事はあの人は志願したって事でしょうか」


他のファイルを眺める。

知ってるだけの名前はちらほらあるが…志願者なのかどうなのか。

ふと、削られた背表紙のファイルに指が行く。


「これは…?」


薄いが柳隊長の名が書かれている。

ジャンと同様に経歴が書かれていた。

載っている写真も今より若い。


「何年前なんでしょう…凛のお父さんが引き抜かれたのが…六年前くらいだと思うんですが…六年前よりもっと前に撮られた写真に見えませんか?」

「司令官がここを作ったのは…六年前のはずだ…」


しかし、手元の写真は20前後に見える。


「…若い頃の写真で出した…とかは無いですよね?」

「…それはないだろう。…ここが出来たのが六年前とは言え、いきなりここが出来た訳じゃないから…」


下を捲ると敗れたページと皺くちゃになったページで、上下はおろか順番すらもぐちゃぐちゃに並んでいる。


「何だか…拾い集めたのをそのままファイリングしているみたいに見えますね」

「これを整理して…読んでいる暇は無いな」


閉じて戻そうとする。

が…、俺はある事に気が付いた。


「待ってくれ…」


ジャンのファイルと柳隊長のファイルを並べ、見比べる。


「ジャンと…柳隊長の…年齢が一緒だ」


ジャンの生年月日を見ると今で25…。

どうみても…柳隊長は50を過ぎている。


「同じ年齢に見えませんが…」

「…書き間違い…があるのだろうか…」

「…あの人今25ですよね…。同じ歳だとして1人は上官付き、1人は隊長…今は副司令って…そんなに簡単に上に行けるモノなんですか?」

「実力主義な様で縁故…後ろ盾や金がモノを言う場合もあるから…一概には言えないが…」


2人と所属が違う為、一緒に活動をした事が無かった。

それに…先に所属していたアンドレアなら知っていたかも知れないが…、俺は第二が出来てから隊長が何人変わったかさえも知らない。


「2人とも…出身地が近いですね」

「…ここは…エリア4だな。六年前に組織が出来て初めて出撃した場所だ」

「結果は?」

「…今の様な装備も無く、隊員や一般人に多くの犠牲者が出たと聞いている」

「自分の居た所がそうなったから、所属した…って感じでしょうか」

「志願者なのであれば…その理由が多いだろう」


柳隊長もジャンも、元は被害者なのだ。

…あの化け物の。


「だから、原因だと思われる国に報復で化け物を誘導し…か」


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