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TSやらかし転生@三国志――俺だけチート不完全?  作者: ひとしずくの鯨
第22章 二人の少女 対 夏侯惇&郭嘉
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第1話 二人の少女 対 夏侯惇&郭嘉

 (視点は夏侯惇です)


 孟徳は郭嘉を付けてくれた。


「郭嘉は我並みに頭が働く。我と想って、頼れば良い」


 無論、そうではないと言う気はないが。我から見れば、この者は、軍略に痴する類いの者。その点では、孟徳と同類。まさに、類は類を呼ぶ間柄。


 ただ、我にとって幼馴染みでもあり、軍略以外にも何かと詳しい孟徳とは自ずと異なる。正直に言えば、少し苦手だったりする。それを知ってか、孟徳がいたずらまがいの嫌がらせで付けたのかと、一瞬、疑うも、さすがにそれは無いと結論づけた。


 食い物に下手物(げてもの)を混ぜるといったしょうもないいたずらはなしても、軍事は孟徳にとっても大事。稚気(ちき)はなかろう。


 とは想うも、隣に立つ郭嘉、あの厳めしい敵の城塞群を見て喜色満悦となった。


 普通、恐れおののくものだろう。確かにこれくらいの方が頼もしいとは、頭では分かるが、人としてはどうなのか? まあ、他人の人となりをどうこう言える我ではないのだが。


 その郭嘉いわく、


「なるほど。これはこれは。素晴らしい。果たして、敵にいかなる知恵者の軍師がおるのか? 是非にも一献酌み交わしたきところ」


 そこで恐らく言葉が過ぎたと気付いたのか。また、夏侯惇が「果たして、どう、素晴らしいのか?」と問うたこともあって、その痴するところからは浮上して来て、返答する。


「この城塞自体が一つの大きな罠となっておるところです。この造りだと、どうしても手前の小城塞群を放って置いて、奧の本城塞に攻め込みたくなります。ただ、それをやろうとすれば、小城塞群から背後を攻められることになる。といって、この小城塞群を抜こうとすると、多大な犠牲を強いられる戦いを覚悟せねばならない。となると、自ずと退くのが最善となりましょう。まさに戦わずして勝つのが最も望ましいとすれば、眼前の城塞はそれを可能にしている訳です。素晴らしい」


「ならば、前回、退くことを選択せず、攻め込んだ我は如何(いかん)?」


 そう尋ねると、「くわばらくわばら」などとぼそぼそ言っておる。我への返答なのか、はっきりしない。


「それで、今回、我らはどうするのだ? やはり退くのか?」


「退くのが最善手ですが、残念ながら、それでは面白くない」


「なら、具体的にはどうするのだ?」


「調べてみます」


「調べる?」


「はい。実際に見て触れて、ようやく分かる事柄があります」


「見て? 触れて? そのためには城塞群に攻め込むことが必要だが。敵の罠にあえて飛び込むということか」


「さようです」


「結局、前回の我と同じではないか?」


 また「くわばらくわばら」などとひとりごちておる。


「それで、いつ、やる?」


「明朝」


 さすがに気が早いなどとは言わず、「うむ。喜ばしい」と答える。それのみ、気が合ったゆえだ。


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