第1話 状況の推移1
献帝と共に帝都・九原におる王允から皇甫嵩将軍へ文が至る。
盧植将軍からの報告として、董卓の後継勢力たる李傕や郭汜の動向についてであった。李傕たちは長安におり、盧将軍は九原と長安の間に軍を展開しておる。彼らは董卓が廃したところの前皇帝――少帝を復位させたとのこと。ただ、少帝の下でまとまっておるという訳ではなく、どうやら内訌に明け暮れておるとのこと。
史実通りに進めば、李傕たちはこのまま滅ぶ。史実云々を抜きにしても、董卓の軍が割れたことを想えば、そもそも大軍を保てておれぬ。ゆえに俺は皇将軍に各地へ檄を発してもらう。
『長安の李傕や郭汜は、九原へ攻め上がって来る余力は無いであろう。また、少帝を擁立したこともあり、帝(献帝)を取り戻すために、無理してそうする必要もない。他方、こちらは先鋒の孫堅軍を撃退したとはいえ、袁紹の大軍と対峙する可能性が高い。各々の状況が許せば、山西の大同へ軍を率いて終結して欲しい』
親しい者たちについては、個別に文を記した。前段の状況説明は同じである。
『ペロ。元気になったか? そんな訳で久しぶりにお前の顔が見たい。会える日を楽しみにしているよ』
『猩猩様へ。いかがお過ごしでしょうか。旧交を暖めるとの理由であれば、より望ましかったのですが。再び猩猩様のお力を借りねばならぬ状況となりました。是非とも来ていただきたい』
『呂布の旦那。ダメ師匠からのお願いだ。旗下に集った遊牧勢を率いて大同へ来て欲しい。決戦の時や、迫る』
袁紹が曹操の方に向かう可能性もあったが、こちらへ攻め来たった場合の備えは必要と考えたゆえであった。




