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終話 出会い@フリチン4

 俺と子供たちとの距離が近づくと、自ずと少年とも親しくなった。


 それゆえ、少年と共に歩くことも多かった。この地は少年にとって自らの庭に等しかったので、いろいろと教えてもらった。場所ごとに、迷ったら、どちらに進めば良いか、見晴らしの良い尾根を目指すか、川沿いに下るか、あるいはどれこれを目印に移動すれば迷うことがないなど。


 最終的には、自らの縄張りの狩り場まで教えてくれた。俺が狩りのやり方、半乳半ケツの珍奇姿で瞬間移動テレポーテーションしてみせると、びっくりしておった。


「フリチン。お前ってすごいんだな」


「いや、子供の面倒見ている清流せいりゅうほどじゃないよ」


 そう、互いにあざなを教え合うまでになっておった。ちなみに、年は数えで十六とのこと。


 そうして一人の人物を紹介してもらう。清流たちが親しくしている鍛冶屋で、まがりなりにも子供たちだけで命をつなぐを得ているのは、彼の存在が大きいという。


 鍛冶のためには水と火を起こすための薪が必要である。なので、泉から水を組み、あるいは薪を造って、それの代金をもらっておるとのこと。また、食料や必要な物の買い出しのために近くの町や村――場合によっては大同まで――に行き、その駄賃をもらっているとのこと。


 この者が造るのは主に武器・防具の類いであり、それらの品は懇意にしておる商人が一人だけおり、その者に卸しているとのこと。結果としては、その代金のいくばくかが、清流たちに流れその生活を支えておる訳である。


 そう聞くと、そいつも良い奴なんだなと想った。


 ただ、極度の人嫌いであり、そのために人間じんかんを離れ、一人、山間で工房を営んでおるとのこと。そうはいっても、人付き合いが苦手――俺自身もその部類だし――その程度と想像したのだが。実際、会ってみると、これがなかなかという奴であった。


「何だ。何の武器が欲しいんだ?」


 と挨拶もそこそこ、というか、まったく無しに聞いて来る。


「いや、武器は使わないんだが」


「何だ。つまらん奴だな」


 つまらんだと。俺は絶句した。


「じゃあ、防具を造ってやるよ。その外套を脱いでみろよ」


「はあ?」


「いや、体形を見ないと造れないだろう。そんなことも分からんのか」


 相手は、顔と服をススで黒くしておった。恐らく、髪とヒゲが黒いのもそのせいであり、実際は白いのではと想われた。やせ細り、言っては悪いがよぼよぼのじいさんとしか見えなかった。声もしわがれておる。


 そうして俺が脱ぐと、ビックリしておる。よろこんでさえおるようだ。まあ、そこまでなら良かったのだが、ついには、俺の胸をビキニ・アーマーの上からとはいえ、グイと揉む。


「なぜ、俺の胸を揉む」


 あまりのことに、俺は猩猩様のときと同じ受け答えをしておった。


「いや、守れるだけの強度を持っておるか、調べねばと想うてのう」


 それから、俺のビキニ・アーマーの上下を鉄で造ると言い始め、俺がそんなの動きにくいし痛すぎるから要らぬと言うと、しばし押し問答となる。


 ちなみに俺が今身に着けているのは、着ているのがわからぬほどの抜群のフィット感と軽さを誇る。防具としての強度という観点でちゃんと調べたことはないが、俺の体はゲーム・キャラとしての頑健さを有しており、実際、これまで不足を感じたことはなかった。


 やがて、俺は猩猩様が武器をなくしたと言っていたことを想い出し、そのことを話すと、そちらに気持ちを惹かれたらしく、


「ほう。そんな遠国の者がのう。是非、所望の武器を詳しく教えて欲しいものだ。それを造るのは我にとっても、得がたき挑戦となろうゆえ」

 などとのたまう。


 俺はそこからの帰り道、側らを歩く清流に、


「とんでもなく偏屈なジジイであったな」と言うと、見た目より、ずっと若いとのこと。三十代くらいではと。


 とすると、あっちの方も現役か。胸を揉まれたのも、死を近くに控えての最後の楽しみならいいかと想ったのだが。ここは一丁、猩猩様の胸を揉んだ末にぶん殴られるという顛末を期待しておこうか。


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