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第1話 転1

 百人隊二隊にしんがりを務め、遅れた者たちを護衛して進むよう命じたあとのこと、呂布は俺たちにも直々に告げに来た。


「噂に過ぎぬとは想うが、放って置く訳にも行かぬ、先に行く。師匠たちは追える速さで続いてくれれば良い」と。


 残りの者たちに「我に続け」と命じ、呂布は馬を疾駆させる。




 俺は下馬する。相変わらず走った方が速いのだ。ペロはやはり騎馬である。当然、猩猩様もまたと想うも、なぜか下馬し、しかも鎧まで身につけだす。


「鎧は到着してからにした方がいいんじゃない? その方が馬の負担も軽くなるし、きっと早く着くよ」


「馬には乗らぬ」


「えっ?」


「何を驚いておる。そなたを見習ってのことだ」


(何かいろいろと間違っている気がする。そもそも、俺は馬にうまく乗れないから仕方なくであって)

 などと想っていると、あることに気付く。胸には布を巻いておった。俺は指さしつつ、


「それは使うんだね」


「うむ。これは素晴らしい。使わぬ理由が無い。これをしておると、胸が邪魔にならず、動きやすい」


(何だ。胸デカ自慢キャラじゃなかったのか)


 俺の心中を察した如く、


「これでも、そなたよりでかいぞ。残念だったな」


(イヤ。俺はそもそもそこに何も見出していないから。本当はそこに喜びがあったはずなんだけど)

 無駄に白く形の良い半乳を見る。


 続けて、猩猩様いわく、

「そなたから学ぶことは多い。我もそなたを師匠と呼んでいいか。フリチン師匠。良い響きではないか」


(いや、完全なイジリだろう。それ)


 そんなやり取りをしつつも、俺の先の指摘は有効だと気付く。


「走って行くにしろ、着ない方がいいんじゃないの」


「何を言うておる。それでは、鍛えられぬではないか。自らの足で走るからこそ、身につけておるのだ」


 何を言っても聞かぬ感じであった。遅れれば、自ら考えを改めよう。そこに期待するしかなかった。




 それで、猩猩様の実際の走りはといえば。何と、付いて来ておった。もっとも、俺も全速力ではない。とはいえ八割方は出しておった。ただ、あの鎧を身につけてと考えると、まったくチート・キャラはとのいつもの感情しか残らぬ。


 そして、俺たちは呂布に続く部隊の中段当たりにおるらしく、周囲を駆ける騎馬の群れに囲まれておった。これであれば、速度を上げる必要もない。




 補足:十進法に基づく軍の部隊編成は遊牧勢一般に見られる。モンゴルのものが最も有名であり、また研究もされているが、匈奴も同様であると考えられている。というのは、『史記匈奴伝』が秦の始皇帝のときの単于の名として伝える「頭曼」とは、モンゴル語で万人隊長を意味するトゥマンの音写と考えられているからである。(つまり、この者は単于と万人隊長トゥマンの二つの称号を有しており、後者を誤って名とみなした)


 ところで、百人隊だからといって、ちょうど百人という訳ではない。各部隊は、血縁・地縁でつながった者たちにより構成されるのがほとんど。ここら辺は日本と同じですね。そして、その数が、ちょうど百、千、万になる訳がないことは想像がつくところだと想います。


 以下に元朝モンゴルの時代の万人隊、千人隊の例を載せます。『元史』の百官7の諸路の万戸府の条の関係する部分のみ訳します。(路は元朝の地方の最大の行政単位です。現代の省に相当します)

『上万戸府は7千以上、中万戸府は5千以上、下万戸府は3千以上の軍をつかさどる。

 上千戸所は7百以上、中千戸所は5百以上、下千戸所は3百以上の軍をつかさどる。』

 元史の万戸府とは万人隊、千戸所とは千人隊のことです。これより三千人以上であれば万人隊、三百人以上であれば、千人隊と呼んだことが分かります。


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