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TSやらかし転生@三国志――俺だけチート不完全?  作者: ひとしずくの鯨
第27章 状況の推移5(後篇)
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第2話 状況の推移5―5

 俺たちは横穴の一番奥に至る。少し急な階段――土では崩れるのだろう、木で作られておった――を降りて、別の横穴に出る。そこから更に下に伸びている階段もあった。


「他のところもこんな感じでつながってるの」とは白蓮。


 俺たちは、より明るい方、陽の光が入っているゆえであろう、入口側に向かう。


 進み続ける中、急に倫倫が震えだした。


「どうしたの? 具合、悪いの?」


 俺は尋ねる。


「何だろう? これ」


 そうつぶやく。


 俺は彼女を背中から降ろした。顔色をうかがうが、隈取をしているので、よく分からない。


 ついには座り込む。清流が心配して、そのかたわらでしゃがみ込むのが見えた。と、同時に何かが重なって見えた。蟻の巣の如くが俯瞰(ふかん)して見える。そして、その中に光点があった。近くに三つ、少し離れて一つ。


「何だ。これ」


 想わず、先に倫倫がつぶやいたのとほぼ同じ言葉が、俺の口からも漏れた。


 続いて、白蓮の魔法の明かりが消えた。見ると、白蓮の赤い眼が闇の中で焦点を失っておる。


 ふと、想い至る。同じものが見えているのだろうか?


「みんなも見えているのか? 蟻の巣の如くが」


「蟻の巣って何?」白蓮が問い返して来る。


「地下迷宮(ダンジョン)と言えば、分かるかな?」


「というか、これって、もしかしたら、ここじゃない。私たちが入っているここ」と白蓮。


「確かに、言われてみれば」と俺。


「中に私たちがいる」そう言ったのは倫倫。


「ああ。この光の点は俺たちか」


「光の点? そう見えなくもないけど、私にはもっと複雑に見える。そして、フリチン姉ちゃんと白蓮姉ちゃん、それに、私。それぞれが違う。そして、遠くにいるのはペロちゃん。


「跳んでみろ」


 俺の耳元でいきなり声がした。一度聞こえた、あの湿り気を帯びた女の声だ。俺は周囲を見回す。声の主らしき者は見当たらぬ。


「誰か俺に『跳んでみろ』って言った?」


 その声は白蓮や倫倫のものより明らかに低かったが、俺は念のために聞いてみる。


「おチビちゃんのところに跳んでみろ」


 再び声がした。この中でペロのことをおチビちゃんと呼ぶのは白蓮だけ。ただ、俺と向き合っておる白蓮の口は開いていない。


「誰だ?」俺は声の主に向け、問うてみる。


「いいから、跳んでみろ。技を磨くために、ここに入ったのだろう」


「技って?」


 そう問う俺の中で、ようやく『跳ぶ』というのと『テレポ』がつながった。


「俺。テレポを試してみるよ」


 試すって、こういうことか。一人合点しつつ、俺は少し離れた光点を導きとして、そこに意識を集中する。見えているのは絵というより、ゲームでいうところの3Dマップに近い。黒い背景の中に、横穴に相当する部分の輪郭が薄い燐光を発して浮き上がっておる。その中に明るい光点がひとつ。その周りに影の如くのほの暗い点がいくつか見える。俺は、そのかたわら――念のために、すこしばかり距離を取って――に立つ自分の姿をイメージした。


 次の瞬間には、かたわらにびっくり仰天したペロがおった。腰をぬかしたごとく、地べたに座り込んでおる。そうして、急いで逃げ去る小動物の後ろ姿が横穴の奥に消える。何かの影の如くに見えたのが、あれらなのだろう。


「悪いな。ペロ。驚かしてしまったようだ」


 ペロは返事さえできないようだった。


 そうして、俺は早速もう一度試したくなる。今度は、別の横穴。光点も影点もない。そこに立つ俺をイメージする。すると、次の瞬間、周囲が変わる。十中八九、イメージしたところにテレポしたのだ。


「おお。これはテレポの上位スキルか。これを用いれば、別の横穴に移動できる。ならば、敵から逃げるのも、敵を襲撃するのも、より一層たやすい」


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