第2話 状況の推移5―2
清流と倫倫は俺たちが住んでおった教室に同居することになった。
ところで、その清流に鍛冶の方は止めたのかと問うと、そうではないとの返事。師匠は漢軍と共に後に来るとのこと。清流の周りにいた子供たちもそのとき来る。それで、倫倫の世話係として先に来たと。
まあ、確かに猩猩様も世話できなくはないだろうが、何となく、その様を想像し、似合わねえなとは想う。ただ、案外とも想う。何せ、盧植といい仲になるなんてことをあっさりなしてみせたのだから。
それで、倫倫の方はといえば、ペロについて手鞠の見舞いに行っておった。ペロは昔からの馴染みであるから分かるが、なんで倫倫も、とは想う。
そのことを白蓮に聞いてみた。彼女も俺と同じで手持無沙汰であり、俺の歴史蘊蓄話の聞き手はここではペロではなく彼女であった。
「おチビちゃんは違うんだよ。見舞いじゃないの。隈取をしてってお願いに行ってるの」
おいおい。本当かよ。「まったくケガ人相手に。止めて来ようか」と言って、俺は立ち上がるが。
「放って置いていいのよ。お姉様がケチなんだから。私にもあんまり隈取したがらないの。お願いしてもダメなのよ」
「でも、あれは戦いのときのためのものだろう」
「それは私も知っているけれど、でも、減るもんでもないし、いいじゃないの。してくれたって。そう想わない」
「俺は戦いのときだけでいいよ」
「でも、蝶蝶。話し方がちょっと変わったね。前は自分のこと、俺なんて言わなかったでしょう」
俺はしばし絶句し、「色々あってね」とのみ答える。
「そうね。私と手鞠お姉さまもいろいろあったわ。でも、どうして、こちらの世界に来たんだろう」
赤い瞳でまっすぐ俺を見て、そう問う。俺が老子のじっちゃんにした恥ずかしいお願いを知るはずもない。俺が原因なのか? 俺の転生に巻き込まれた? だとしたら、スマンとは想うが、俺とは関係なく、色物組は来たのかもしれないしな。
「それから、おチビちゃんは隈取しても強くならないの。なんか、本人は認めていないんだけどね」
それも、ペロらしいといえば、ペロらしいが。
そうそう。ペロは白蓮たちにはおチビちゃんと呼ばれておった。なので、あるとき、
「ペロ。おチビちゃんの方がいいなら、そう呼ぼうか」と問うと、
「ペロはペロだい」とのこと。
その理由は何となく分かった。白蓮と話すとき、ペロはつま先立ちして、少しでも背を高く見せようとしておったのだ。それでも、白蓮より若干低いのだが。ペロはああ見えて負けず嫌いなんだよな。そういえば、良く『フリチン如き』なんて言い方してるしな。まったくペロの奴。




