第21話 ― リサ
レンは、リセラの提案を聞いた瞬間、口をあんぐりと開けた。
一方のリセラは、まるで自分が抱えていたすべての問題を解決する完璧な方法を思いついたかのように、嬉しそうに笑っていた。
「こ、婚約?」
「そう、そう! ああ、どうして今まで思いつかなかったんだろう!」
レンは、明らかに困った様子で頭を掻いた。
「ご、ごめん。でも……たぶん、君は俺のことを好きにならないと思う。俺たち、まだお互いのことをほとんど知らないし……」
リセラは、すぐにレンの言葉を遮った。
「偽物よ! お父様が『王国は兄さんに譲る』って言って、私にいちいち構うのをやめさせるためだけなんだから」
「ああ……それでも……」
リセラは小さく微笑んだ。
そして、まるで自分の姿を見せつけるかのように、その場でくるりと一回転した。
「あら、私だってそこまで醜くないわよ。ほら、別に犠牲になるわけじゃないんだから。あっ、しかも今は白衣を着てるし、あはは!」
レンは少し目を見開いた。
「でも、君は醜くなんかない。綺麗だよ。問題はそこじゃなくて……」
リセラは、またしても彼の言葉を遮った。
「き、綺麗……?」
彼女は一瞬、完全に固まった。
「わ、私が……綺麗?」
レンは瞬きをした。
「そ、そりゃそうだろ。鏡見たことないのか?」
二人の間に、数秒間の沈黙が流れた。
やがてリセラは小さく微笑み、横へ視線を逸らした。
少しずつ、その顔が赤く染まっていく。
それに気づいたレンも、気まずそうに視線を逸らした。
「ご、ごめん……そんなつもりで言ったんじゃなくて。た、ただ……」
「だ、大丈夫よ、レン。分かってるから。ありがとう」
リセラは深く息を吸った。
「もう、ここでの診察は終わりよ」
レンは診察台から立ち上がった。
「じゃあ、もう帰っていいのか?」
リセラは驚いたように小さく跳ねた。
「えっ? い、一緒に来てくれるんじゃないの?」
レンは信じられないものを見るような目で彼女を見た。
「今から行くのか?」
「もちろんよ! あなたは私の婚約者として紹介されるんだから。人間だろうと……たぶん、問題ないわ」
レンは目を見開いた。
「た、たぶんって?!」
「ああ、もう! 私のことを手伝ってくれたら、私も……」
「俺は友達のことが心配なんだ!」
レンはすぐに彼女の言葉を遮った。
リセラはため息をついた。
「ああ、もう……分かったわよ。先にあなたの友達を見に行きましょう。そのあとで私を手伝ってくれるんでしょう?」
彼女はレンに向かって手を差し出した。
レンはため息をつきながら、その手を握った。
「ああ……まさか、こんな形で婚約することになるなんてな……」
リセラは眉をひそめた。
「偽物よ、レン。さあ、あなたの友達を見に行きましょう」
レンは小さく笑った。
「ありがとう、リセラ」
二人はそのままロビーへ向かって歩き始めた。
しかし、廊下へ出た瞬間、突然リオレンが現れた。
リセラは驚いて飛び退いた。
「リ、リオレン?! いきなり出てこないでよ!」
リオレンは落ち着いた様子で彼女を見た。
「研究の進み具合はどうだ、リセラ?」
「順調よ。もうすぐ、この世界の結界がどんなものなのか、そしてどうやって開くのか分かるはず」
リオレンは頷いた。
「そうか。それならいい。約束を守ってくれていて安心した」
するとリセラはレンを指差した。
「でも、今はレンの個人的な問題を片付けないといけないの。それが終わったら、彼にも少し協力してもらうつもり」
リオレンは、すぐに表情を険しくした。
「それは認められない。お前は研究に集中すると言ったはずだ」
「患者が条件を出しているんだから、私にはどうしようもないでしょう。この処置は無理やり行えるものじゃないのよ?」
リオレンはレンを見た。
そして、その顔に不気味な笑みを浮かべた。
「なら、こいつの腕と脚を引きちぎってしまえばいい。そうすれば、自分の意思で診察台に寝ていることになるだろう? なあ、勇者?」
レンはすぐに戦闘態勢を取り、拳を構えた。
「俺たちの戦いはまだ終わってねえぞ、このクソ野郎!」
リオレンの手から、ゆっくりと鋭い爪が伸びていく。
同時に、牙も少しずつ長くなっていった。
リセラはすぐさまレンの前に立った。
「何をしてるの?! 私たちの約束をもう忘れたの?」
リオレンは目を細めた。
「忘れたのはお前だ! この人間と一緒に外へ出て、好き勝手に歩き回るつもりか?」
レンは深く息を吐いた。
「俺は協力すると約束した。お前たちも俺を助けてくれるならな。もう分かってるんだ。お前は、そうでもしないと俺の条件を受け入れるつもりがないんだろ」
「もういい!」
リセラはリオレンへ振り返った。
「その爪をしまって! それからレンを挑発するのもやめて。二人で城を壊されたら困るでしょう!」
リオレンは数秒間、黙っていた。
そして、問いかけた。
「まさか……お前、この人間のことを気に入っているのか、リセラ?」
リセラの目が大きく見開かれた。
「な、何を言ってるの?」
レンも完全に驚いた。
「あ、ありえない……」
リオレンは小さく笑った。
「ああ……なるほどな。この人間が素直に協力するわけがない。姫、お前の魅了がなければな。だが、どうやらその魅了はお前自身にも効いてしまったらしい」
レンは瞬きをした。
「魅了……?」
リオレンはしばらくレンを観察した。
それから再びリセラへ視線を戻した。
「リセラ……俺に遠回りをさせるなよ」
次の瞬間、リオレンの身体が消え始めた。
数秒もしないうちに、彼の身体は空気の中へ溶けるように消えていった。
そして、その存在感さえ完全に消失した。
レンは、リオレンが立っていた場所を見つめた。
「あ、あいつ……嫌いだ!」
リセラはため息をついた。
「ああ、彼は古代種の一族なの。かつては絶滅したと考えられていた種族よ」
レンは彼女を見た。
「なあ、リセラ……一応、はっきりさせておきたい。君が俺にその……魅了ってやつを使ったのかどうかは分からない。でも、ギャリックに会いに行ったあとなら、君を手伝うことは構わない」
リセラの顔が一瞬で赤くなった。
「そ、それは言わないで! 忘れて!」
彼女は視線を逸らした。
「それで……ギャリック? それがあなたの友達?」
「うん。この世界での、少なくとも俺の一番の親友だ。へへ」
リセラは小さく微笑んだ。
「リ、リオレンが言ったことなんて気にしないでね?」
「俺、あいつ嫌いだ……。あいつには何か変な感じがする」
「吸血鬼って、みんなあんな感じなのよ。気にしないで。私たちは協力関係にあるから」
そう言うと、彼女は振り返った。
「さあ……早く行きましょう。できるだけ早く戻ってこないと!」
レンは彼女のあとを数歩追いかけた。
「どうしてそんなに俺を信用できるんだ?」
リセラはレンを振り返った。
「え?」
「俺、逃げることだってできるだろ」
リセラは微笑んだ。
「あなたは強い。でも、私のほうが強いわ。それに、あなたはもう私と契約を結んでいるもの」
レンは足を止めた。
「……冗談だろ?」
「そのときに交わした言葉と、私が使った魔法によって、私たちの約束は契約として記録されているの」
レンは目を見開いた。
「う、嘘つくなよ、リセラ!」
彼女は扉を指差した。
「じゃあ、一人でその扉から出てみなさいよ!」
「いいぜ。でも、あとで文句言うなよ……」
レンは扉へ向かって一歩踏み出した。
バンッ!
突然、脚から力が抜けた。
「え?」
ドサッ!
レンはそのまま床に叩きつけられた。
「い、痛ぇ!」
数秒間、レンは完全に動けなくなっていた。
リセラは落ち着いた様子で近づいてきた。
「ほらね?」
彼女は微笑んだ。
「まあ、いいじゃない。楽しくなるわよ」
レンはゆっくりと身体を起こした。
「この魔法を解除しろ。今すぐ!」
「婚約者として紹介したあとで解除してあげる」
レンは眉をひそめた。
「おい……それは信用っていうものとは違うだろ」
リセラは微笑んだ。
「その通りね。でも、今あなたがいるのは私の領域よ。だから、あなたも適応しないとね。いい?」
レンはため息をついた。
「ああ……分かったよ。もういい」
リセラはしばらくレンを見つめた。
レンが視線を逸らしていることに気づいた。
彼女は髪を整えると、そのままレンの前へ歩いていった。
「お、おい。何してるんだ?」
リセラはさらに近づき、両腕をレンの肩へ回した。
「め、目を閉じて」
レンは困惑した。
「え? ちょ、ちょっと待て……本気か?」
リセラは手を上げ、指先でレンのまぶたに優しく触れ、その目を閉じさせた。
「私……あなたに渡したいものがあるの」
「わ、分かった。目を閉じる。でも、そこまでしなくても……」
チュッ。
レンの額に、軽い感触が触れた。
同時に、甘く、それでいて予想外に温かな感覚が身体中を駆け抜けた。
レンは目を開いた。
目の前には、顔を少し赤くしたリセラが立っていた。
「ぷ、プレゼントをあげたの……怒らないでね?」
レンは彼女を見つめた。
リセラの可愛らしい顔は完全に赤くなっていた。
そして彼女は、恥ずかしそうに何度も視線を逸らしている。
レンは少し震える手で、優しく彼女の腕を掴んだ。
「き、君……わざわざ、こんなことまでしてくれたのか……」
彼はリセラの腕をゆっくり下ろした。
「ありがとう。でも……そ、そんな顔で俺を見るのは、もうやめてくれよ」
レン自身の顔も赤くなっていた。
彼もまた、視線を逸らしていた。
リセラは瞬きをした。
「ど、どうして? 嬉しくなかったの?」
レンは少しだけ後ろへ下がった。
「そういう意味じゃない……。ただ……」
彼は深く息を吐いた。
「……俺が甘やかされることに慣れちまいそうだから」
リセラの目が大きく見開かれた。
「ええええっ?!」
レンは前を向いたままだった。
「ほら、もう行こうぜ。も、もう十分待っただろ」
リセラは緊張したように、自分の髪を弄り始めた。
「う、うん……行きましょう」
二人はようやく城の外へ出た。
入口まで来ると、リセラは振り返って衛兵たちに声をかけた。
「衛兵! この人は私の婚約者よ。もしお父様の使者が来たら、そう伝えて!」
衛兵たちは数秒間、互いの顔を見つめ合った。
そして、一人が口を開いた。
「で、でも……彼は人間ですよ!」
リセラは眉をひそめた。
「それが何?」
衛兵たちは慌てて頭を下げた。
「な、何でもありません! へへ……頑張ってください! うおお!」
リセラはただ微笑んだ。
二人はそのまま馬に乗り、出発した。
二人が少し離れたところで、一人の衛兵がもう一人を見た。
「王様、あの人間を見た瞬間に殺すんじゃないか?」
もう一人の衛兵は首を横に振った。
「いやいや。あの人間が姫様の婚約者だって聞いた瞬間に殺すだろ」
最初の衛兵が笑い始めた。
「どっちにしても……あいつ、死んだな」
その頃、ある山の頂上には数人の人影が集まっていた。
そのうちの一人が杖を掲げていた。
「また人間?」
ミレリアは杖を見ながら、困惑した。
「えっ……急に進路が変わった! 今……街道にいる」
リセラは目を見開いた。
「レンが今、街道にいるの?」
ギャリックは歯を食いしばり、示された方向を睨んだ。
「今からそっちへ向かう! 待ってろ、レン!」
***
『ラスト・ドロップ』の酒場では、ミハルが最後の客を見送ったあと、店を閉めようとしていた。
彼女は男を扉まで送り届け、微笑んだ。
「おやすみなさい。明日は飲みすぎないでくださいね?」
男は完全に顔を赤くし、ふらふらしながら片手を上げた。
「だ、大丈夫だぁ……また明日ぁ……げふっ」
ミハルは、遠ざかっていく男を見ながらため息をついた。
酒場を閉めると、彼女は自宅へ向かって歩き始めた。
夜は静かだった。
そよ風がゆっくりと空気を揺らし、ミハルの髪を優しくなびかせていた。
彼女は深く息を吸った。
「今日は……いい夜ね」
ミハルはそのまま歩き続け、やがて自宅へたどり着いた。
家に入ると、酒場から持ってきたパンをテーブルの上に置いた。
椅子に座り、パンを食べ始める。
「今夜の接触に備えないと……」
パンを食べ終えると、ミハルは水の入った瓶を手に取り、数口飲んだ。
手の甲で口元を拭うと、立ち上がった。
そして服を脱ぎ始めた。
彼女は大きな釜に水を注ぎ、その下に薪を置いて火をつけた。
数分後には、水はすでに温かくなっていた。
ミハルは湯に入り、満足そうに息を吐いた。
しばらくの間、何も起こらなかった。
すると、彼女はふと思った。
「今夜は……静かすぎるくらい静かね……」
突然、頭の中にかすかな振動を感じた。
「ん……?」
ミハルは目を閉じた。
「もう……よりによって、お風呂に入ってる時に……」
彼女は深く息を吸い、自分の呼吸を整え始めた。
ゆっくりと息を吸う。
そして、吐く。
息を吐くたびに、自分の身体が少しずつ軽くなっていくような感覚があった。
彼女は何度もその動作を繰り返した。
そして――
ミハルは目を開いた。
そこは、完全に晴れ渡った空の下にある丘だった。
彼女の身体には、軽くて動きやすい服が身につけられていた。
ミハルは周囲を見回した。
「まだこれには慣れないけど……私が連絡を取るには、この方法しかないからね」
その隣から、女性の声が聞こえてきた。
「こんにちは、ミハル。久しぶりね」
ミハルが顔を向ける。
そこには一人の女性が立っていた。
その身体は淡く、まるで幽玄な光をまとっているかのように輝いていた。
長い髪は白く、身につけている長い白いドレスもまた、かすかな光を放っていた。
ミハルは微笑んだ。
「元気だった、リサ? 何か新しい情報はある?」
リサと呼ばれた輝く女性は答えた。
「ええ……まだザラスへの対処に追われているわ。実は、カエルもまだすべての形態を使いこなせていないの」
ミハルは眉をひそめた。
「でも、あなたたちは何をしてるの? どうしてまだ全部を使いこなせていないの?」
「彼に時間をあげて。すべての形態を使いこなすには、心身ともに最高の状態である必要があるって、あなたもよく知っているでしょう……」
ミハルは頷いた。
「そうね。私も今、その過程にいる。でも、こっちでも色々と対処しないといけないことがあるから」
するとリサが尋ねた。
「あなたたちを閉じ込めているダイモンを弱体化させる方法は見つかった?」
ミハルは首を横に振った。
「まだ。でも最悪なのは、あのダイモンが自分の力の大部分を一人の王に与えてしまったことね。それに、その王がとんでもない馬鹿なのよ」
リサは丘の先にある地平線を見つめた。
そして両腕を伸ばした。
「もし私がザラスに弱体化させられていなかったら、もっとあなたを助けられるのに」
ミハルはしばらく黙っていた。
そして、ふと思い出したように口を開いた。
「そういえば……この前、変な男に会ったの」
リサはすぐに興味を示した。
「変な男?」
「彼から……変なエネルギーを感じたの。あなたのものと似ていた」
ミハルは少し間を置いた。
「それに、この世界のダイモンから感じるエネルギーにも似ていたわ」
リサはわずかに目を見開いた。
「え? 本当に?」
彼女は考え込んだ。
「それなら、彼はオリスの制御をもっと簡単に覚えられるかもしれない」
ミハルは首を横に振った。
「彼には魔力が一切ないわ」
「え?」
「名前は……マツダ・レン。そう、それよ」
リサは数秒間考え込んだ。
「うーん……その名前のヒョーレン族には心当たりがないわ」
「彼は私の一族じゃない。でも、私と同じ目を持つ人を知っていると言っていた」
リサは目を見開いた。
「じゃあ、彼はヒョーレン族の誰かを知っているのね!」
そして笑顔になった。
「ああ、カエルはきっと大喜びするわ!」
ミハルは眉をひそめた。
「あの子を甘やかすのはやめなさい。確かに一族の虐殺を生き延びたけど、もう立派な大人よ、リサ」
リサは気まずそうに笑った。
「へへ……ご、ごめんなさい。でも、私からすると、あなたたちは今でもみんな幼く見えるのよ」
ミハルはため息をついた。
「そうでしょうね。あなたはほとんど女神みたいなものだから」
リサはすぐに頬を膨らませた。
「私はダイモンよ!」
ミハルは肩をすくめた。
「はいはい、分かったわよ」
そして突然、目を見開いた。
「あっ、しまった! あの男がどの惑星から来たのか、名前を聞くのを忘れた!」
リサは瞬きをした。
「彼って誰?」
ミハルは呆れたような顔で彼女を見た。
「レンよ! あなた、記憶力大丈夫?」
リサは頬を膨らませ、顔を赤くした。
「い、いじらないでよ! わ、私はまだ回復中なんだから!」
ミハルはため息をついた。
「もし別のダイモンの力を借りて、この世界のダイモンに対処できるなら、できるだけ急いで」
リサは落ち着いた声で答えた。
「私もできる限りのことをしているわ、ミハル」
「それで、今は何をしてるの?」
リサは少し考えた。
「そうね……まだ十分な力は戻っていないわ。カエルのオリスを取り込みながら、今は『色欲の大陸』へ向かっているところ」
ミハルはむせた。
「げほっ! げほっ! な、何ですって?!」
リサはすぐに気まずそうな笑顔を浮かべ、顔を隠そうとした。
「わ、私の星の住人たちがそう呼んでるだけよ!」
ミハルは数秒間、彼女をじっと見つめた。
そしてため息をついた。
「分かったわ。カエルの準備ができたら、私たちの精神会話に連れてきて。彼と話したい」
リサは頷いた。
「ミハル、このマツダ・レンを助けて」
ミハルは真剣な表情になった。
「本当に彼から私たちと同じエネルギーを感じたのなら、彼はあなたの世界のダイモンに対処する上で、大きな助けになるかもしれない」
リサは少し間を置いた。
「それに、彼なら……彼の世界にいる、あなたが知っているヒョーレン族が誰なのかも教えてくれるかもしれない」
ミハルは数秒間、考え込んだ。
「分かった。じゃあ、もう行くわ。お風呂を終わらせないと」
彼女は手を振った。
「またね」
リサも微笑んだ。
「またね」
ミハルの周囲の景色が、ゆっくりと暗くなり始めた。
色が消えていく。
空も、丘も、そしてリサさえも、闇の中へと飲み込まれていった。
ミハルは目を開いた。
再び浴槽の中にいた。
彼女は数秒間、天井を見つめた。
「リサ、リサ……」
ミハルはため息をついた。
「今になっても、どうして女神ルミナリアの干渉を一切受けずに、彼女と精神的に連絡を取れるのか分からないわ……」
彼女は浴槽から立ち上がり、タオルを手に取った。
身体を拭きながら、リサの言葉を頭の中で繰り返す。
「マツダ・レンを助ける……」
ミハルは数秒間、考え込んだ。
そして頷いた。
「……分かった」
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます!
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皆さんの応援が、これから物語を書き続ける大きな力になります。
これからもレンたちの物語をよろしくお願いします!




