9 婚約式
女巨人はマリエールが何時もと違うことを感じた。こんなことが前にもあったことを思い出す。触れていいことか判らないのでこれ以上関わるのを止めた。
9 婚約式
その頃、身代わりのアンドロイド達は婚約式の準備を進めていた。アレンとマリエールの婚約式だ。幾ら婚約式は身内だけの会と言っても将来の国王と見なされている王子と第一の貴族である公爵家の令嬢の婚約式だ。それなりの規模になると予想される。普通の貴族の結婚式以上になる。
本人達は至って冷静だ。だってアンドロイドだから感情はない。あるようにジェスチャーしているだけだ。身代わりだから本来アンドロイドが婚約するはずがない。マリエールの身代わりのアンドロイドに女巨人が、
「いよいよ婚約式ですね。マリエール様、ハレの舞台ですよ。緊張しますね。」
女巨人はマリエールにドレスを着せながらからかい半分でそう言った。マリエールの年でドレスを作ることは通常ない。婚約式を開催する場合であってもドレスは着ない。かなり特殊なことだ。
「緊張するものですか。緊張したことがないので緊張がどんなものか体験したいものです。」
アンドロイドは緊張しない。マリエールはどうだろう。婚約式だと言っても緊張するとは思えないが。女巨人は、
「流石マリエール様、言うことが常識外れですね。」
これが本当のマリエールなら怒るだろうがアンドロイドだから怒らない。
「常識外れはないと思いますよ。緊張しやすい人とそうでない人がいるだけだと思います。」
女巨人は今日のマリエールは何時もと違う。こんなことが前にもあったと思うが触れていいことか判らないのでそれ以上突っ込むのは止めた。
婚約式は盛大だった。事実上の皇太子就任と同じ意味があるからだ。皇太子候補は2人いる。第一王妃の長男で第ニ王子のアレンと第ニ王妃の長男で第一王子のアベルだ。国王は第一王妃と先に結婚したが先に男児を産んだのは第ニ王妃だ。家柄がはっきり違えば問題ないが第一王妃の生家は侯爵で第ニ王妃の生家は伯爵だ。侯爵と伯爵では侯爵の方上だが、伯爵の方が領地に勢いがある。国王はこの問題に決着をつけるべくマリエールと婚約した者を成人した後皇太子にすると表明した。そして今日がある。当然第ニ王妃や第一王子、伯爵は納得しない。
アレンとマリエールのアンドロイド達は貴族達と談笑する。貴族達から、
「このような盛大な婚約式は始めて見ました。さぞかしお2人とも緊張されているでしょうね。」
アレンのアンドロイドは、
「緊張は確かにあります。しかし、国王陛下からこれは国とって必要なことだからしっかり責任を果たせと言われていますのでやり遂げます。」
一方マリエールのアンドロイドは、
「アレン王子とは毎週勉強会をしています。優しくて穏やかな方ですから信用しています。緊張はありません。」
貴族達はその言葉を信じた。一方第ニ王妃派の貴族は、
「マリエール令嬢は、アベル王子とは勉強したりお話しすることはありませんか。」
婚約式で話すことではないと思うが、マリエールのアンドロイドは
「アベル王子も良くしてくだいます。勉強で判らないところを教えてくださったり、困った時相談に乗ってくださったり助けてくださったりしてくだいます。これからもいい関係でいられることを望みます。」
婚約者を差し置いて他の王子といい関係でいられるとは思えないが。
第ニ王妃派の貴族がマリエールのアンドロイドにアベル王子とのことを尋ねる。マリエールのアンドロイドはアベル王子とはいい関係でいたいと答えた。




