32 万能者
アレンとマリエールは剣や槍では万能者に手も足もでなかった。悪魔と戦って魔獣殲滅の魔法を万能者に見せた。
32 万能者
万能者はアレンやマリエールを幼いと言った。そして気になる言葉ではなかった。次の言葉に比べれば、
「その容姿故、キングドラゴン如きにさえ苦戦しておったと理由にするのか。時空を操る不死の者。」
それは明らかに嘲りの言葉。挑発か。しかしマリエールは、
「我々は単にダンジョンを踏破しただけで時空を操る不死の存在に一年前になったばかりの若輩者です。万能者の教えを頂きたく参りました。」
と丁重に出た。万能者は豪快に笑った。
「良かろう。先ず手合わせしてやろう。手加減してやる故殺しはしない。」
万能者は剣、アレンは剣でマリエールは槍だ。アレンとマリエールは万能者に手も足もでなかった。
「良くそれでダンジョン踏破できたな。」
アレンは魔法特にマリエールの魔獣殲滅の魔法でダンジョンを踏破したことを語った。万能者は、
「魔獣殲滅の魔法か。この物を殲滅してみよ。」
と悪魔を出した。
強い悪魔だった。厳しい戦いの末、マリエールの魔獣殲滅の魔法で悪魔を仕留めた。万能者は、
「確かに魔獣殲滅の魔法には違いないようだ。でも威力が弱い。詠唱が違うせいか、魔力が足りないせいか、惜しいものよのう。時空を操る不死の存在で魔獣殲滅の魔法を使えるのに力が足りなくて活躍できぬとわな。我はこの地から離れることが叶わぬ。我に代わり宇宙の悪を殲滅せよ。力を与えよう。贖わず受け入れよ。」
膨大な知識、記憶、能力、魔法、力が流れ込んできた。2人は万能者になった。万能者は言った。
「万能者は持てる力をただ正義のために使うことだ。我利我欲ために使えば我のように報いを受ける。我はそのために生きる空間をこのダンジョンに封じられてしまった。我のようにならぬために正しく生きよ。」
万能者は掻き消えるように姿を消した。
唖然としていた2人は正気に戻って今後のことを考えた。アレンは、万能者の記憶から銀河系の秩序を守っている「秩序を守る会」の「代表者」に会おうと思った。アレンは考えをマリエールに伝え
「どうかな? 」
と問うた。マリエールは、
「とてもいい考えだと思うわ。是非そうしましょう。」
と答えた。
その時王国から救援を求める信号が送られてきた。アレンは、
「マリエール、急ごう。」
2人はコンダクターを王国に送り転移した。
国王は、
「北の国が西方のアーリア帝国に宣戦を宣告された。北の国が占領されれば我が国も危ない。頼りできるのはどの道お前達だけだ。北の国を助けるせよ見捨てて自国を守るにせよその方ら次第だ。その方らの考えを聞かせてくれ。」
国王は悲壮感が漂っていた。マリエールは、
「北の国次第です。国王陛下が助ける値する国とお考えになるなら助けましょう。助ける値しない国とお考えなら我が国だけで守りましょう。」
マリエールの考えは明確だ。敗けるとは考えられない。ただ守る範囲が自国だけか他国も入るかだけだ。国王は、
「それが良く判らないのだ。北の国とはほとんど行き来がない。国交もない。北の国の考えが判らないのだ。その方らが確認して判断して欲しいのだが。」
2人は国王の命令に従った。
アーリア帝国が北の国に宣戦布告した。我が国が北の国に手をかすか自国だけ守るか国王はアレン達に判断を委ねた。




