16 停滞
東の国の陸軍大将と参謀は打開策を考えた。川沿いの防護柵を集中的に攻撃する案は良かったけれど。既に対策済みだった。
16 停滞
東の国側は打開策を検討する。ある参謀は、
「川沿いの防護柵に集中して複数で流れ込めば裏に入れます。裏と表の両面から挟み撃ちにすれば勝機はあるでしょう。」
この作戦は採用され実行された。確かに弱点だ。だから川沿いに何重にも防護柵が設置されていた。結局この作戦は成功しなかった。ある参謀は岩を撃ち出す攻城兵器を提案した。実際実戦に投入された。的が小さくて当たらない。これも成功とは言えない。ある参謀は船作り、防護柵の裏に回り裏から攻撃すれば効果あるのでないかと提案した。これも採用され実行された。ピストン輸送も提案されたが上流には遡れない。片道だけの船では幾ら作っても送れる人数が限られる。大きな船を作って帰国するのはどうかという案も出たがそんな船を作る技術もないし木材もない。
結局戦況は停滞した。一か八かの勝負に出たことは何度なくあったがいい結果は得られない。
アレンは戦場をマリエール任せ、国王に報告と今後方針について尋ねることにした。先ずアレンから、
「東の国の軍勢50万人は我が国の防護柵に囲まれて事実上身動きが取れない状態です。我が国側の損害はほぼゼロです。あちら損害は推定ですが数万人です。お聞きしたいのは早期の決着を目指して総攻撃するべきなのか、敵が餓死するのを待つかです。」
国王は一緒にいる陸軍大将と近衛隊長に目をやった。陸軍大将は、
「50万人を捕虜にする事もできませんしなんとか決着をつける必要があると思います。ただ餓死を待つのもどうかと思います。例えば兵糧を盗んで兵隊の士気が下がったのを見越して渾身一滴の大勝負をかけるのが良いと思います。」
近衛隊長を頷いていた。国王は、
「アレン、それでどうだ。」
アレンは複雑そうな顔して、
「やるのはマリエールです。国王陛下のご命令であれば異存ないと思いますが、総攻撃というのはマリエールと彼女のアンドロイドが一斉に爆裂魔法を撃つことで、敵の士気とはあまり関係ないと思いますがご命令とあれば従います。」
国王は複雑そうな顔をしながらも、
「敵の士気を絶ってからの総攻撃だ。」
と命令を下した。
アレンの報告を聞いて、マリエールはため息をついた。
「じゃ今晩から兵糧盗んで来るわ。ところで敵の士気が下がったどうかどうやって判断するの。」
アレンは苦笑いをして、
「こっちで適当に判断して、国王陛下に敵の士気が下がったようなので総攻撃に移りますと言うよ。国王陛下も士気があろうがなかろうが関係ないと思ってるよ。ただ陸軍大将の面子を立てただけさ。」
その晩東の国の軍勢の兵糧が消えた。
一ヶ月後アレンは国王陛下に、
「敵の士気が下がったようなので総攻撃に移ります。ご許可を下さい。」
と言った。国王陛下は、
「許可する。」
とだけ言った。マリエールとマリエールのアンドロイドは、一斉に爆裂魔法を東の国の軍勢に放った。マリエールとそのアンドロイドはその範囲の表面の土をさらった。約50万人の命がついえた。
アレンは国王陛下に総攻撃するか餓死するのを待つかと問うた。国王は兵糧を盗むなどして兵隊の士気を下げた後に総攻撃するというものだった。




