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聖女と僕のやりすぎお忍び冒険譚  作者: グーグー


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67.トリナテ司教

 ***寛太***


 キャビンを普通サイズでおいて置ける広さの十分にあるドガルのさんの部屋に落ち着いて、僕らはとりあえずトリナテ司教を招いた。


「お目通りがかないましたこと、~」と始めようとした司教を一刀両断で、

「あ!そういうの本当にいいから!」と遮った柚子。

 驚く司教を見ると可哀想に思うけど最初が肝心だからね。堅苦しいのは要らないって早めに理解しておいて欲しい。

 この状況を飲み込もうと必死に脳内処理をしているのか、しばし固まってしまった司教に、

「ぞんざいに扱えというておる訳ではないからのぉ」

 のほほんとした口調で釘をさすカケル様。


 型通りの挨拶と、それに続く会話を想定していただろう司教は全く持って対応できなかった。

「ぞんざいに扱うなど滅相もございません。ただ……。でしたら我々はどうしておればよいものかと……」

 途方に暮れた表情のおじいちゃん司教。

 いじめっ子の気分だ。

「あの、」僕はまとめ役を自認して口を開いた。

「あの、僕らはドガルさんとかと同じ扱いでいいですよって言いたいんです。ドガルさんとは普通に話をするでしょう?」

 あきらかな一般人オーラの僕に話しかけられて安堵したのか、司教は僕をみて、表情を緩めた。

 その後も適当な会話を挟んで、和やかな空気になったところでキャビンに案内した。

 大浴場を見て度肝を抜かれた司教は、

「なるほど、我らが宿を心配せずともよいと言われる訳でございますね」とつぶやいた。

 なんとか心臓発作はまぬかれたようだ。よかったよかった。


 僕が気を遣いながら司教たちを案内しているそばで、ドガルさんと兄ちゃんズはキャビンのコントローラでの操縦方法で盛り上がっていた。どうやらドガルさんは新しいもの好きのようだ。目を輝かせて、自分もやってみたいと真剣に説明を聞いている。

 まずミニキャビンでやって欲しいな。初心者中の初心者、コントローラを始めてみましたって世界の住人の操るキャビンには乗っていたくない。


 柚子とカケル様とも普通に話せるようになった司教は、楽しそうにソファーで寛ぎはじめた。最初の事を思うと意外なほどにすんなり馴染んでいる。お茶の準備を手伝ってくれいるお付きの人に

「緊張がとけたようでよかったですね」と声をかけたら、

「司教様は元来おおらかなおひとですから。今回は雲上人と会うということで大変緊張なさいましたが、あのお姿がいつもの司教様ですよ」と教えてくれた。


「おお!そうじゃ、忘れておった。あれを見せるがよいぞ」

 カケル様が司教に何かリクエストをしている。

「あれって?あ!手配書!?」柚子がそうだった、そうだったとうれしそうに手を叩いている。

「「手配書!?」」お付きの人と僕の声がハモった。

「手配書っていうか、教会に私たちの人相書きみたいなのが回っていて、こっそり配慮してくれているから自由に旅をしていいよって話だったじゃない!?私達の事が書いてあるなら一度見たいねって言ってたの忘れてたわ」

 確かに言っていた気がする。すっかり忘れていた。少し前に発行元であろう大聖堂や教皇のナルドさんにも会っていたのに。


 司教に目配せされたお付きのひとが、ダッシュで駆け出していく。意外に体育会系だな、なんてくだらないことを考えていたら、渉が隣で同じことをいった。みんな思う事は同じだったようだ。

 光太は

「寛太の可愛さが表現できていなかったら差し戻しだな」と怖い事を言い出している。

 カケル様……。このことを思い出すのは兄ちゃんズが帰ってからでも良かったのに……。まあ、お父さんたちが帰ってくれてるだけでも良しとしよう。カオスになるからなぁ。



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