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聖女と僕のやりすぎお忍び冒険譚  作者: グーグー


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64/69

64.脳筋派!?

 ***寛太***


 それから王都のギルマスのドガルさんが視察にいっているという変異体ワーム発生の現場トリナテにキャビンで向かう。王都を経由せず、というか森を横切って飛んでいくので、あっという間だろう。

 道中「伯父、おじさん?おじちゃん?渉おじちゃん?小さいお手てをのばして、おじちゃま、だっこちて!とか言われる?」と、口にしては魂を飛ばしている渉を少々意外に感じた。


「渉兄ちゃんってシスコンかと思ってたけど、もしかしてただの可愛いもの好きなのかな?」

「寛太も可愛がっているしな。そうだろうな」

「僕は別に可愛くない!」

「いや、よく考えれば分かるだろう?大事な大事な妹の好きな男だぞ。普通なら嫌がらせこそすれ可愛がるような男じゃない。だが、寛太は可愛がられている。よって僕の寛太は可愛いし、可愛がる渉は可愛いもの好きだという事だ」

「じゃあ、超かわいいリオは?お父さんみたいに可愛がったりしてなくない?」

「お父さんと僕は、愛でる、猫かわいがり派だけど、渉は先回りして快適を保証したがるっていうか、なんていうんだろう、執事派って感じかな」

「脳筋派と知性派ってこと?」

「僕は脳筋派だっていいたいのかな?寛太、酷いね」

「わっちは?かんた、かわいい。わっち、のうきん?」

「ははは!」

 光太は笑いながら、リオを僕の膝から抱き上げた。頬ずりしながら、

「そうかもねぇ。仲間だね!」と言っている。

「なかま~~~!!」

 リオも嬉しそうに頬ずりし返している。平和だ。


 子犬はあほの子たちを見る目でこちらを見ているが、口は出してこなかった。

 アクセルさんは柚子とキャビンの御者席で操縦の魔法のコスパがどうだこうだと話をしていた。

 柚子からすれば、アクセルさんは、人の常識をある程度理解して、さらに柚子以上の魔力を保有して、かつ人の世界でも使える程度に魔法を落とし込むノウハウを持っている貴重な人材だ。いや正確には竜材か。

 そんな訳で楽しい魔法の話はつきないとばかりに二人だけの世界を築いている。


 その様子をみて少しうらやましくも思うけれど、僕は魔法が使えなかったのに、神様の温情で魔力の木の実を融通してもらった身だ。贅沢をいったら罰が当たるだろう。


「柚子様、トリナテの入り口の側で馬を出して普通の馬車に擬態させますか?それとも透明化のまま街に入りますか?」

「そうねぇ。透明化のまま入ると通行税をケチったみたいで心が痛むわよねぇ。この間みたいな緊急時ならともかく、今はねぇ。じゃあ、久しぶりに、お馬さんに活躍してもらいましょう!」

 そう柚子は言うが、実際のキャビンは揺れ対策で少し浮いているので、馬は活躍もなにも単騎で散歩している気分になるにちがいない。

 まあ、いいんだけどね。お馬さんの専用にした箱が、まさに箱庭状態で空間拡張されて、快適になって、上からのぞくと、草原を駆け回って楽しんでいるように見えた。あとこの馬に必要なのは友達くらいだろう。

「馬って買うと高いのかな?」

 競馬の馬主とかって別世界の人って感じだなぁ、と思いながらつぶやくと。

「馬?買われますか?二頭立てにせずともこのキャビンなら浮いていますからポニーでも曳けますけど?」

 ピートが不思議そうに聞いてくる。

「いや、ごめん。なんかこの馬に友達でもいれば、ここに押し込めてても楽しいかなって思ってさ」

「押し込める……。これ以上ないほど楽しそうに駆け回っていますけど……。まあ、仲間がいればと思うのは分かります。トリナテは中継の街ですから、なんでもありますよ。王都と違って地価が安いので馬の売買は草原で走る姿をみながらしますよ。楽しいかもしれませんね。あ、でも変異体ワーム次第ではやっていないかもしれませんね。ドガルさんを先に掴まえて聞いてみましょう」


 そんな話を聞いて、渉と光太は、

「寛太さあ、馬の友達を心配するくらい気遣ってあげるなら、まず名前を付けてあげたらどうよ?」

「確かに、寛太たちずっと、馬とかお馬さんとかって呼んでるよね。リーダーここって馬に名前を付けない文化なの?」

「今はお忍びで、冒険者という肩書ですから、馬はその時々で売買したり交換したりするものという庶民に倣って、馬に名付けておりません。通常聖女様がお乗りになるとなれば、血統書の付いた名馬が献上されて、当然名前が付きますよ」

「そうなの?この子は、本当に普通の馬?それともいいところの子なのに、僕らのお忍びに付き合って名前を取り上げちゃった?」

「取り上げるとはオーバーですね。この馬は教会への献上馬の一頭ですので、名前はそもそも付いていません。こういう馬は主が決まった後、その主が名付けますので」

「そうなんだ!血統書付きだったんだね!仮の名前もないのかな?」

「恐らく花の名前が付いていると思います。仮の名前が花の名前なので、主はそれ以外の名前を付けるものだと聞きましたよ」

「トリナテの教会に行って大聖堂と通信して確認してみましょうか?」

「そうしよう!仮の名に似た名前のほうがいいよね。きっと」



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