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開幕

毎度投稿遅れて申し訳ないです、、、最新話です。よろしくお願いします。

 ワインの店を後にした二人は城に向かう道すがら店を見て回った。


 今はたまたま見つけた雑貨屋でそれぞれ興味のある物を見ている。

 ふと、ハンスは店に掲げられた時計を見た後に少し離れたかずさに声をかける。


「かずさ、そろそろ城の方に行こう。まあ、一応アイツのためにここまで来たからな......始まる前に少し声かける時間あった方がいいだろ」

 かずさは手に取っていたウサギのぬいぐるみを持ってハンスの前に来るとそのぬいぐるみを突き出した。

「はいっ!ハンス親方っ」

 そしてウサギに敬礼させると、ウサギの後ろから無邪気な笑みでハンスを見上げて笑った。

 不意打ちにハンスは胸が締め付けられて思わず言葉に詰まってしまう。


「......っ!......な、なんだよ親方って......」

 かずさは純粋に面白いと思ってやったことでハンスの心中がどうなっているかなど知る由もないだろう。

 ハンスはかずさに勘弁してくれと思うと同時に幼馴染(ロビン)にも連れてきてやったんだから絶対感謝しろ、と心の中で吐いた。

 

 かずさはぬいぐるみを元に置いてあった棚のうえに置いて、ハンスと一緒に店の外に出る。

「う~ん、なんとなく。ハンスもいつかはレッカーさんみたいに自分の店を持って親方って呼ばれるんじゃないかなって」

「そんな事、考えたことも無かったな......。まぁ、もしかしたら、いつかはそうなるかもな」

 

 ハンス達は木工職人見習いたちが腕を競うコンテストの会場でもある、城下町の上に佇む城へと向かう。

 城へと向かう道には参加者の家族も多いのだろう、老若男女問わず多くの人々が城の城門へと続く石畳の道を進んでいく。

 城までの道のりは坂が険しく、老人など休み休み歩いている者もいた。


 しかし、その急こう配があってか城門前まで行くと絶景が広がっている。眼下に広がる城下町と広大なワイン畑、そしてその横を流れるシェーネ川の美しい景色がたどり着いた者たちを歓迎する。

 

 特に厳しい所持品検査もなく城門を通されるとすぐ目の前には広い庭が広がっている。そこにはざっと50人は超える見習いらしき若者たちが用意された作業台の上に工具箱を広げ、準備をしている。

 

 これくらいの人数しかいないのか、とハンスは思ったより大きなコンテストじゃないのかもなと内心思った。


「お前今、参加者これだけしかおらへんのか、シケてるわ、って思ったやろ」

「うおっ」 

 聞きなじみのある声が耳横でして思わず飛び退るハンス。


 耳に息の感覚が残ってるのが妙に嫌で耳をこすりながら、ハンスは声の主に半目で答える。

「別にしけてる、とは思ってないが、この規模のコンテストであれだけの大見え切ったんだとは思った」

「オレへの悪口には間違いないやないかっ!かずさちゃん助けて~」


 そういって隣にいるかずさの方に寄って行くロビンの襟首をハンスは慌てて掴む。

「この人数だって十分すごいコンテストだよ。頑張ってね、ロビン」

 

 ハンスに襟を引っ張られたままロビンは「かずさちゃんはやっぱり女神さまや~」などと言った後に人差し指を掲げたてそのまま話を続ける。

「せやけどかずさちゃん、ここいる奴らだけが参加者ちゃうで。あと半分は城内にまだ居るで。今回は参加者が多くて城内で分散してるみたいや。コンテスト中はそれぞれの会場自由に行き来できるらしいから見てみるとええわ」

 解説しながら落ち着きを取りもどしたロビンの襟首を離してハンスも話に混じる。

「ってことは100人くらいか?」

「せやな。しかもこのコンテストの評判は今や国中に知れ渡っとるから見習いとはいえ基本腕自慢しか参加してへんで。せやから一番になることはかなり難しい」


 ハンスはその話を聞いて先ほどの考えを改める。

「そりゃすごいな......それで何を競うんだ」

 ロビンは呆れた顔でハンスを振り向く。

「なんやハンス、なんも聞いてへんのかいな......。いいか、このコンテストは大きく二つに別れとる。一つ目は速さと正確さを競うモンや。4時間で指定された設計図通りに1つ物を作らなあかん。事前通告は無しや、その場で張り出された図の物を作らないかん。もう一つは自分で作ってきた作品のデザインやクオリティの審査や。どちらも選りすぐりの技術を持ったマイスター達が審査員を努める。せやからこのコンテストでの入賞だけでもかなりの実績になるんやで」

「私、木工とか全然詳しくないけど、ここで結果を残すことが難しそうっていうのだけはわかったよ......」

 なぜか本人よりも緊張した面持ちのかずさにロビンは笑う。

「かずさちゃん心配してくれてありがとう。まあまあ、ちゃんと結果に残して戻ってくるから期待して待っとってなっ」

 なぜこの幼馴染はこんなに自信があるのか不思議だったが、ロビンが自分にも他人にも正直者であることを知っていたハンスは、それだけこのコンテストのために準備してきたからこその自信だという事をなんとなく理解した。


「間もなくコンテストを始めます。参加者の方はこちらにお集まりください~」

 係員の男の声が庭に響いた。

「ほな行ってくるわ。二人とも応援よろしく。特にすることも無いやろうけど、見守っといてくれるだけで心強いで。じゃ」


 そう言ってロビンは声がかかった方向に走って行った。


次回は日曜0時投稿予定です。→例に漏れず投稿遅れます、、、申し訳ないです!朝の6時には投稿完了してます!すみません、、なんか、ほんと先延ばし癖が、、昔の号泣議員会見とかみてる場合じゃないってのに、、、

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