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マリー伯爵令嬢の秘密、古代クレッセント王国の滅亡を阻止せよ ~ ロイマーナ王国編 ~  作者: @000ーooo


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35.アーデシラ王国への逆侵攻4

 第2王子がアーデシラ王国に侵攻したものの、最初のフィライッハの町で補給の問題から侵攻が止まってしまったのに対して、第1王子の軍は順調であった。こちらの部隊は遊牧民の部隊がその構成員のほとんどを占めることから、補給部隊は連れていない。


 遊牧民は馬を兵の3倍から4倍連れている、その馬に食料を携行させている。馬の飼い葉はその辺りの草を食べさせればよい。少数のロイマーナ王国人の部隊の食料は移動の迅速化を図るということでマジックバッグに入れてきた。とにかく馬の移動速度は速い。歩兵の3倍以上である。遊牧民の部隊が先行したらもう補給部隊は付いて行けない。そのため最初から補給は考えていなかった。


 このため第1王子率いるロイマーナ王国軍は、ロイマーナ王国とアーデシラ王国の境界の大河を越えた。そして順調に東に向かって進んだ。このあたりは、今回侵攻に参加した部族の元居た地域である。だから部隊の先導役に任せておけばよい。そしてアーデシラ王国に侵攻して3日後に斥候からの知らせでアーデシラ王国が部隊を西に送ったという知らせを受けた。


 もうすぐ決戦と第1王子は身構えた。そしてさらに3日して侵攻軍はミュルンツの町に差し掛かった。正確にはかつてここにクレッセント王国が存在した時にミュルンツの町があった場所である。現在のミュルンツの町は家もなく人もいない。ただの草原と森になっている。


 そして、ここでアーデシラ王国軍が陣を敷いているのを発見した。斥候の話ではその数約1万人とのこと、この情報が本当かどうかわからない。若しどこかに遊撃部隊を隠していると、挟み撃ちにされるかもしれない。第1王子に付き従った部族長に聞いてみても、こちらの軍が3万人というのは敵に伝わっているはずである。罠の可能性が高いという結論に達した。


 そこで少し離れたところに陣を強いて様子を見ることになった。すると、その日の夕方に敵軍が急襲してきた。こちらの部隊の配置が完了する前に攻撃してきたようである。しかし、その数があまりにも少なすぎたので、これは陽動ということで、急襲してきた部隊を蹴散らした後はそのまま部隊配置を進めた。


 そして領軍はこの地を南北に流れる川を挟んで相対した。先にこの地に来たアーデシラ王国軍は川の東側。すべてが軽騎兵なので幅5kmぐらいのところに10列に馬を並べただけである。これに対してロイマーナ王国軍はその3倍の兵がいる。中央はアーデシラ王国軍に相対するように軍を並べ、さらにその両翼に5000人ずつの遊撃部隊を配置した。これだと中央の部隊が敵の進行を食い止めれば、両翼の遊撃部隊が回り込んで、敵軍を包囲殲滅できる。


 この配置を見て第1王子とそれを補佐する部族長は首をひねった。「わざわざ負けるような部隊配置をするだろうか」どこかに遊撃部隊がいるのではないか。そこで斥候に辺りを探らせたが、やはり遊撃部隊はいないとのことだった。しかし、慎重を期するためもう1日待つことにした。


 そして次の日第1王子が辺りを見ると、もうアーデシラ王国軍はいなかった。そこで、この部隊配置が単なる時間稼ぎであることを悟って、すぐに追撃を開始した。


 するとそこへ斥候からアーデシラ王国軍4万がこちらへ向かったという情報が入ってきた。こちらの兵力は3万人、昨日川を挟んで相対した敵軍は1万である。これにこちらに向かった4万人を加えると5万人である。戦闘になればこちらが不利である。急いで軍をまとめ撤退することにした。そして元来た道を引き返した。


 国境付近まで戻ると、この付近に住んでいた部族が、この地にとどまりたいと言い出した。さすがに大河の向こう側では敵軍が攻めてきてもすぐに応援に駆け付けられない。何とかなだめすかして大河を渡ってロイマーナ王国側に引き上げた。

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