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マリー伯爵令嬢の秘密、古代クレッセント王国の滅亡を阻止せよ ~ ロイマーナ王国編 ~  作者: @000ーooo


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26.センセンチェリ平原会戦2

 戦闘は朝から始まった。まずロイマーナ王国軍と公爵軍の魔法士による魔法攻撃が行われた。これで敵の前面の歩兵に損害を与えた。これは限定的であった。しかし、この攻撃によって川の中やこの平原に罠が仕掛けられていないことが明らかとなった。


 次に、歩兵の突撃が敢行された。敵の歩兵もこれに答えて突撃して来るかと思われたが、敵の歩兵は突撃してこない。盾を構えているようである。


 ロイマーナ王国軍の歩兵が川を渡り切った状態で、敵歩兵との戦闘になった。領軍の斬り合いである。しかし、歩兵同士の戦闘ではロイマーナ王国軍の方が強いようである。敵は馬を失って急遽歩兵になったばかりで、歩兵の戦闘に慣れていないようである。少しずつアーデシラ王国軍を押している。


 しかし、これは陽動だったようで、すぐに西側の森に潜んでいた軽騎兵がロイマーナ王国軍の歩兵の側面に突撃をかけて来た。敵の軽騎兵は弓矢を多用して遠距離からの弓矢の攻撃を行っていく。


 そこで、ロイマーナ王国軍は前線に配置した弓兵をすぐに渡河させて歩兵の援護に当たらせるともに、左翼に配置した遊撃部隊の軽騎兵を西側の森に突撃させた。そして敵の森に潜んだ遊撃部隊を押し返した。


 その時、敵の軽騎兵が左翼、中央、右翼と突撃して来た。これに対してロイマーナ王国軍も騎兵と軽騎兵を突撃させた。ここで押し負けたら終わりである。最初は押し込まれたが、東側に配置した遊撃部隊が敵の遊撃部隊を蹴散らしてこの戦闘に加わると一進一退となった。


 この戦闘が始まると同時に公爵軍と領軍の歩兵2万人はすぐに東側を迂回して敵本陣に向けて進軍した。しかし、隊列を崩す訳には行かない。軽騎兵が先行すると歩兵と分離してしまう。アントニオは軽騎兵の進行速度を抑えて歩兵とともに敵本陣に向けて進軍した。


 これに対してアーデシラ王国軍には対抗する兵がいないようで、何もしかけてこない。もうアーデシラ王国軍に隠し玉と言えるような遊撃部隊はいないようだ。


 そうしていたら、敵が敗走し始めた。敵は本陣を捨てて後ろに後退していく。本陣が後退するのに合わせて、敵の軽騎兵も引くようである。


 アントニオは逃げる敵の軽騎兵に向けて突撃を掛けることも考慮したが、軽騎兵の数でいえばこちらの軍は敵軍とあまり変わらない。ここで突撃を掛ければ軽騎兵と歩兵が分離してしまう。


 軽騎兵同士の戦闘では敵軍はこちらの何倍も強い。ロイマーナ王国軍はあくまで歩兵と一体となった戦闘で始めてアーデシラ王国軍の軽騎兵と戦えるのである。


 それにマリーからも「アーデシラ王国軍は偽装撤退を得意とし、追撃戦に移行して、騎兵、歩兵、魔法士と部隊が分離して隊列が乱れたところを返り討ちする。だから、追撃戦に移行する時は決して部隊を分離させることなく隊列を保ったまま追撃すること」と口を酸っぱくして力説されていた。


 逃げる敵軽騎兵はそのままにして、残った歩兵と敵本陣辺りで動かない敵を取り囲んで包囲殲滅することにした。周りを取り囲んでしまうと、アーデシラ王国軍の抵抗はさほどなかった、すぐに降伏してきた。また敵本陣の当たりに行くと、そこには弱って動けない兵が多数いた。


 今回クレベンナ市で体調を崩したのは馬だけでなく、兵も多数体を壊したようである。そして歩兵として戦闘を行っていた兵士は馬もなければ体調も万全ではなかったようだ。それだけクレベンナ市での被害が大きかったようだ。それに尋問をしてみると「自分たちは時間稼ぎの捨て駒だ」と言っている。戦う気力も最初から少なかったようだ。


 こうして、センセンチェリ平原会戦はロイマーナ王国軍の勝利となった。しかし負傷兵を切り捨てて身軽となったアーデシラ王国軍はすぐに峠を越えて、本国に帰還していった。

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