↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マリー伯爵令嬢の秘密、古代クレッセント王国の滅亡を阻止せよ ~ ロイマーナ王国編 ~  作者: @000ーooo


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/40

22.遊撃部隊の戦法

 クレベンナ公爵家の戦法は籠城戦である。予想されるアーデシラ王国は約3万人である。それに対して公爵軍は約1万人、寄子の貴族が参加しても2万には届かないかもしれない。野戦などもってのほかである。


 敵の兵のほとんどは軽騎兵である。そして彼らは兵の3倍の馬を連れている。つまり連れてくる馬はその3倍約10万頭となる。そうなると草地があるところ、さらに言えば水のある所に補給基地を置くと考えられる。


 ここで水を確保して、草はたぶんクレベンナ市周辺の冬小麦を飼い葉代わりに食い漁ると考えられる。この際畑の収穫は諦めるしかない。彼らの馬が畑の冬小麦を食い漁っている時には畑に火を放つのも一興かもしれない。これで馬がおびえてくれればしめたものである。


 クレベンナ市の北に西から東に流れるザブェナ川がある。水についてはこの川と街道が交わるあたりに補給基地を置くと考えられる。そこでこの水の補給基地とクレベンナ市との間の街道で水の補給部隊を襲えばそれなりの成果をあげられる。


 しかし、問題はこの辺りの地形である。とにかく平原が続いているのである。逃げる場所がないのである。東側は湿地帯だが、すぐに海になる、西側は畑作地帯で馬で逃げると、敵の方が馬を巧みに扱えることを考慮すると、すぐに追いつかれてしまう。戦闘になればマリーの率いる遊撃隊に勝ち目はない、とにかく急ごしらえの新兵なのである。


 そこで、やはり逃げる場所は西側の山岳地帯とした。ここまで逃げてしまえば、たぶん敵は追ってこない。そこで、クレベンナ市の西側にいくつも落とし穴を掘って敵がすぐに追ってこないようにした。


 マリーの考えた作戦は敵軍がクレベンナ市に迫ったら、一旦西側の山岳地帯に潜伏する。そして、ザブェナ川とクレベンナ市を包囲した敵軍の水の補給路を襲う。しかしこれは襲うふりをするだけ、敵を襲うだけの戦力がない。あくまでこれは陽動、メインはザブェナ川に毒を流して馬を弱らせることにした。


 この考えはマリーだけの胸に納めることにした。どこにスパイがいるか分からない。とにかく新兵には街道を通る荷馬車を襲う訓練を繰り返しさせた。たぶんこれで自分たちは、街道の補給部隊を襲うのだと理解したと思う。またそれを見ている人もそう考えたと思う。


 しかし、新兵の訓練とは大変である。馬に乗ったまま矢を射かせてみたが、馬の手綱を握るのが精一杯で、矢を射るどころではなかった。マリーが見本を見せたら「何故こんなことが出来るのだ」と逆に驚かれてしまった。これでは敵を襲うどころではない。頭を抱えてしまった。


 そこで魔法を行使させてみたが、彼らは詠唱している。とてもじゃないが攻撃には使えない。詠唱している間に射殺されて終わりである。


 そこで、馬の背に火のついた松明をつけて敵軍に突っ込ませることにした。これなら敵軍に接敵する必要はない。しかし、この馬は使い捨てである。すると数を確保する必要がある。そこで、馬、牛、ヒツジ、とあらゆる家畜を集めさせた。そして自分たちが潜伏する西の山岳地帯に柵を作ってそこに放し飼いにした。


 本当はもう少し訓練をする時間が欲しかったが、王宮の話の通り、アーデシラ王国の侵攻が始まったという知らせが届いてきた。急遽マリーは自分の率いる遊撃隊500人を引き連れてクレベンナ市の城門を出た。愛息フィリベルトは夫アントニオと奴隷のカーラに託した。いくらマリーが気に食わなくてもフィリベルトは王家の子である。それに孫である。たぶんないがしろにはしないと思った。


 クレベンナ市の城門を出たマリー率いる軽騎兵500人は一路潜伏先の西の山岳地帯を目指した。マリーが出て行くと、クレベンナ市は城門を固く閉ざした。避難民にはさらに南に行くように促した。もうこれから入って来る人はスパイと疑ってかかった方がいい。こうしてクレベンナ市の籠城戦は始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。