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マリー伯爵令嬢の秘密、古代クレッセント王国の滅亡を阻止せよ ~ ロイマーナ王国編 ~  作者: @000ーooo


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14.マリーの夫人教育

 クレベンナへの帰還の途中山道で襲われたマリー一行であったが、その後は無事クレベンナに着いた。そして公爵邸に入った。公爵邸の玄関で馬車から降りるときはアントニオ様が手を添えてくれようとしたが、マリーがフィリベルトを抱いていたのでそれが出来なかった。


 馬車を降りるマリーとフィリベルトをアントニオ様が恐る恐る見ているという状況であった。そして、玄関まで来ると公爵様と夫人が出迎えしてくれた。公爵様の名前はフェルディナンド様、その夫人はアンジェラ様、これらのことはシァルナの町にいる時に教えてもらった。さらにアントニオ様は一人っ子で兄弟はいないそうである。


 公爵様の前まで来ると

「途中、襲われたそうだな」

「はい父上。しかし、マリアが賊のほとんどを倒してくれました。傷を受けた従士も持っていたポーションで回復してくれました」

「そうか。それはお手柄だな。しかし子供を産んですぐにそんなに動いて大丈夫なのか」

「はい、元は下賤の生まれなのでこれぐらいは何ともないです」


 すると公爵夫人が

「そうね、下賤の生まれだと、これくらいは当り前よね。アントニオももっとましな女を選べばよかったのに」

「マリアは下賤の生まれではありません。知性も教養もあります。剣の腕も魔法の腕も確かです。最高の女性です」

「そうなの、まあいいけど」


 その後公爵邸の中に入って、執事やメイドを紹介された。執事やメイドが一堂に並ぶと圧巻である。さすが公爵家である。しかし、マリーは元王族、これぐらいは何ともない。平然と挨拶を交わしていく。それを見て公爵が

「やはりマリアは元貴族それもかなり地位の高い貴族だろう」

とつぶやいた。


すると夫人が

「そんなはずはありません。いずれ化けの皮をはがして見せます」

すると、アントニオ様が

「母上、もしマリアに何かしたら僕が黙っていませんから」

すると公爵夫人も息子は可愛いようで

「分かっているわよ。何もしないわよ。唯言ってみただけよ」


 マリーは公爵邸に入るとメイドを2人付けてもらえた。名前はアンナとカリーナ、寄子の男爵家の出だそうだ。奴隷のカーラはそのままマリーのメイドにしてもらった。とにかく今この公爵家で信用できるのは夫のアントニオ様と公爵のフェルディナンド様それに奴隷のカーラだけである。あとはすべて敵と考えた方がいい。それにどこに遊牧民のスパイがいるか分からない。気の抜けないマリーである。


 フィリベルトについては乳母をつけると言われたが、これはマリーが頑強に反対した。自分でお乳をやるし育てると言い張った。これには公爵夫人もなぜか賛成してくれた。理由は下賤の者に乳母は必要ないとのことだった。


 差し当たってすることはマリーの服を作ることだそうだ。次の日仕立て屋が呼ばれマリーの採寸が行われた。仕立て屋はマリーの採寸をしながら「とても3か月間に子供を産んだ体には見えない」と言った。マリーが子供産んですぐに回復魔法をかけた結果、体形はすぐに元に戻ったようである。


 それからは公爵家嫡男の第1夫人としての勉強が始まった。先ず寄子の貴族の名前を覚えること。次に貴族としての食事や挨拶のマナー、それと並行して公爵夫人によるお茶会の参加が強制された。子供を産んですぐなのである。これはもう嫌がらせである。


 しかし、それらをマリーは順調にこなしていった。少しぐらいの嫌味は笑ってごまかした。そんなマリーをアントニオ様と公爵様がハラハラしながら見ていた。


 今日はお茶会参加者にはアデーレ様もいる。

「お久し振りです。マリア様」

「お久し振り。アデーレ様」

「以前お会いした時、たしかマリア様からは誘わないとおっしゃられたと思いますが。あれは違っていたのですか」

「あの日はアントニオ様が私の泊まっている宿に来て、『一緒に酒を飲もう』と言われました。決して私から誘ったわけではありません」


 そこでマリーはあの日のことをアデーレ様に聞いてみることにした。

「それにしてもアデーレ様は宿のことを何処で知ったのですか」

「私はマリア様の泊まっている宿など知りませんよ」

「そうですか、でも宿の主人はアントニオ様だけでなく、アデーレ様のことも知っているようでしたが」


 するとアデーレ様は真っ赤になって

「私は何もしていないわよ。宿の主人が媚薬を入れただけよ」

しかし、これはまずいと思ったようでその後アデーレ様は何も言わなくなった。公爵夫人が不思議そうな顔で見ている。


 これでパズルがつながった。アントニオ様は媚薬を盛られてあの日おかしかったのだ。しかし何故アデーレ様はアントニオ様に媚薬を盛らせたのだろう。


 もしかしてあの日の酒にはマリーに飲ませるように宿の主人が媚薬を入れた。それを私が酒を飲まなかったのでアントニオ様が飲んでしまった。たぶんそういうことだろうと思った。しかし、これは推測の話である。それに子供が出来た今となってはこれは言わない方がいいだろう。マリーとアントニオ様の恋のキューピットは図らずもアデーレ様だったのかもしれない。

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