11.ポーションの販売
シァルナの町に来て妊娠に気が付いたマリーは、住むところと世話をしてくれる奴隷を確保した。後は収入をどうするかであるが、収入はポーションを売ることにした。聖女をしていた関係でポーションは上級から中級そして初級と色々な物を作れる。
まず、どのようなポーションを作るか考えたが、上級はやめた方がいい。上級ポーションは高い。そして貴重である。たぶん作れば目立つ。目立つのはよくない。また、初級は単価が安い。数をこなす必要がある。今は数を作れるがそのうちあまりできなくなる。そこで中級のポーションそれも中ぐらいの物を作ることにした。
そして、カーラを伴って薬草店に行った。そこで薬草を購入した。薬草店では今後はカーラが買いに来るので同じ物を渡してほしいと伝えた。それからポーション瓶を売っている店に行った。ここでも、今後はカーラが買いに来るので同じ物を渡してほしいと伝えた。そして、借りている部屋に戻った。
部屋に戻ると、部屋の中に結界を張った。こうするとポーションを作る音も匂いも漏れない。鍋に水を灌ぐ。下から加熱する。すべて魔法である。カーラが目を丸くしている。
「ご主人様はすごい魔法士なのですね」
「これは絶対にほかの人には言っちゃダメよ。ご主人様命令よ」
マリーがこう言うとカーラの体が淡く光った。魔法契約で縛られたようである。
それから買ってきた薬草をすりつぶす。これもマリーは魔法でこなしてしまう。鮮度が落ちた薬草は回復魔法をかけながらの作業である。空中で次々と薬草が加工されて鍋に入れられていく様を見てカーラが驚いている。もう言葉も出ないようである。
しばらくしてポーションが出来た。これをポーション瓶に入れるのはカーラにさせた。ポーションは100本できた。さて、これをどこに売るかである。冒険者ギルドに行けばたぶん買ってくれるだろうが、カーラ1人に冒険者ギルドへ行かせるのは不安である。そこで今回は商業ギルドにした。
商業ギルドは中央広場に面したところにあった。この部屋からも近い。商業ギルドに行くと
「始めてのお方ですよね、誰かのご紹介ですか」
「紹介は有りません。このポーションを買ってほしいと思いまして」
「ですが、紹介者のいない者の商品は扱うことが出来ません」
いきなり門前払いとは思わなかった。アントニオからもらった短剣を示せば多分大丈夫だろうが、そうする連絡がクレベンナ家に行く。そして、アントニオの知るところとなる。それは絶対に避けたかった。
その日はあきらめて引き下がることにした。商業ギルドを後にしたマリーは仕方なく冒険者ギルドに行った。そして、ポーションの売却をお願いした。マリーは冒険者ギルドで有能な若手と見られていたので受付嬢もよく知っている。そしてマリーがポーションも作れることにギルドの受付嬢は驚いた。そしてこの売却は問題なく終了した。中級ポーションは1本銀貨6枚、中級ポーション100本で金貨60枚となった。
今後のことについて、受付嬢に相談した。これだけの金額をカーラ1人に任せるのは不安である。するとマリーが借りている部屋の1階の商店までギルドの職員が取りに来ることになった。中級ポーションは不足気味なので数を確保したいそうである。ただし手数料として金貨1を取られるとのことである。これについては快く了解した。
これで収入のめども立った。ついでにマリーとカーラの食べる食材も借りている部屋の1階の商店で購入することにした。商店にない物は商店のおばちゃんに頼んで取り寄せてもらうことになった。
こうしてマリーはほとんど部屋から出ずに暮らせるようになった。カーラが買ってきた薬草でマリーが中級ポーションを作る。するとカーラが瓶に入れて1階の商店に持っていく。そしてギルドの職員が買いに来てお金が入る。ただし、あまり高額なお金のやり取りは危険なので、薬草代と瓶代それにマリー達が当座に使う金以外は冒険者ギルドの口座に入れてもらうことにした。




