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絶望的な恋の救世主は着ぐるみの『中の人』  作者: かたたな


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10/15

推しの結婚について。


 「先輩、先輩、見てくださいよこの動き!」

 

 やお君の中の人になってから1週間。中の人としてタチネコにゃんでは出来ない色んな動きを覚えた。

 運動神経の良い弟から、着ぐるみを着たままで出来るパフォーマンスを教えて貰い猛特訓。その末に何パターンか派手に動ける様に成長した私。弟が頑張って考えてくれたモノを無下にするなんてありえないからね。


 

 「ビーはがんばり屋だし、それはめっちゃ凄いし尊敬する。それで肝心の恋愛の方はどう?」


 自分のデスク周辺でパフォーマンスを見せ「おおー」とコンプラ部分の同僚から驚きの声を貰って満足した後。やお君の頭をとって飲み物を飲んだ。


「仕事に恋愛持ち込むなんて言語道断です。」

「前に同僚狙ってたじゃない」

「同僚は、仕事をする中で愛が育まれるかもしれない存在。しかし、マーケティング部へ行ったのは仕事であり調査対象です」


 先輩は呆れたようにため息を吐いた。


 私がやおい君をやると伝えに行ったついでに、着ぐるみのままマーケティング部へ行き、ヒアリングに入る事を話した。

 

 その日からパワハラやセクハラ等々、様々なハラスメントについて一人一人片っ端から面談の繰り返し。

 まだ若手の部類な私が軽く面談し、問題有りそうならもっと上の人がガツンとやる仕組みなのだけど…


 「面倒だと思われる覚悟で行った面接なのに…皆さんからの愚痴が出るわ出るわ…愚痴の嵐状態です。頭がパンクするかと思いました。更には八割の人がプライド高いと言うか、上を目指してがむしゃらで息苦しかったり。あの人と合わない…は勿論。なかなか仕事で悩んでいて…心配になる人ばかりです。…これらが整理できるまでは、恋愛なんて考える暇がありません…」


 せっかく着ぐるみまで着てるのにね。仕事量で押しつぶされそう。


「じゃあ仕事をきり上げてから…として…。既婚者か恋人持ちかの情報把握くらいは…」

「既婚者は書類で分かっても恋人の有無なんて聞いたらセクハラじゃないですか。」

「仕事が足引っ張ってんなー。」


 タチネコにゃんには聞いてしまったけどね?はぐらかされたけどね?


 「少しでも一緒にいて、居心地いいな~マシだなぁ~って人居ないの?」


 確かに残りの2割の人なら有りだなぁ、でも結構高望みになる人達なんだよなぁ…とか考える。だって、広報なんて会社の顔となる人達だよ?


 それに『居心地の良い人』って言うなら…。私は…。ふふっ。


 大きな声で言うのも恥ずかしくて先輩の耳元でこそっと声を出す。


 「タチネコにゃんとは一緒にいても楽と言いますか…ドキドキします。凄く可愛いし、私の事気にかけてくれてマッサージとかしてくれて。練習が楽しみで仕方ないんですよ、ふふふ。」

 「ほー?それはアレだよね?一応確認するけど、着ぐるみが恋愛対象って訳では…」

 「あくまで中の人目当てです!」


 先輩に誤解されそうで必死に否定した。着ぐるみと恋人なんて…


 フワッと頭のなかで想像すると可愛いタチネコにゃんとデートしてご飯食べて、それから…

 

 そんな想像するけどファンシー過ぎて面白すぎる。結構有りな自分も隅っこに居るけれど。



 「この前タチネコにゃん見かけた時に『ビーの事どう思う?』って聞いてみた事あるのよ。関わり多くなるし色々と…大丈夫かなって思って。」

 「え!!そんな!!勝手に!!な、何て!?」

 「可愛い声で、『ボクは地球上の皆を愛してるにゃぁ~』って言ってた。手強いよアイツ。」


 愛してる?


 皆を愛してる!?


 「両想い…。」

 「どこをどう考えても設定で本心じゃないから。ネコ被ってるアイツに何か言っても設定でしか返されないみたいだし、本体捕まえるしかないでしょ?」

 「本体捕まえるって…それは着ぐるみ界のタブーじゃないですか?」


 そうは言ってもね、と先輩が真剣に対策を考えてくれている。キャラの設定として話していて、中の人の話でないとしたら……それはもっと知りたいな。


 失恋もタチネコにゃんのお陰でどうでも良くなってきたし。何だかんだで気遣いをしてくれる彼にもっと積極的に行こうとグッと握りこぶしを作った。



 ◇ ◇ ◇



 今日もマーケティング部での仕事が終わり、会社の外に出た。そろそろマーケティング部に出入りも終わりにして、調査結果の資料と改善案を作成しなければ…。


 「姉さん。」

 「!!」


 考え事をしていたら弟が目の前に現れた。天使かな?今日も可愛い過ぎる。

 その隣には弟の彼氏がいて、眩しい程に輝き拝みたくなる光景があった。


 「ビックリした。どうしたの?会社に来るなんて珍しいね。呼び出してくれても良かったのに。」

 「今来たばかりだから大丈夫。…あのさ。姉さんに報告があって。」


 報告?と首を傾げると二人が手を繋いではにかむ。


 「俺たち結婚しようって話になってさ。」


 パッパラ~


 空で天使がラッパを鳴らしキラキラとした光が満ちて見える!!漫画には無かったイベント…こんな日に間近で立ち会えるなんて幸せ者だよ私は!!。


 視界が歪み滝の涙が抑えきれない。


 「良かったね~、本当に良かったねぇ!弟をよろじぐねぇ。」

 「姉さん泣きすぎ。」

 「お姉さん、これからも俺がしっかり守っていきますから安心して下さい。」

 「うん!うん!君にしか任せられないよ~。」


 人生のクライマックスかと錯覚する程に天にも昇る気分。幸せってこういう事だよね。

 フワフワ~と涙と喜びの入り交じる表情で二人を激励の嵐に巻き込む。


 「入籍はさ、姉さんの幸せを見届けてからって二人で決めたんだ。姉さんには僕ら凄く世話になったし。」

 「俺らは男同士だから急ぐ必要も無いからな、今度はお姉さんの幸せを二人で見届けようって!」




 …



 …



 「え゛っ!!」



 ◇ ◇ ◇

最後の投稿間に合わなかった(泣)

今日はあと1話投稿予定です。

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