暴虐の魔女
「ぎゃあああっ!!!」
「助けっでぶぁっ!!!」
逃げ回る盗賊たち。
それらにまるで生き物のように素早く絡み付き、切り刻む魔装剣。
「う、うわぁああっ!化け物だぁあっ!!」
「し、死にたくないっ!!」
盗賊団双頭の牙のアジトである洞穴内は五臓六腑ぶち撒けた阿鼻叫喚の地獄に成り果てていた。
「ハッハッハッ!どこに行こうというのだね?」
ある者は少しずつ絞り斬られ失血死し、ある者は身体の内側から切り刻まれ絶命し、ある者は自分の離れた胴体を首だけになって見たあと信じられないと言ってショック死する。
最初は俺を女だからと舐めてたんだろう。
捕まえて犯そうと。各々の武器を持って襲って来たが、仲間が無造作にバカスカ死んでいくのを目の当たりにすると仲間を見捨てて、すっ飛ぶように逃げ出した。
だが逃がしはしない。
一匹足りとも逃しはしないんだよ。
「見ろっ!まるで人がゴミのようだっ!!」
俺から我先に逃げようとする奴を片っ端から魔装剣の餌食にしてやる。
この魔装剣『暗澹たる七罪の痛み』は七つの刀身が分割するんだが、実は無尽蔵に刃が増えて射程距離がどこまでも伸びる不思議武器だった。
近距離遠距離万能だな。実に面白い。
そして能力はこれだけでは無い。
本来の七つの魔剣のそれぞれの多用形態にチェンジすることが出来るのだ。
では実際にやってみよう。
「魔装剣形態展開『暴食』」
蛇腹剣だった魔装剣が黒くボコボコと泡立ちその形状を別の武器へと変異させる。
そして闇が伸びて巨大な長柄の大鎌に姿を変えた。
『飢え満たぬ貪狼の顎門』
属性: 闇
生命吸収 即死付加(上昇大)
七罪魔剣『暴食』が形態変化した武器の一つ。鮮血が滴る赤い刀身の凶々しい大鎌。冷酷なる刃は命ある全てのものを無慈悲に狩り立て喰らいつき貪る。
「ヒャッハーッ!汚物は消毒だっ!!」
俺は大鎌『飢え満たぬ貪狼の顎門』を盗賊どもに薙ぐように振り払う。
赤い刃から赤いオーラの波動が発動され、接触した盗賊は瞬時にミイラ化し塵芥となり消える。
それを見てさらに発狂して逃げ惑う盗賊ども。
「ああっ、いい!実にいい!!馴染むぞっ実に馴染むぞっ!!!」
俺が一番気に入っていた武器がこれだ。命を刈り取る大鎌はやっぱりロマン溢れる武器だ。
「なんの騒ぎだってめえら!?騎士団が攻めてきたのかっ!?」
盗賊どもを三十匹ほど殺戮したら洞穴の奥から片目にキズのある如何にもな親父が飛び出してきた。
どうやら盗賊の親玉が現れたようだ。
これはボス戦の予感がするねぇ。




