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僕は、魔法が使えない。  作者: アーシェス
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75 奇岩の洞窟

「そういえば、初めて会ったのもここだったわね。」

「あの時は助かったよ。オークごときに情けないけどな。」

「そうだな。オークとかはもう少し奥にしかいないと思って油断しちまってたな。」


メリアの森は、街から5kmぐらいしか離れていない近場の狩猟スポットである。

フェル達のハンター試験もここであったように、入り口付近は人の出入りも結構あるので、危険は少ない。奥の方に行けば、様々な魔物もいるが、それでもそこまで危険な魔物の報告はあまりない。

あっても、すぐに討伐される。なにせ近いのだから。


「どうも、最近ちょっと魔物が増えているみたいだな。まぁ、気にするほどではないらしいが。

オークとかはむしろありがたいしな。」

魔物でもコボルトやゴブリンはあまりありがたくないが、オークは食味が良く売れる。

まぁ、猪のほうが安全で高く売れるのだが、評価ポイントもつく上に、たまに鋤などのまだ使える農具や武器、たまに貴金属を持っていることもある。

前は、たまたま不覚を取ったが、ちゃんと対策していれば、暁のカルテットの敵ではない。


「さて、カティアの調子もよさそうだから、少し奥に行くぞ。

前衛は、俺とギル。中衛にニーズとカティア。フェルとクリスは後ろを頼む。気を抜くなよ。」

「大丈夫。」「わかってるわ。」


メリアの森は、狩場といわれる狩人や新米ハンターなどが点在している。

木の実などを落とす木がある場所の近くに何か所かある程度開けた場所があるのだ。

大体は、この場所を中心に狩りをする。今までのフェル達もそうである。

だが、奥の方にはそういう場所がない。

そこから先は、ある程度魔物が出やすくなる可能性があるのだが、その分実入りがいい可能性がある。


「一応目指すところは決めてある。奇岩の洞窟へ向かおう。

まぁ、常に何かいるわけじゃないが、あそこは魔物が住み着きやすいからな。」

「奇岩の洞窟?」

「そうだ。ここから、まだ2kmほどだと思うが、ちょっとした洞窟がある。

ここの前に、ちょっと変わった形の岩があってな。それで奇岩の洞窟って呼んでるのさ。

まぁ、正式な名前じゃなけどな。」

「洞窟は魔物の住処に最適だからね。結構高確率で何かが住み着いてるのよ。」


「何度も言うが、必ずってわけじゃないからな。だが、場合によったら結構めんどうな奴がいる場合もあるからな。まぁ・・・このメンバーなら、そう苦労する相手ではないと思うが・・・。」

「例えば・・・・どんなのがいるんです?」

「そうだなぁ・・・。一番きつかったのが、赤毛熊とかだな。まぁ、大概はゴブリンとかオークだな。」


森の感じはそこまで変わらないが、奥に行くと徐々に道が踏み荒らされていないため通りにくくなる。

「この分だと、最近誰も通ってないな。」

ウェンツが剣で伸びた枝を払いながら先頭を進む。

フェルとクリスも、まだ通ったことのない道なので、慎重にすすむ。


「ティルク・・・・。ドリュアデスは見えるけど他にも精霊はいる?」

フェルがこっそりとつぶやくように聞く。

「シルヴェストルとグノームも時々いるよ。」

「グノーム??」

「土の精霊だよ。小さな髭を生やした小人みたいなの。見えない?」

フェルは、周りを慎重に見回すが、特にそれらしい姿は見えない。それどころか見慣れたシルヴェストルも見つけることが出来なかった。

「うーん。見えないなぁ」

「そっか。でも、そのうち見えるようになるよ。」

「そっか・・・」


納得はいかないが、まぁ見えないものはしょうがない。

シルヴェストルやドリュアデスも昔から見えたわけではないのだから、いつか見えるというのもあながち嘘ではないのかもしれない。

グノームというのは、初めて聞くがよく見ていればわかるのかもしれない。


「そろそろ近くにつくぞ。警戒しろよ」

目の前に、真ん中に穴が開いてブリッジ状になった巨大な石が見える。

あれがおそらく奇岩だろう。

奥には、確かに洞窟があるが、フェルが思っていたよりも入り口は大きい。


「入口は、特に何もないな。

まぁ、ここは奥もそれなりにあるし、所々天井が抜けた空間があるから。」

魔物にもよるが、魔物の住む洞窟の入り口には、何かの形跡が残ることが多い。

それは、骨であったり火の後であったり糞尿であったりと様々だ。

魔物の感性は魔物にしかわからないが、意外と彼らなりに綺麗好きなのかもしれない。


「よし、じゃぁいくぞ。カティアは、灯りをたのむ。

フェルとクリスは、弓の準備を頼む。」

「オッケー。じゃぁ前衛はまかせるわよ。」

「ああ、任せといてくれ。ただ、後ろも安全ってわけじゃないから注意しろよ。

あと、洞窟は、上も注意がいるからな。稀に天井に魔物がいる場合もあるからな。

魔物が頭が悪いという先入観は捨てろよ。時と場合によって人間以上に賢い魔物ってのはいるからな。」

稀ではあるが、魔物によっては簡易な罠や魔法を使う魔物もいる。

なぜ魔物が人でさえ使うのが難しい魔法を使えるのかはいまだに解明されていない。


「じゃぁ、いくぞ」

ウェンツを先頭にフェル達は洞窟に潜っていった。









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