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ちょっと大人な私達の日常  作者: にしやま そう
箸休め
15/46

優のひとりごと


聞いてください!

聞いてください!


謎が!

謎が判明したんです!


あ。

ごめんなさい。

優です。

こんにちは。



赤魚あかうおの謎が解けたんです!

それがね。

とっても胡散臭い感じの話しなんですよ!

もう。

誰かに話したくって、話したくって。


ごめんなさい!

聞いてくださいます?










第十五話

「優のひとりごと」





え?

なんだ、この題名は?

毎回あんたの独り言だろ?


は、はい。

おっしゃる通りです・・


でもね、やっぱり聞いて下さい。



ほら。

前にお話した「赤魚あかうお」。

あんなにメジャーなお魚なのに、焼いたり、煮たりばっかりで、お刺身で見た事ないなあ? 

ってお話です。


その謎が解けたんです!


ほら、同じ焼き魚四天王の「アジ」「ホッケ」「カレイ」君達は、焼き魚でも四天王だけど、お刺身としても、結構メジャーじゃないですか?


「アジ釣りに行ってきます。」

とか

「カレイが釣れたよ。」


なんてよく聞く話しなのに、赤魚あかうお君だけは、いつも首が取れちゃってる状態でしか見たことないんです。


名前だって「あかさかな」っていうくらいシンプルで、とても基本的なお魚みたいじゃないですか?


でもね。

あれ、違ったんです!


あれ、偽名なんです!


本名は「アラスカメヌケ」って言うんですって!


もう、読んだらそのままんまですよね。

日本のお魚じゃないんです!


そんな外国のお魚なのに、「あかさかな」で「赤魚あかうお」なんて名乗ってるなんて、まるで外国人の方が

「ワタシノ、ナマエハ『田中』デス」

って言い張ってるみたいで面白くありません?


これ、あえて伊集院いじゅういんさんとか、御手洗みたらいさんみたいな、ややこしい名前を名乗るんじゃなくて、とってもシンプルな名前を名乗ってるから面白いですよね。


でね。

それでですよ。


隆二の話しだと、1960年代くらいまでは、それでも本名の「アラスカメヌケ」って名前で頑張ってたんですって!

でも、売れ行きが今ひとつだったから、70年代に入ってから「赤魚あかうお」って改名したんだそうです!


これまた面白くないです?


外国から夢を抱いて日本にやってきて、本名で演歌歌手してたのだけど、なかなか売れないから、顔は外国人なのに、「田中太郎」って名乗ったらヒットした!


みたいな話しじゃないですか?


そして、じゃあ、なんで数ある和名の中から、あえて「赤魚あかうお」って名前に改名したの?

という話しなんですけど、ここからが胡散臭くて面白いんです!


このアラスカメヌケ君、名前を分解すると、「アラスカ」「メヌケ」になりますよね?

アラスカの部分はそのまんまです。

彼の出身です。

遠洋漁業でやって来るので、生食用がいないんです!


では、次に「メヌケ」なんですけど、これは「目が抜ける」というのが語源なんですって。


メヌケは深海魚で、陸に上がると水圧の問題で目が飛び出てしまうんだそうです。

そしてこの「メヌケ」というのは、語源からも分かるように、日本にもいるお魚なんです。


ただ、この国産「メヌケ」君は、メヌケと呼ばれるよりも「赤魚鯛あこうだい」って呼ばれる方がメジャーなんですって。

そしてこの「赤魚鯛あこうだい」君は、高級魚として有名なんですって。


ほら。

お話が胡散臭くなってきたでしょ?


この二つのお魚、実際は同じお魚ではないようなのですが、従兄弟みたいな関係らしいです。


ね。

健気に頑張る外国人演歌歌手かと思いきや、大ヒット歌手の名前を連想させるような偽名を使うあたり、意外とあざといです。




あ。

あと、

「日本の食卓からハマチが消える日」

というお話も隆二はしてくれたんですけど、これまた胡散臭くて面白いんですよ!




え?

何、お母さん?


晩御飯?


あら、また途中でごめんなさい!

晩御飯のようです!


今晩は国産牛ですよ!

国産牛!


ね。

(和)が抜けてるんですよ。

面白いでしょ。






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