第81話 村長さんのお願い
「なんと。錬金術士だというのか」
「はい」
「錬金術というのは、何がつくれるのか?」
困った。
私は錬金術士と言っても、錬金畑で作る特殊タイプだから、何が作れると言ったらいいのだろうか。
まぁ、無難なとこであれか。
「いろいろと、できるんですが。一番基本になるのがポーションですね」
「ポーションっていうと、冒険者が使うという、あれか」
「はい。冒険者じゃなくても使えるんですが。値段が高いからあまり使いませんね」
村長さんは何か考えているみたい。
ポーションがいるのかな。
「漁師というのは、危険な仕事でな。ケガをすることも多い。そして、ケガをした時、舟を制御できないと沖にながされ漂流してしまうこともある」
あ、たしかに漁師って海で亡くなる人、多いって聞いたことがある。
「それぞりの舟にポーションがあれば、助かることもあるだろう」
それは確かに言える。
ポーションは冒険者だけじゃなくて、漁師にも役立つ物だったんだ。
「ただ、冒険者との違いはお金でな。冒険者は魔物を退治すれば大金が入るだろうけどな」
「あ、それは上級な冒険者ですね。初級冒険者だとお金ないですよ」
漁師用のポーションはいくらくらいのがいいのだろうか。
そのあたりを相談してみよう。
「一番安いポーションは、だいたい銀貨1枚くらいなんです」
「ほう。そんなお金でポーションは手に入るのか?」
「はい。もちろん、高級なポーションになると高額になりますが」
あまり高品質にするのをやめて、たくさん作ると漁師用ポーションになるのか。
「では、銀貨1枚くらいのポーションを20本、用意してくれないか」
「はい。それくらいなら、すぐにでも用意できます」
騎士団様にたくさん作ったポーションのうち、中品質の物が残っているから、ちょうどいいね。
騎士団だと高品質な物を求められたけど、ここは違うんだ。
「実は、この村に住みたいと思っているんですが。家を借りることってできますか?」
「そうじゃのう。空き家はいくつかあるから、後で見て廻るか」
「はい。お願いします」
なんか、スムーズに物事進みそう。
よかった。
まだ、この村にずっと住むかどうかは決めていないど。
家を借りて、まずは住んでみようと思う。
そして、この村で必要とされている物を錬金畑で作って、村の役にも立ちたいな。
いよいよ、新しい村での生活が始まるかな。
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