第69話 ジェットコースター
今、私は観覧車の前の空き地にいる。
大工のマリオ親方と騎士団長のアンソニーと一緒に。
「ここに作るんですよね」
「そうなんです。下絵として地面に枝で描いておきました」
空き地に枝で線が引かれている。
まずはぐるりと一周して少しずらして二周目。
そして、もう一周。
三周して元の位置に戻る様に描いてある。
「これは何ですか?」
「ジェットコースターです」
遊園地と言えば、ジェットコースター。
観覧車だけじゃ、遊園地とは言えないけどシェっとコースターがあればいきなり遊園地ぽくなる。
「この線に合わせて、鉄のレールを引いていくんです。それも上下をつけて」
そもそも、ジェットコースター計画はいきなり決まったことなの。
騎士団長のアンソニーがせっかく騎士団が浮島にいるから、何か手伝えることはないか、と聞いてきた。
騎士団ができることのひとつに土木建築がある。
騎士団は野営することが多く、長期に野営するときは、陣地を作り上げる。
従者の多くは大工をはじめ各種土木建築のプロでもある。
「なにか作ってほしい建築物があったら言ってください」
「それなら、ジェットコースター」
大工のマリオ親方が指揮をとって、騎士団の人たちがジェットコースターを作る。
そのために必要な材料等はすでに手配して、浮島に置かれている。
「どのくらいかかりますかね、期間は?」
「大丈夫です。目的地までの10日間で出来上がる予定です」
すでにマリオ親方とスケジュールの打ち合わせは終わっている。
目的地につくまでの10日間で完了するスケジュールになっている。
「それでは、始めますか」
ジェットコースターは、基本的には木造で作る。
一部強度が必要な部分は金属になるが、あとは木造の櫓組だ。
レールは金属で、その上を魔石を動力源にしたコースターが走る。
マリオ親方は、1/10サイズのミニチュアを作り、どんな形になるかチェックしている。
1/10と言っても3mくらいある。
だから、完成すると30mにもなる。
「だけど、こんなの作ってどうするんですか?」
「楽しいのよ、これ。乗ってみないと分からないかもしけないけど」
アンソニーと一緒に乗って、「きゃ~あ」したい。
そんなことは言えないから、単に楽しいと言ってみた。
ちゃんとできるかな。
楽しみ。




