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第56話 帝国の意図

「間違いないですね。大きな魔の気が生まれています」

「どういうことかい?」

「誰かが失われた神の力を使い始めたということです」

「封印した魔神を解放したと言うのか?」

「まだ解放できてはいないでしょう。解放がなったときは、このレベルではありませんから」

「なら、急ぐ必要があるということだね」


赤い鎧を着た男と、ロープに包まれた男。

ふたりは地図を見て話しをしている。


「問題の場所は、この街だな」

「ええ。闘技場のある街、ミューゼの街です」


地図は、ロマニア帝国を中心に周りの国々を描いている。

ミューゼの街があるガリナ王国もある。


「まずは、ガリナとの国境を超えた場所にある街を落とすこと」

「はい。その準備は着々と進んでいます」

「いつ、侵略を始められるか?」

「1か月後には」

「遅い!20日後をメドに進めよ」

「わかりました」


既に戦争の準備はあちこちでなされている。

ガリナ王国に潜ませている活動員が敵の足止めのための行動をしている。


「まずは、4つの騎士団を足止めすることだな」

「すでに手はうってあります」


そのころ、闘技場のある街、ミューゼでは、こんな会話がされていた。


「ちょっと。なんで銅貨1枚ぶんのトマトがこんなに少ないのよ」

「かんべんしてくださいよ。今、とにかく野菜の値があがってしまって」

「変ね。雨が降らない訳でも、台風が来た訳でもないのに」

「どうも、街に野菜があまり入荷しないみたいですよ」

「ふーん」


騎士団が駐屯している街から荷馬車が消えていた。

そのため、本来入ってくる生鮮食品が入らず、相場があがっていた。


しかし、それはただの前兆にすぎなかった。


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