第48話 マナポーションを錬成してみよう
「この草が使えるなんて」
アリサはどう見ても雑草にしか見えない草を手に呟いていた。
アリサは錬成するとき、魔力を消費することがある。
錬金術士は魔法使いと違い、魔力は大きなファクターではないが、錬成ができる量に影響している。
最近は、同時に錬金畑で錬成しているアイテムが増え、魔力の限界で錬成に時間がかかることもでてきた。
アイテムの中には、魔力を回復する物がある。
知識として知ってはいたけど、魔法使いの知り合いもいないし、あまり使う機会がなさそうなので作っていなかった。
「基本の初級マナポーションは、マシュー草が3束必要なのね」
今、読んでいるのは、錬金術のレシピ本。
基本的な錬金アイテムのレシピはだいたい載っているという優れもの。
ポーション畑の1畝をマナポーション用にしようと考えている。
だから、畑に漉き込むマシュー草がたくさん必要だった。
冒険者ギルドに依頼してマシュー草を採取してもらおうと、どんな形しているのか調べていたら浮島の空き地にたくさん生えている雑草がそうだと気づいた。
「マシュー草は、魔素が多い所に自生して魔素を蓄える性質がある、魔を集める草で魔集草なのね」
すると、浮島は魔素が多いところなのだろう。確かに蛇神さんがいたり、いろんな錬金植物があったりするから魔素は多くなるのかな。
マシュー草を空き地で採取して、ポーション畑の新しい畝に置いていく。
あとは動く鋤の出番ね。畝の端に動く鋤をセットしてあとは見ているだけ。畝の終わりの端まで来ると勝手に止まる。
耕し終わった畝にポーションラディッシュの種を撒いていく。今日はそれまでね。
依頼主がいる訳でもないのであせらずに。ポーションラディッシュが収穫できる5日間まつと初級マナポーションになる。
あとは。そうそう、あれがもうできているはず。
モンタビ。
白猫ミアがすりすりしている木があった。
「なんだろう、この木」
『錬金農法の勧め』を調べていると、この木は「マタタビ」の木。
道理でミアがすりすりしているはずだ。
この木のマタタビの実は、猫を酔わせる効果がある。
『錬金農法の勧め』では、マタタビの木を使った錬金の方法が載っている。
それが、「モンタビ」。
魔物版のマタタビ、モンスターマタタビでモンタビ。
つまり、魔物を匂いで酔わせてしまうアイテムなの。
魔物は属性によって五色に分かれている。
聖の属性の白。
火の属性の赤。
木の属性の青。
土の属性の黄。
闇の属性の黒。
それぞれのモンタビがあって、同じ属性の魔物を酔わせることができる。
マタタビの木をモンタビの木に錬成して、今は4つ、実がなっている。
赤と黄がふたつづつ。
ひとつのモンタビの木で5色の属性のモンタビがなる。
ただし、白と黒はちょっと特別な素材が必要となるから、今は赤青黄が実る可能性がある。
「ミアは魔物じゃないから、モンタビ効かないのよね」
「みぃあー」
このモンタビ、どんな効果あるのかな。
私が魔物と出会うことはそんなにないしなぁ。
そうだ、冒険者ギルドで依頼を出して効果を試してもらおう。
冒険者に人気商品になったりして。楽しみ。
まだまだ『錬金農法の勧め』に載っていて作ったことがないアイテムが一杯ある。
ひとつづつ、作っていこう。




