第19話 ビリー君の奮戦
「それでは、U18剣士トーナメント。1回戦3組の試合をはじめます。黒バンダナがロイズ商会のホープ、マックス!
対しますは、白バンダナのエスト村の若手、ビリー」
結局きてしまった。
ビリーの相手は、ロイズ紹介のホープなんだって。
ロイズ商会は今、ブームになっている3色ストールを売っているお店ね。
きっと儲かっているのよね。
「あ、始まった」
マックスとビリーはそれぞれ右手に剣を持っていて、左手には丸くて小さい盾を持っている・
鎧は、胸のところだけ金属でそれ以外は固くなめした革の鎧だ。
装備は、ほぼ同じに思える。あとはスキルの差が勝負を決める。
「ビリーがんばって!!!」
観客席から声をかけてみる。
まだ第1回戦ということで、あまり観客はいない。
「あ、アリサさん!おとといは、すみませんでした」
「いいのよー」
本当は良くはないんだけど、この場では良しとしておこう。
ふたりは真剣に見つめあう。そして、審判の旗が振り降ろされた。
かきんっ。
二人の剣がふつかりあって、火花を使う。
男がふたり、見つめあっている。視線がぶつかり合って火が付きそうなくらいのパワーがある。
「なかなかやるな」
「おまえこそ」
この試合は真剣を使った勝負。当然、負ければ命を落とす可能性がある。
ただし、高度のヒーリングが行える神官が控えているから、それほど大きな可能性ではない。
「だぁっ」
ビリーはマックスの剣を押しこみ、自らの身体を後ろに引いた。
距離を一度、取る形になる。
「甘いっ」
距離が開いた瞬間にマックスは突きを入れてくる。
「やばい」
すかさず避けるが、右肩に剣の刃があたり、血しぶきがあがる。
「しまった」
「ふっ、俺の相手は早すぎたようだな」
肩を抑え、痛みをこらえているビリー。
「がんばれっ、負けるなぁ~」
腹の底から声を出して応援をするアリサ。
今度はビリー君が突きを入れる。
マックスは余裕で避け、バランスを崩したビリーに後ろから蹴りを入れる。
地面に倒れるビリー。
「もう、おしまいかな?」
「なにくそっ」
あ、ビリー君、ポーション出して飲んだね。
あ、肩の傷が光だした・・・ん?それだけじゃなくて全身光り輝きだしたぞ。
「な、なんだ?」
「おおおおっー、力が漲ってきたぁ」
ぶんっ、と剣を振り回し、マックスの横腹に当たり、吹っ飛ぶ。
「きゃあーーー」
ギブアップのサインがあがる。
ビリーの勝ちだ。
神官が駆け寄り、ヒーリングの魔法をかける。
「勝者、ビリー」
審判がビリーの勝ちを宣言する。
わーい、勝ったぁ、よかったビリー君。
喜んでいると、観客のひとりのおっさんが声をあげる。
「異議あり!」
ざわざわする観客。
何がおきたのか?
「審判、その男が持っているポーションを確認してほしい。禁じられているドーピングだろう」
えっ、ドーピング?
ただの中級ポーションだって、それ。
「審判よ、鑑定スキルがある者を連れてこい」
観客席から偉そうに指示を出しているのは、マックスのおやじさんらしい。
ロイズ商会の会長をやっている人。
ただの父兄のはずなんだけど、このトーナメントのスポンサーにもなっているから、口出しができてしまうらしい。
審判員が何人も集まって、ビリーのポーションを検分している。
見ていると、まるで犯罪者の尋問の様だ。
「ちょっと待ってよ。そのポーション、中級ポーションよ。作った本人がいうんだから間違いない」
アリサがビリー君をかばう為に名乗り上げをした。
すると。
「あなたがこのポーションの作成者ですか!」
後から聞いたら、私のビリー君のために愛をこめてつくった中級ポーション。
極高品質と鑑定に出ていたらしい。
あまりに高品質すぎて、追加効果まであって常識外の中級ポーションになっていたらしい。
試合の結果より、ポーションの品質が関係者に興味を持たれてしまった。
「ちょっと詳しい話を聞かせてほしいのですが」
大会責任者から直々にビリー君に渡した中級ポーションの話を聞かれてしまいました。
もちろん、中級ポーションであることは認められたのでビリー君の勝ちは確定した。
ロイズ商会のおやじさんは納得できないと文句言っていたけど判定は覆らなかった。
なろう底辺作家は脱出したい。(脱底1週目の報告書)
というエッセイで、錬金畑の誕生秘話を公開しました。
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