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第18話 お金が掛かるお話です

「おはようございます」

「あ、アリサちゃん。待ってたわよ」


にこにこと迎えてくれる錬金術ギルドのマチルダさん。

今朝のお客さんは私だけ。だからギルド長のマチルダさんとスタッフのキムさんの3人だけがギルドにいる。


「まぁ、こっちのテーブルへどうぞ」


錬金術ギルドはそれほど広くなく20帖くらいの広さで、受付カウンターと4人掛けのテーブル。そしてたくさんの棚がある。

テーブルはシンプルな白木つくりで、機能的な物だ。


「依頼があった素材だけどね。予定より一杯集まってしまって」


依頼した素材は、このくらい欲しいって数を伝えていたけど、知り合いの冒険者に声を掛けたり、冒険者ギルドに依頼したら予定数より多くの素材が集まったらしい。


「えっと、ある程度多くてもいいですよ」

「それはよかった。キムさん、あれもってきて」


キムさんが裏に入って大きな箱を持ってくる。

中には、依頼した素材がぎっしりと詰まっている。


「うわぁ。すごい量ですね。これだけあれば錬金術しまくれます」

「えーと。まだ、あるのよ」


もうひと箱キムさんが持ってくる。やっぱり錬金素材がぎっしりと詰まっている。


「二箱も。依頼した冒険者の方達、優秀なんですね」

「優秀というか・・・まだあるのよ」

「えっ、全部で何箱あるんですか?」

「五箱ね」

「・・・」


さすがにあきれた。ある程度多くてもと言っても、五箱もあるとは思わなかった。


「えっと。お金足りるかな。今、金貨5O枚しかなくて・・・」


そんなに必要だとは思っていなくて、ずいぶん多めだと思ったけど持ってきた分が金貨50枚。


「あー。そうですよね。5箱全部だと金貨80枚分あるの」

「うわぁ。予算オーバー。困ったなぁ」

「ですよね。そんなにあっても使いきれないでしょうし」

「うーん。使えないことはないから、全部欲しいと言えば欲しいんですが・・・」


錬金畑は素材があればあるほど、植物が錬成するパワーがあがる。

普通の錬金術士だと1日に作れる数が決まっているから、それほど素材を使えないけど錬金畑はいくらでも使うことができてしまう。


だいたい、浮島は畑が30坪が1区間で、全部で90区間あるのにまだ6区間しか使っていない。

素材があれば、もっと多くの畑が使えるようになる。


「それじゃあ。今日のとこは50枚分で3箱だけにして。お金が入ったら、残りの素材も引き取るってことにできませんか?」


鋼鉄の剣を作って、ポーションを作って、あとは・・・。

頭の中で、お金になりやすい物を計算してみる。


うん。1週間もあればあと金貨30枚くらいにはできるだろう。


「残りの分は1週間待ってもらえませんか。それまでにお金用意します」

「わかったわ。あと、まだ入手できていない依頼素材が5品あるんだけど、継続してもいい?」

「お願いします」


うーん。錬金畑をしているといくらお金があっても足りないね。


「それと最近、流行っている物ってありませんか?」

「そうね。ロイズ商会が売れ出した三色ストールが人気ね。あ、ごめんなさい。錬金術で作るアイテムよね」

「あ、錬金術は気にしないでいいですよ。三色ストールって、どんな物なんですか?」

「鮮やかな赤と黄色とピンクのストールなの。今までの色と鮮やかさが格段に違うよ」

「へぇ、それは女としては欲しいファッションアイテムね」


これはいいかも。錬金術で染料を作ればいいのよね。染めるはプロに頼むとして。

実は染料はつくれるはずなの。色々チューリップ植えているから。

色は12色。いろんな雑貨を作るためには、綺麗な色の染料がいるから植えていたの。

まだ花は咲いてないけど、栄養剤をガツンと使えば、きっと咲いてくれるはず。


「物は相談なんですが。ストールを染めてくれる工房とか知りませんか?」

「直接は知らないけど、他のギルドを通せば紹介してくれるわよ」

「それ、お願いできませんか?」

「もちろん」


お金儲けの匂いを感じたらしく、積極的にお願いを聞いてくれるマチルダさん。

なかなか、フットワーク軽くていい人ね。


「あ、そうそう。忘れてました。これ。プレゼントです」

「これは何?」

「化粧水です」

「それって、おしろいみたいな物?」

「いえいえ。夜にこれを塗って寝ると翌日お化粧のノリが良くなります」

「ありがとう」


どーも、化粧水の必要性が伝わらないみたい。こっちにはお金儲けの匂いがしないのか。笑


「それでは素材の確認してください」

「はーい」


その後1時間かけてすべての素材を検品した。

その結果3箱分で金貨50枚を渡して、ボートまで配達を頼んでおいた。


「いよいよ今日、U18剣士のトーナメント始まるよ」


街に出ると瓦版屋さんが叫んでいる。

どれどれって覗き込むと。


「参加者のプロフィールと倍率を書いた瓦版。たったの小銅貨1枚」

「1枚頂戴」

「ほい、ありがとさん」


ビリーは結局、予選勝ちぬけているのかな。

本戦の16名にビリーの名前は・・・あった!


今日の午後の最初の試合か。早めにお昼ご飯を食べていくと観戦できる・・・けど。

どうしようかな・・・デートすっぽされているしなぁ。


アクセスとブクマがすこしづつ増えていて、とっても嬉しいです。ブクマしてくれる方、ありがとうございます。

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