↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
12/86

第12話 若い男の依頼者


「こんにちは」


錬金術ギルドを出たら、男の子に声を掛けられた。

16歳くらいかな。がっちりした体格だけど、顔はまだ幼さが残る。

髪は黒くて、ジャニーズ系のイケメン。


「なにかしら?」

「お姉さんは錬金術士なんですか?」


まぁ、錬金術ギルドから出てきたとこだから、そう思ったのだろう。

別に隠すつもりはないので、ちゃんと答えてあげる。


「そうよ。あなたは?」

「僕はビリーって言います。明後日の神聖騎士カップの試合に出るんです」


神聖騎士カップは、この国の神聖騎士団が主催するU18の剣士のためのトーナメント。

年に一度開かれるメジャーな大会。


「そうなのね。がんばってね」


その大会に出る彼がなぜ私に声を掛けてきたのか、分からない。

もしかして・・・ただのナンパ?


私、年下は嫌いじゃないけど・・・ジャニーズ系顔なのにがっちり体型っていうのも・・・いいかも。


「お願いがあるんです!」


えっ、いきなりデートの申し込み?どうしよう。

まだお互いのこと知らなすぎるわよね。


「中級ポーションを持ってませんか?」


やっぱり、そうよね。

錬金術士って聞いてたもんね。


あっさり妄想が打ち止めになってしまって、ちょっとがっかり。

でも、いい子みたいだから、話を聞いてみようかな。


「なんか、訳ありみたいね。あそこでお茶しながら聞いてあげるわ」


上から目線で言っているけど、本当はドキドキ。

だって、年下のイケメン君をお茶に誘っているんだもん。


「はいっ。ありがとうございます」


やった。

とってもかわいいカフェなのよね、あそこ。

一回入ってみたいなと思ってたけど、女ひとりだけで入るのは、ちょっと寂しいなって。


「いらっしゃいませ」


ピンクを基調としたお店のユニフォームの女性店員さんに迎えられる。

みんな同じユニフォーム着てて、かわいいなぁ。


「!!」


ビリー君、ちょっと引いてる。

ほとんど女子グループとカップルしかいないお店だから。

ビリー君、硬派って感じだしね。


「こちらにどうぞ」


あ、カップル席に誘導しようとしているな。

これはちょっと無理がある。


「あ、普通の席にお願いできますか?」

「あ、はい。では、こちらに」


対面に座る席に誘導されて、どっちに座ったらいいか迷っているビリー君。


「こっちでいいですか?」

「あ、はい」


女性を奥に座らせるのが気が使える男なのよ。

うふふ。


「何にします?」

「僕はコーヒーを」

「じゃ、私はアーモンドカフェ」


オーダーを店員さんに伝えて、ひと段落。

ビリー君もほっとしている。


「で、なんで中級ポーションが欲しいの?」

「えっと。試合には3本までポーションが持ち込めるんです」

「試合用なのね。でも、それならお店で売っているでしょ?」

「それが買い占められてしまって」

「買占め?」


話を聞くと。

神聖騎士カップに出る若者は、各種騎士団に入りたいと思っている人。

それもトップ16に入れないと騎士団のスカウトの眼にとまることはない。

だから、なんとしても試合のトーナメントに勝ちたい。


「それで中級ポーションが必要って訳ね」

「そうなんです。お金はあるんです」


そう言って、金貨2枚をみせてくれた。

中級ヒーリングポーションは相場は銀貨5枚でしょ。

だから、金貨2枚なら普段は4本買える。


「錬金術士ならポーションを作ることできるんじゃないですか?」

「もちろん、できるわよ。上級ポーションだって」

「あ、上級ポーションは持ち込み禁止なんです。あんまり良いポーションを持ち込めるようにすると、お金持ちが有利になりすぎるから」

「そうなのね。じゃ、中級ポーションね。だけど、中級ポーションと言っても品質がいろいろとあるのよ」


中級ポーションは基本の錬成の方法は決まっていて、その方法を使えばできる物。

だけど、タイミングや付加する素材等で、品質が変わってくる。

熟練した錬金術士なら、高品質な中級ポーションを作ることができる。


「そうなんですね。だから、小さいお店で売っているポーションは安めなんですね」

「そういうとこのは、駆け出し錬金術士が作った低品質な物かもね」


そうか。今は中級ポーションが品切れ中か。高く売れそうだなぁ。


「お姉さんの作るポーションは品質はいいんですか?」

「もちろんよ。たぶん、この街で流通している中級ポーションならどこにも負けない自信はあるわ」

「なんと。ぜひ売ってください」

「うーん。私の中級ポーションの定価って、銀貨8枚なんだけどね」

「ええー。高いんですね。それだと3本は買えない。。。。」

「じゃあ、こうしない?明日1日、街を案内しなさい。それでまけてあげるわ」

「ありがとうございます」


うふふ。なんだかんだ言って、年下イケメンと1日デートを約束しちゃった。


そうと決まったら、こうしてはいられない。浮島に帰って、中級ポーションを作らないと。

と言っても、畑任せなんだけどね。


明日の朝、収穫すればいいから、今日の段階ではパワーをより上げるドーピングをしてしまおう。

火トカゲの粉、でしょ。水草、でしょ。


五行のバランスを考えて、より陰の方向へと誘導する素材を混ぜた水をポーションラデッシュにあげる。

これでパーフェクトランクの中級ポーションになるはず。ほら、もう輝きだした。笑


鼻歌を歌いながら、ポーション畑のお手入れをする。

明日は楽しい年下イケメンとのデート♪


そうだ。ラッピングもしなゃね。ポーション3本セットの。

かわいいのにしちゃおう。


武器屋とか、錬金術ギルドとか。

明日の約束はいろいろとあるんだけど・・・頭の中はイケメンデート一色になっているアリサでした。



コメントでいただいたアイデア、15話で使ってみました。倉健さん、ありがとうです。主人公に使ってもらたい物や行動アイデア募集してます。ブクマもよろしくです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。