第11話 錬金術ギルド
武器屋を出た私は、次の目的の場所に向かった。
「あ、ここね」
でっかい金色の看板で赤い文字で『オリンピアーダ錬金術ギルド』と書いている。
「うーん、センスの欠片もないわね。成金趣味かしら」
錬金術はやっぱり、一般の人には「金」を作るイメージが強い。
だから、金の看板なんだろうけど、もう少し謙虚に金を使うデザインはできないのだろうか。
「よく来たアルね」
入口の前に立っていると、なまずヒゲをはやした小太りなおっさんが出てきた。
「うちに用事アルか」
どうも、言葉がわかりづらい。この国の生まれではなさそう。
でも、みつかってしまって逃げると不審者認定されてしまいそうだから、しかたなく用件を言ってみた。
「私は流しの錬金術士をしているアリサ、と申します」
「アイヤー、あなた、錬金術士アルね。仲間アルね」
無理やり握手されてしまった。
仲間だとは思っていないんですが。
「まぁ、入るアルね」
無理やり錬金術ギルドに連れ込まれてしまった。
「あ、いらっしゃい」
奥から、愛想のいい女性が声をかけてくれる。
歳の頃は40代前半くらいかしら。
「ナイスバディ!」って思わずいいたくなるボンキュボンな女性。
「こんにちは。初めてこの街に来て。錬金術ギルドがあると知っていたので来ました」
「あなたも錬金術士なのね。よろしく。私はマチルダ。この街のギルド長をしているの」
「ギルド長がじきじきに受付しているんですか?」
「ギルド長と言っても、ここの錬金術ギルドは私と彼、キムさんだけだから」
「あの方はキムさんですか。金の看板の錬金術ギルドでキムさん」
つい笑ってしまいました。
何がおかしいのか全く伝わらなくて・・・こっちの世界では、キムさんは金さんとは書かないらしい。
「あ、すみません。笑ってしまって」
「いいのよ、別に。何か、用事あるかしら」
「あ、はい。どんなところだろうと思って見にきたんです」
「そうなのね。まぁ、小さなギルドでしょ」
「いや、えーと・・・はい」
返事に困ること聞かないでほしいな。
「それはそうと。何か錬金術の依頼受けるつもりはあるかしら」
「はい。内容によっては」
「それじゃ、依頼シートみて頂戴」
そう言って、羊皮紙を紐でまとめた物を見せてくれた。
「活性剤、竜鱗粉、液体銀、光の護符。。。うーん。難しそうなのが多いのね」
「あら、ちょっとレベルが高いかしら。こっちはどう?」
「あ、しなる釣り竿。これって、勝手に釣ってれる釣り竿ですか?」
「まさか。そんなレベルの高いのは要求してないわ。普通にしなりが強い竿でオッケーよ」
「うーん。じゃ、うちのだとオーバースペックかしら」
「えっ、そんなの作れるの?」
実は釣りツリーは、挿し木もできるから、植木鉢に挿し木すると、勝手に釣ってくれる持ち運び竿になるのよね。
「ええ。何本か作れますが」
「おおーっ。それ、お願いできるかしら」
「いいですよ。それってお幾らくらいの依頼になるんでしょう?」
「品質チェックはさせてもらいますが、平均的な品質なら金貨3枚には、なるはず」
「えっと、依頼シートみせてもらっていいですか?」
詳しい依頼内容をチェックした方が確実だからね。
口頭説明だけで依頼を受けて食い違って痛い目みたことあるから、依頼シート確認は習慣にしているの。
「ごめんなさい。依頼が出ている訳ではなくて。しなる竿の依頼主ならそのくらい出しそうというだけ」
「そうなんですね。分かりました。正式依頼があってから作った方がいいですか?」
「あ、大丈夫。最低で金貨3枚がオッケーなら、すぐに作り始めてオッケーよ」
「じゃあ、作ってきますね。明日でいいですか?」
「えっ、錬金するのよね。明日なんて無理じゃない?」
実は錬金は終わっていて、枝を切って植木鉢に挿すだけの簡単なお仕事ですから。
植物栄養ポーションも一緒に挿してあげよう。おまけで。
「大丈夫です。明日、一本持ってくればいいんですよね」
「あ、できるなら、3本ほとお願いしたいわ」
「わかりました。明日もって来ます」
「すごいわね。明日までに三本もできるのね」
挿すだけですから。笑
「あと。いくつか欲しい錬金素材があるんですが」
「基本的な素材なら、うちでも扱っているわよ」
「ちょっとレアな物もあって。採取とかモンスターからの剥ぎ取りとか。そういうのは冒険者ギルドかしら」
「それなら、うちを通して依頼しましょうか。素材がありそうな場所はつかんでいるので。もちろん、近くらな物は無理だけどね」
「うれしい。そうしてくれますと、助かります。ありがとう」
にっこり笑ってお礼を言ってみた。
マチルダさんも「どういたしまして」とにっこり笑ってくれる。
「採取と討伐なら、私がやる、アルね」
キムさんが名乗りをあげる。
「キムさんは、錬金闘士なのよ。錬金術を使って闘う闘士」
へぇ、そんな複合ジョブあるんだ。初めて知った。
「だから、採取や討伐なら頼めるから。もちろん、他にもパーティメンバーを加えるけど」
「それは頼もしいです」
それから、マチルダさんと欲しい素材の話をしてみた。
全部はもちろん無理だけど、6割くらいはなんとかなりそう。
錬金ギルドの人が親切でよかった。
他の街だと頭が固い職員が多い錬金ギルドが多くて使いづらいのよね。
今日は顔見世だけと思っていたけど、依頼をもらって、依頼もして、充実した日になったなぁ。
どんな方向へと話をもっていこうか、考え中なんです。よかったら、「こんなとさせてほしい」ってリクエストが欲しいなぁ。あ、ブクマもよろしくです。




