↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
10/86

第10話 錬金畑特製の鋼鉄剣の切れ味は?

「あ、武器畑の強剣草、花がひとつ咲いてる!」


全部で7本植えてある強剣草、一番左のが花が咲いていた。他のも小さいつぼみがあるから明日くらい咲くのがいくつかありそう。


「まわりを丁寧に掘り進めて、最後は一気に引き抜く・・・うわっ、できた」


強剣草は引き抜いてみると、ぐるんぐるんに巻き付いて太い根みたい。形だけだと大根を押しつぶして平たくした様な根っこになっている。

その根の中に剣が入っているのね。元々はボロボロの鉄の剣だった。どうなったのだろう。


ナイフで慎重に根を縦に裂いていって、中から剣を取り出す。


「あっ。ピカピカ」


ボロボロだった剣は新品のピカピカな剣になっていた。成功したみたい。


切れ味はどうかな。


「ふふふ。剣士アリサ、登場。私の手に掛かれば、このくらいの木は、簡単に真っ二つさ」


近くに生えている木の枝を、錬金畑特製の剣で切ってみる。元々、選定しなきゃと思っていたんだ。

ざっ。


真っ二つには、ならなかった。1センチほど枝に食い込んで止まってしまう。


「あれ?おかしいな。もっとすばっといくはずなんだけど」


どうも、なまくら剣になってしまったのかな?

そもそも剣を持ってみたのも、今が初めて。どういう剣がよく切れるのか、全然分かっていない。


「うーん。改良の仕方が全然わからない。どうしよう」


まぁ、明日は闘技場のある島に着くから、そこにあるであろう武器屋で見てもらおう。

もしかたら、いいヒントもらえるかもしれないから。


その日はちょっとがっかりして、早めに寝て明日にそなえたんだ。


翌朝。


花が咲いた2本の強剣草を抜いて根を裂いてみて、びっくり。

何もできていない。元々のボロボロ剣もなくなってしまっていた。


うーん、なんだろー。

どうして、昨日咲いたのと違うんだろう?

本当は3本くらいは剣を持っていきたかったんだけど、無理みたい。


闘技場がある島が遠くに見える。

闘技場というのは、楕円形の建物の中にある。ローマにもあったあれと似ている。

とても大きな建物で遠くからでも形がわかるんだ。


島はほとんど闘技場しかない島で、そこから天然の端でつながる岬に街がある。

浮島はちょっと離れた沖に停泊して、小舟で岸に向かう。

桟橋に小舟をつけて上陸。


「あそこが街なのね」


門番に錬金術ギルドのカードを見せて、街の中に入る。銀貨1枚を払う。


さすがに闘技場の横にある街ね。武器屋、防具屋がいくつもある。ポーション屋さんも専門店としてあるみたい。

うーん、ここじゃ、勝手にお店を開いてポーション売るのはダメだろうなぁ。


今回の目的は武器屋さん。あんまり大きいお店だと心配だから、小さな個人店みたいな、とこがいいかな。


「こんにちは」

「いらっしゃい」


あれ、お店の人が女性だ。武器屋だと店員さんは男性だと思っていた。ちょっと意外。

綺麗な女性。年齢は35歳くらいかな。背が高くてすらっとしていて。


「すみません。武器の買い取りってしていますか?」

「もちろん、やっていますよ。その剣ですか?」


私が下げている長細い麻袋を見て言う。


「はい。これなんですが」


麻袋から剣を取り出すんだけど、剥き身。剣の鞘はできなかったら。


「えっ、鞘はないんですか」

「はい。剣だけなんです」


刃を自分に向けて女性店員さんに手渡してみる。


「綺麗な刃ですね。でも、これじゃ、あまり切れないでしょ」

「そうなんです。どうしてですか?」

「だって、研がれていないから。もしかして、完成していない剣なんですか?」

「実は・・・錬金術で作った初めての剣なんです」

「あなた、錬金術士さん?」


錬金畑の話は説明が大変だからパスして、錬金術で作ったってことにして説明した。

錬金術士は珍しいけど、全然いない訳じゃないから。


「すると、この剣はどのくらいの性能なのか、全然分かっていないとか?」

「はい」

「では、研ぎ師に頼んで研いだあと、どのくらい良い剣に仕上がっているか知りたくないですか?」

「とっても知りたいです」


なんか、面白そうな店員さんに当たったみたい。

錬金術で作った剣に興味持ってもらえたらしい。


「研ぎ師の知り合いは・・・いないですよね。こちらで用意していいてすか?」

「おまかせします」

「もし、値段が合わなくて買い取りできないとなったら、その分の費用はそちら持ちですが」

「もちろんです」


お金はそれなりにもってきているし。何よりもこの剣がどのくらいに評価されるのか知りたいの。


「この剣、良い感じですよ。鋼鉄の剣ですよね」

「そうなんですか?」

「そうなんですかって、分からないです?」

「剣のことは全然」

「うーん。それでこの剣ができてしまうんですか。錬金術士ってすごいですね」


このお姉さんが見るところ、なかなか良い出来きみたい。


話を聞くと、彼女は剣士でもあって、闘技場の試合にも参加している。

試合がないときは、こうやって武器屋の副業もしている。


「剣士って儲かるんですか?」

「私の場合は、剣士が本業って言ってるんだけど、収入は副業の武器屋の方がよくて。剣士の仲間がひいきにしてくれるから、

そこそこ繁盛しているのよ」


そんな話をして、剣を彼女に預けて研ぎに出してもらうことになった。出来上がりは明日の朝になるとのこと。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。