炉守りは帰ってきた二人を迎えます
レオンが洞窟を出て、九日目の昼を過ぎた。
ミラは食事に使った木椀を水場で洗い、石台へ伏せてから、また洞窟の入口を見た。
まだ帰ってこない可能性の方が高い。出発するとき、レオンは南橋が使えなければベルクまで片道五日を見ておくと言っていた。売買に一日使えば、帰りも同じだけかかる。
ただ、橋が直っていればもっと早いとも言っていた。
朝のうちは気にしていなかったのに、昼を過ぎてから入口へ目が向く回数が増えている。
「夕食は、少し多めにした方がいいでしょうか」
炉のそばで腹を床につけていたキュウが、顔だけを上げた。
「レオンさんが帰ってきたら、です。キュウの分を増やす話ではありません」
「きゅう」
「今のは違うという返事ですよね」
黄土色の丸い身体が起き上がり、長い尻尾が床を一度叩いた。欠けた左角をミラの膝へ押しつけ、そのまま頭を潜り込ませてくる。
「撫でる方ですか?」
今度は尻尾が二度鳴った。
ミラは笑い、石台から降りて首から背中へ手を滑らせた。鱗の流れに沿って撫でているうちに、キュウは少しずつ身体を横へ倒し、とうとう白い腹を上へ向ける。
「そこまで頼んでいません」
腹へ手を置くと、後脚が小さく動いた。以前傷めていた右前脚も、もう庇う様子はない。
急ぐ仕事はなかった。採れる野草は朝のうちに見て回り、食料も今日明日で困る量ではない。炉の近くへ吊るした洗い布はまだ端が湿っていて、穀物箱は昨日中身を数えたばかりだった。
ミラはキュウの腹を撫でながら、また入口を見る。
「帰ってくるなら、暗くなる前の方がいいですね。バルトさんも、夜道より明るい方が歩きやすいでしょうし」
返事はなかった。キュウはもう半分眠っている。
そのとき、視界の中央へ白い文字が浮かんだ。
《この場所への帰属を申請しますか?》
《はい》
《いいえ》
ミラの手が止まった。腹を見せていたキュウも、気配が変わったのを感じたのか片目を開ける。
「……これ」
九日前、レオンが出発する直前にも同じ表示が出た。そのとき選ばれたのは《いいえ》だった。
ミラは立ち上がった。視線を動かしても文字は同じ位置についてくる。帰り火へ身体を向けると、短い赤毛が頬へ落ちた。
「レオンさんですか?」
《はい》
胸の奥が一度、大きく鳴った。
「今、レオンさんにも同じものが見えているんですか?」
《はい》
「どこにいるんですか。もう帰り道ですか?」
《回答できません》
「怪我はしていませんか?」
《回答できません》
知りたいところには何も答えてくれない。
それでも、本人が洞窟にいないのに帰属確認が出ていることだけは分かった。
白い文字の《はい》が選ばれた。
ミラは息を止めた。
《帰属申請を承認しました》
《第二炉縁者――レオン》
「……本当に、なったんですね」
喜びが形になるより先に、炉から少し離れた奥の岩壁から低い音が響いた。
キュウが飛び起きる。
何もなかった岩壁へ細い縦の筋が入り、左右へ広がっていった。石が崩れるのではなく、岩そのものが奥へ退いていく。キュウの部屋ができたときと同じだった。
「レオンさんの部屋ですか?」
《第二炉縁者の居室です》
人が立って通れる入口の向こうに、細長い石室が現れた。中には何もない。床だけは主洞より平らで、手で触れればさらりとしている。
覗き込もうとしたところで、ミラは足を止めた。
音が一つ、消えていた。
頭の上で、いつも一定の間を置いて石を打っていた水滴の音がしない。
「あれ?」
見上げると、天井から垂れていた雫が細くなり、そのまま止まった。主洞の左側でも、岩壁を伝っていた薄い水筋が消え、濡れた石の光沢が端から引いていく。
ミラは壁へ近づき、指先で触れた。
「冷たいですけど……濡れません」
壁だけではなかった。人が歩き、食事をし、荷を置いている範囲の床から、靴裏へ残っていた湿り気まで薄れていく。岩の色が少し明るくなり、壁際へ置けず石台へ上げていた布袋の下まで乾き始めた。
ミラは穀物箱を見た。次に毛布を掛けた紐を見て、また床へしゃがみ込む。
「帰り火。これは、レオンさんが炉縁者になったからですか?」
《はい》
「部屋だけじゃなくて、ここも?」
《生活域を調整しました》
「水場まで乾いたりしませんよね?」
訊きながら、返事を待てずに水場へ走った。
細い通路の先では、澄んだ水が今まで通り岩の割れ目から流れていた。魔力泉も変わらない。必要な水は残ったままで、主洞へ戻ると、濡れなくていい場所だけが乾いている。
「箱を壁から離さなくてもよくなるんでしょうか。毛布も、もっと低いところへ置けますか?」
《可能です》
「それなら、レオンさんが帰ってきたら――」
そこまで言って、口が止まった。
九日前、炉の前で同じ問いを出されたとき、レオンは《いいえ》を選んだ。戻ってくるつもりはある。でも、ここに住むと決めたわけではない。そう話していた。
そのレオンが、洞窟から離れた場所で突然を選んだ。
予定より早ければ今日帰れるかもしれない、その日の午後に。
ミラは乾いた床へ置いた手を引き、入口へ目を向けた。
「帰り火。レオンさんは、どうして今、帰属を選んだんですか?」
《回答できません》
「危ないところにいるんですか?」
《回答できません》
さっきまでなら、答えられないものは仕方ないと思えた。
今は、その二文字の返事が嫌だった。
外はまだ明るい。窪地には風で揺れる草と木漏れ日しかない。
「キュウ。上まで見に行きます。近くへ来ているかもしれません」
入口へ向けて一歩踏み出したところで、白い文字がもう一度現れた。
《新規技能《帰還》を取得しますか?》
《はい》
《いいえ》
ミラは動けなくなった。
「……帰還」
帰る、という字が入っている。
何ができる技能なのかは書かれていない。ただ、レオンへ今、新しい技能としてそれが提示されている。
「どうして今、帰る技能が必要なんですか。レオンさんは歩いて帰れないんですか?」
《回答できません》
「今どこにいるのかだけでも、教えてください」
《回答できません》
足元でキュウが低く鳴いた。
白い文字の《はい》が選ばれる。
《新規技能《帰還》を取得しました》
それだけだった。
帰り先も、距離も、何を連れてこられるのかも分からない。
「帰還って、何を――」
問い終わる前に、洞窟の外で空気を弾くような音がした。
ミラは振り返った。
昼の光が落ちる窪地の地面へ、橙色の線が走っている。円を描くように光が広がり、何もなかった場所の景色が水面のように揺らいだ。
「キュウ、下がってください」
言いながら、自分は前へ出ていた。
次の瞬間、鹿毛の馬が窪地へ現れた。
バルトだった。
白く長い鬣は泥と汗で束になり、左右には荷を載せたまま。右後ろ脚に血がにじんでいる。
その手綱の先で、レオンが片膝をついた。
「レオンさん!」
ミラは洞窟から飛び出した。短い赤毛が頬へ跳ね、その後ろからキュウも黄土色の身体を揺らしてついてくる。
「レオンさん、その腕……脇腹も。バルトさんの脚まで血が出ています。先に、どちらを……」
左上腕には、途中で折ったらしい矢柄が残っている。鎖帷子の脇腹は泥に汚れ、息をするたびにレオンの顔がわずかに強張った。バルトの右後ろ脚からも細く血が流れている。
レオンへ手を伸ばしかけ、バルトを見る。バルトへ向かおうとして、レオンが地面へついた右手にほとんど力が入っていないことに気づく。
両手が一度、宙で止まった。
帰属、乾いた床、新しい部屋、《帰還》。さっきから起きたことが頭の中へ一度に押し寄せる。
レオンが顔を上げた。
泥と血で汚れた頬の上、暗い灰色の目と合った瞬間、別の言葉が先に出た。
「……お、お帰りなさい」
レオンは少しだけ目を閉じた。
「……ただいま」
その一言を聞いてから、ミラはようやく息をした。
「怪我を見ます。レオンさん、立てますか? バルトさんは……すみません、少し待ってください。先に荷を下ろします」
「バルトは浅い。俺の腕を先にやれ」
「分かりました。キュウ、バルトさんのそばにいてください。近づいて嫌がられたら、すぐ離れてくださいね」
「きゅう」
「今、それを訳してる余裕はあるのか」
「ありません」
自分でも分かるほど声が速かった。
まずバルトの腹帯を外す。普段はレオンが簡単に扱う留め具が固く感じられ、二度指を滑らせた。ようやく左右の鞍荷を下ろすと、板を束ねた紐の下で、布に巻かれた瓶が小さく触れ合う音を立てた。
割れてはいないらしい。
今は中身を確かめている場合ではない。
バルトは右後ろ脚を少し浮かせたものの、立ってはいられた。
ミラはレオンの右側へ回る。
「私の肩を使ってください。左腕は触りません」
「身長が足りないだろ」
「岩壁と私の二人がかりなら、少しは役に立ちます」
レオンは何か言い返しかけたが、立ったところで息を詰めた。実際、ミラが支えるというより、レオンが右手を岩壁へつき、ミラは倒れないよう腰へ手を添える程度だった。
「新しい部屋があります。そこへ行きます」
「新しい?」
「レオンさんのです。説明はあとにします」
レオンは一度だけ奥を見たが、それ以上は聞かなかった。
◇
第二炉縁者の居室は、今朝まで岩壁だった場所に口を開けている。
中は細長い石室で、床は平らに乾いていた。家具も寝具もなく、壁は淡い灰色の岩肌のまま。人が住むための形だけが先に用意されている。
「壁際に座ってください。横になるのは、矢を見てからです」
ミラは魔力泉の水を汲み、清潔な布と小刀を持って戻った。
レオンの左上腕の服を傷の周りだけ切る。矢は上腕の外側へ斜めに入り、折れた柄が短く残っている。血はにじんでいるが、脈に合わせて噴き出すような出方ではない。
「左手の指を動かしてください」
レオンが手を開き、握る。
「痺れますか?」
「ない。指も動く」
「では、傷を洗います。抜くのはそのあとです」
「早くやってくれ」
「急いで余計に傷を広げる方が嫌です」
魔力泉の水で泥と血を流し、傷口の縁をそっと開いて見る。矢は深くは入っていない。折れた柄をほんの少し動かしても強く引っかかる感触はなかった。
「浅いです。入った角度のまま抜きます。動かないでください」
「言われなくても動かん」
「痛かったら動くかもしれません」
布を傷の下へ当て、折れた矢柄を同じ角度へまっすぐ引く。
レオンの右手が石床を強くつかんだ。声は出なかったが、右眉の古傷の下で目が細くなる。
抜けた矢尻を一度だけ見て、ミラはすぐ傷へ布を当てた。細身で、大きな返しはない。
「押さえます。手を離さないでください」
「お前が押さえてるだろ」
「私の手をどけないで、という意味です」
「分かってる」
少しして血の広がりが弱くなると、新しい布へ替えて巻く。
「次は胸と脇腹です。どこを打たれましたか?」
「胸は蹴られた。脇腹は剣を鎖帷子で受けた。肩は前の傷だ」
「胸と脇腹、それに前の肩。十分多いです」
レオンは毛布の下で右脚を少し動かした。
「脚は無事だ」
「怪我のない場所まで数えなくていいです」
鎖帷子を外すのを手伝う。胸と脇腹には赤紫の痕が広がり始めていた。呼吸は浅いものの途切れず、息を吸うたび胸の片側だけが遅れる様子もない。左肩の古い傷は開いていないが、その周囲は熱を持っている。
ミラは指先で腫れを確かめ、桃色の目を細めた。
「肩、前より悪くしています」
「戦ったからな」
「それは見れば分かります。誰と戦ったのかは、眠ってから聞きます」
「普通は起きてるうちに聞かないか」
「今聞くと、レオンさんは全部説明しようとします」
返事がなかった。
当たっていたらしい。
ミラは主洞から敷物と毛布を運び、乾いた石床へ広げた。まだ何もない部屋の真ん中へ寝床だけができる。毛布の端を畳んで頭の下へ入れ、左肩へ重みがかからない向きに直した。
「今日はここから出ないでください。水は持ってきます。食べられそうなら、あとで柔らかいものを作ります」
「バルトを見てこい。右後ろだ」
「はい。レオンさんの血が止まったのを確認したら行きます」
「もう止まってる」
「今、確認しています」
新しい布へ血が広がらないことを見届けてから、ミラは立った。
入口で振り返ると、レオンはもう目を閉じている。長い身体が毛布に収まりきらず、足先だけ少し外へ出ていた。
ミラは一度戻り、もう一枚の毛布を足へ掛けてから部屋を出た。
◇
バルトは洞窟の入口近くに立っていた。
鞍荷を外した身体は軽くなったが、白い鬣にはまだ乾きかけた泥がこびりついている。鋭い顔つきのまま、何度も洞窟の奥へ耳を向けていた。
「レオンさんは中です。寝かせました」
鼻先がミラの肩越しへ伸びる。
「傷を見ます。蹴らないでくださいね」
右後ろ脚の傷は、レオンの言った通り浅かった。矢は皮膚と毛を裂いて抜けたらしく、深く穴が開いているわけではない。ミラは水で泥と血を流し、布を当てる。
キュウが横から鼻を近づけると、バルトの耳がぴたりと後ろへ倒れた。
「キュウ、今はそこまでです。バルトさん、かなり機嫌が悪いです」
「きゅう」
「怪我をしたばかりなので仕方ありません」
処置を終えると、別の問題が残った。
これまでバルトは窪地の上で過ごしていた。人なら上り下りできるが、馬をここから外へ出す道はない。今日は《帰還》で突然窪地まで来たからよかったものの、傷めた脚で急斜面を登らせることなどできなかった。
「今夜は、ここで休むしかないですね。お水も飼料も持ってきますから」
ミラが飼料袋をほどいて少し離れた場所へ置いても、バルトは一度匂いを嗅いだだけで、また洞窟の入口へ顔を向けた。
耳は、レオンの部屋がある方へ向いている。
「レオンさんのそばにいたいんですか?」
白い鬣が揺れた。
九日前のことを思い出す。
レオンが帰属を断ったあと、ミラは、もし炉縁者になればバルトも上で待たずに済む方法ができるかもしれない、と話した。
そして今日、レオンは自分で炉縁者になることを選んだ。
ミラは帰り火へ目を向けた。
「バルトさんも、帰属を選べますか?」
《可能です》
「馬でも?」
《可能です》
「レオンさんの持ち物だから、という理由では駄目ですよね。バルトさん本人が決めるんですよね?」
《はい》
ミラはバルトの正面へ回った。
「バルトさん。ここで、レオンさんと一緒に暮らしますか?」
黒い瞳がミラを見返す。
言葉がどこまで通じているのかは分からない。キュウのときも、返事を人の言葉で聞いたわけではなかった。
「外へ出られなくなる、という意味ではないと思います。キュウも外へ出ます。ここを帰る場所にするかどうかは、バルトさんが決めてください」
バルトは飼料の方へ一度顔を向け、それから傷めた右後ろ脚を庇いながら洞窟へ一歩入った。
さらに、もう一歩。
入口の手前で首を伸ばし、奥の匂いを嗅ぐ。レオンが寝ている方へ耳を向けたまま、戻らない。
白い文字が浮かんだ。
《帰属意思を確認してください》
ミラには見えるが、バルトが文字を見ている様子はない。
「バルトさん。ここでいいんですね?」
鹿毛の馬はミラを見たあと、もう一歩だけ洞窟へ入り、鼻を鳴らした。
《帰属意思を確認しました》
《第三炉縁者――バルト》
「……バルトさんも、住むんですね」
言った直後、洞窟の入口脇から重い音が響いた。
ミラの肩が跳ねる。
「またですか?」
今日はもう十分驚いたと思っていた。
岩壁がゆっくり奥へ沈み、バルトが頭を下げなくても入れる高さの空間が現れた。床は主洞より少し低く、窪地側へ向かってわずかに傾いている。壁際には細い排水溝が走り、奥にできた石の水槽へ、魔力泉の方から伸びた水路を通って水が注ぎ始めた。
「バルトさんのお部屋……馬なので、馬房でしょうか」
バルトはすぐには入らず、入口の匂いを嗅いだ。
そのとき、窪地の外から低い響きが伝わってきた。
ミラとキュウが同時に外を見る。
「まだあるんですか?」
窪地の端で、これまで人がようやく上り下りしていた岩と林の間がゆっくり形を変えていた。急だった岩肌が外へ押し広げられ、長く折り返す坂になる。土砂を崩すのではなく、初めからそこに道があったように岩と地面の形だけが変わっていく。
坂は林の裏側へ回り込み、上から窪地を直接見下ろせない位置へ続いていた。
ミラは途中まで上り、幅と傾きを確かめる。
「これなら、バルトさんでも歩けそうです。今日は駄目ですけど」
下へ戻ると、バルトは石の水槽へ鼻を近づけていた。
その横からキュウが先に水を飲もうとして、鼻先で押しのけられる。
「キュウ、それはバルトさんのお水だと思います。魔力泉は向こうです」
「きゅう」
「味見ですか?」
尻尾が一度鳴った。
「お水は、たぶん同じ味です」
キュウは納得していない顔で水槽を見たが、もう一度バルトに耳を伏せられると諦めて炉の方へ戻っていった。
ミラは、馬房の入口へ積み上げていた飼料袋を一つ移した。壁際まで乾いた主洞には、今日下ろした板や釘の包みを置ける場所も増えている。布に巻かれた二本の瓶は割れずに残っていたが、何が入っているのかはまだ見ていない。
それを確かめるのは、明日でもよかった。
今はレオンの方が先だった。
◇
部屋へ戻ると、レオンは眠っていた。
何もなかった石室には、敷物と毛布、水の入った木椀、それから入口脇へ外した鎖帷子と剣帯だけがある。
ミラは足音を立てないよう中へ入り、呼吸を確かめた。さっきより深い。熱を見ようと額へ手を伸ばしかけ、眠りを邪魔しそうで途中で止める。
代わりに毛布の端を直した。
長い身体の足元まで掛けても、今度は肩が出る。少し考えて、主洞からもう一枚持ってきた。二枚をずらして掛ければ、左肩を圧迫せず足先まで覆える。
ミラは水の椀を右手の届く位置へ置き直した。
入口まで戻ってから、もう一度振り返る。
右眉の古傷の下で目は閉じられ、呼吸だけが静かに続いている。
「帰ってきてよかったです」
眠っているなら、聞こえなくていいと思った。
部屋の外では、もう水滴の音がしなかった。
怪我人には毛布を二枚。水は右手の届くところへ。
そして眠ったあとに、小さく「帰ってきてよかったです」。
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