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『運命の供犠姫』私のVRMMO生活は、運命値極振りから始まる百合ライフ。呪いの装備は絆の証?  作者: malka
第1部 - 第2章

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54.第27話 ”特級ランダムテイムモンスターの卵”

「さて。この領域全体をめぐる魔力を湛えた水。その循環の起点がこのお城の中枢なのです」

「ただの……水では……やはりなかったのです……ね」


「そうですよ~。ルナリスちゃんもしっかり魔力を感じられていましたね。基本的にここから湧き出し、各浮島をめぐり、湖の中の白亜の城の地下へ。この領域全体へ染みわたり、やがてここに戻ってくる。という流れです。ただしその途中で様々な事物に魔力は活用されますので。目減りしていくため、この領域全体の維持のための魔力を供給する必要があります」


「維持コストが必要なのですね」

「です。けれど、んーとりあえず当面は大丈夫ですね。あ、見えてきますよ」


 そこもまた、果てしなく幻想的な空間でした。

 外壁の全てが、宝石と水晶で形成されたドーム状の空間。中央にひたひたと水をたたえる泉があり、そこから無数の水路が外への水を運んでいる。

 さらに泉の上空、ドーム空間の中心には直径5mはありそうな巨大で透明な水晶の球。それを核として、多数の円環が浮かび、それぞれが噴水として、静々と水を放出している。


「あの中央の核、あれは先日入手された、”試練の間の魔核”に近しいものです。厳密にはさらに上位の試練の魔核を素材の一つとして、加工したものですね」

「すごい……です。魔力の……圧力が……」


 若干気圧されたように後退るルナリス。


「神気が宿っていますからね。だからこそ、この領域は特別でもあるのです。これだけの浮島を浮かせる要素の一つでもあります。そして、それ故にここは特別な卵が孵るのに、最適な場所の一つなのです。昼は陽の天の力を。夜は月の陰の力を。この空間は最大限に取り込みます」


 両手を広げ、美しい外壁を指し示す紗雪。

 今は太陽の光を取り込み美しく光り輝くここが、夜、月明かりでどのように映えるのか。確かに、楽しみですね。


「時間帯で……様子の変わるのも……見たいですね」


 ルナリスも同じ気持ちでいてくれたようですね。

 宝石壁を透過した色とりどりの光を宿した銀の髪が、普段にもまして神秘的です。


「卵の様子をしばしば見に来てあげた方がいいでしょうから、時間帯での変化も自然と目にできるでしょうね。さて、ルナリスちゃん、ここはいかがです?」

「とても……素敵です。是非ここで」

「はい。そうしたらまず、テイムスキルは取っておきましょう。卵をかえし始める段階で、持っていた方がいいです」


 見上げるルナリスに、用意しておいた “☆3 テイム”を渡してあげます。


「ナオ……様……も」

「おや、私もですか?」

「できれば……2人で育てたい……です」


 ルナリスたっての希望とあらば、もちろん!


「ええ、もちろんですとも」


 天使堕天使、両モードで習得すべきでしょうね。一応用意しておいてよかったです。

 転身も交えつつ、仲良く二人でスキル結晶を取り込みます。

 うんうん、としきりに、にこにことうなずいている紗雪の目にちょっとだけ恥ずかしくなったりもしながら。


 そしてルナリスが取り出した、真白き卵。

 それはそれはもう巨大な。高さ3mを超えているのですが……?

 いや、本当に何が孵るのですか!?  あ、ランダムでしたね。

 紗雪が教えてくれた通り、何か条件を達成しないといけないとすると、少し時間がかかる事も覚悟しないといけないかもしれないですね。ルナリス、待ちきれるかしら。取り急ぎ、ぬいぐるみ……探そうかな。



 流れ落ちる水をたどり、次に向かったのは地上、白亜の城。


「ちなみにお二人とも、誤解されているかもしれませんが……そうですね、外、大地の端の方は見てみましたか?」


 紗雪に言われ、地平線とまでは言いませんが、かなり遠くの領域の端を見ると、その先は白い靄に包まれていますね。


「地面の先……が消えて……いる?」

「いえ、あれはむしろ、先ほどまでの浮島と同じような」


「ええ。この大地自体が空に浮かぶ島ですよ?」

「てっきり、不思議な空間で区切られているだけかと、思いこんでいました」

「まあ、あの霧の外はそうですし、今はたいして意味もないのですが。ええ、一応知っておいてくださいね」



 そんな発見もありつつ、優雅な空の浮島観光の後。やってきました、先ほどとは真逆、白亜の城の最深部、地下にある広大な空間。

 先ほどとは打って変わり、明るさは抑えめに、壁は全て大理石。水が壁面を、カーテンのように流れ落ちています。

 そうして下ってきた水は足元の泉に流れ込み、


「この地下で、さらに城の外へ、湖へと湧き出しているわけですね」

「とても、温か……な、感じが……します」

「そうですね、先ほどの神聖な感じともまた違う、清らかだけれども、温もりというか。安心するような」

「先ほどが天の属性であれば、こちらはまさに地の属性。母なる大地の息吹が満ちているのです」


 言われて水底を見れば、水中花や緑の植物が見えます。

 また、水面にも見たこともない花が。


「さて、ルナリスちゃん、残り2個の卵に、いかがでしょう?」

「ぽかぽかして……とてもいい……です。ナオ……様も……いかがですか?」

「ええ、すごく優しくて、いい雰囲気だと思います。ここでもしっかり、もふもふちゃんを願いながら、卵を預けましょうね」

「はい……もふもふ……です!」

 2人で卵を撫で、その場を後にします。



「次は紗雪の装備と、魔導人形達ですね」

「そうですね、ポイントを使うことになりますが大丈夫でしょうか?」

「そのためにとっておいたのだし。ね?」

「はい。むしろわたくしは……既に使わさせて……いただきすぎてしまって……います」

「2人で楽しむための物なのだから、当たり前だよ?」


 なでなで。やっぱり彼女の髪はサラサラで本当に、気持ちがいいですね。


「紗雪も、なでなでしてくれても……いいのです、よ?」


 おや。ふわふわと撫でやすい高さにかわいらしい緩やかなツーサイドアップの頭が。

 良いのでしょうか……良いのですね? ではそっと


「うふふ~」


 とたん、蕩けるような笑顔になる紗雪。

 両手に華とはまさにこのことですね。誰が見ているわけでもないのに何となく、翼で軽く2人を覆い隠して愛でるのです。




「知ってはいましたが、これまたすごいですね……」


 魔導人形工房の、先ほどと同じ一番大きなお部屋の机。

 その上に並べられたのは、収納箱に収められていた遺物の数々です。


 近未来的というか、構造は違いますが、どう見ても銃と思しきものが多数。

 中でも、対物狙撃銃1丁。フリントロック式に似た外観の、美麗な装飾が施されたもの4丁を、手元に置き、紗雪が調べています。

 やがて満足したのか、軽く目を閉じたのち、ふわり、と4丁のフリントロック式が浮かび上がり、手には対物狙撃銃。


「申し訳ないのですが、古代魔導人形用の魔力ジェネレーター……上級以上の物を、いただけませんでしょうか。念動による浮遊の操作、反動制御、弾体形成、障壁等、本体の魔力だけでは賄いきるのに不安が……」


「もちろん」


「後はこれらを利用可能にするためと、次の魔導人形、中でも副統括個体用に、上級素材セットを5個、上級魔導核/骨格/ジェネレーターを4個……念のため。こちらは、最上級は不要です。不要ですからね!?」


 どれどれ、あ、これですね?

 古代魔導人形用

 - 最上級 魔力ジェネレーター ×1個 250億ポイント

 - 上級素材セット ×5個 計 250億ポイント

 - 上級骨格セット ×4個 計 200億ポイント

 - 上級ジェネレーター ×4個 計 100億ポイント


「ありがとうございます。他の品は外で用事を済まされた後で大丈夫でしょう。副統括個体となる子達のデザインのご希望などありませんか?」


「んー。ルナリスは、何かある?」

「いえ……大丈夫……です」


「じゃあ、可愛らしい子達だと嬉しい、かな?」

「うふふ、ナオさんの嗜好は、よ~~く、わかっていますからね♪ お任せあれ」

 

 そういえば、半ば拷問と化していたあの、質問責めタイムがありましたね。

 思い出して、軽く頬が赤くなった私を見て。明らかに、からかうような、いたずら笑いを瞳に浮かべている紗雪。むぅ……。


「デザインなどに少しお時間がかかりますので、先に外の用事を済ませてしまいましょう」


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