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『運命の供犠姫』私のVRMMO生活は、運命値極振りから始まる百合ライフ。呪いの装備は絆の証?  作者: malka
第1部 - 第2章

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55.2章-第28話 ”クラン結成”

「優勝、誠に見事だった。おめでとう」

「ありがとうございます。無事目標を達成でき、安堵しております」

「それどころではない成果だがな。それと、例の犯罪者どもの件も、感謝する」


 予定よりもかなりの早期達成となった、辺境伯の依頼もとい、試験? の成果報告を済ませに。想像以上にすぐに通されたのは応接間でした。


「帝都からの褒章も届いている」


 家令のお爺様がすっと差し出してくださるトレイに乗った小袋。


「頂戴いたします」

「うむ。して、そのなんだ、そちらが……?」


 メイド服のまま後ろに控えていた紗雪さんに目線が。


「お初にお目にかかります。紗雪と申します。お察しの通り、来訪者達の元へ、種族は様々なれど、多くの同胞がようやく来ることの叶いました。この身はその一体にして、古代の魔導人形にございます」

「ほぅ……ほぅ! よもや修復が叶うとは、大したものだ」

「今回の大会で、創造神様のお慈悲がございまして」

「うむ、うむ。あれだけの活躍だ、それももっともというものよ。そういえばそなたも、邸宅を手に入れたか?」


 あのハウジングエリアの事、どこまで正直に言っていいのか、思わず言葉に詰まります……市民が城持ちとか……しかも、普通のお城どころの騒ぎではないですし、うちの場合。


「居城を……賜りました」


 代わりにルナリスが横から、間を埋めてくれました。


「なるほどのぅ。城、城か。それだとこれでは……うーむ。とはいえ。うむ。ナオ殿、此度の依頼の報酬の一環でな。用意しておったものだ。受け取ってくれ」


 すっと差し出されたのは何本かの羊皮紙の巻物でした。


「これらは当家からの紹介状。”商業ギルド”そして、我が領都でも最高級の “家具店”、”服飾店”へのものだ。いづれも帝都でもひとかどの店故、良く希望には答えてくれよう。それとこちらは、目録なのだがな。城とはさすがに思わなんだゆえ、別邸や離れで使ってもらうのがよいかもしれん」


「これは……過分なお心遣い、誠にありがとうございます」


 確かに、お城の中は個室とかの家具まではなかったのですよね。据え付けとか、景観上重要なところのみという感じで。ゆっくりと集めて、自分達好みに飾り付けるのが、楽しみですが。直近必要最低限の私室等の家具が必要だったのも事実。

 ルナリスと紗雪とも相談ですが、これは素直にありがたい。


「そういってもらえると助かる。して、次の目標などは決まっておるのか?」

「創造神様の催しはまだ続きますので、そちらに備えつつ、今しばらく鍛えようかと」


「ふむ。十分な力を示され、しかもお身内も増えた今、移動は自由にしてもらって構わぬ。ただ、連邦方面は気をつけてな。森向こうの情勢含め、いよいよ、きな臭くなってきておってな。本来であれば祝勝会や、そなたらのお披露目などしたいところではあったのだが。少々時期が悪い。それに、お主はあまり余計な雑音を嫌がるだろうと思うてな」


 森向こう、アレイスター王国方面ですね。ぼやかしてくださったのは、ルナリスに気遣っていただいてしまいましたか。


「肝に銘じます」


 それに、ええ、そうですね。いつもとはまた違ったおめかしをしたルナリスと紗雪と共に、ダンスなど、大変心惹かれます。が、知らない男性と話す2人の可能性を考えると、もにょっとします。いえ、問題ないのはわかっているのですが。


【サーバーアナウンス:☆8 禁忌級クエスト 「供犠姫救出」 をプレイヤー「ナオ」がクリアしました】


【個人アナウンス:☆8 禁忌級クエスト 「供犠姫#3-力を示せ」をクリアしました……評価算定中】



 ===============

 クエスト名:供犠姫#3-力を示せ

 ランク:☆8 禁忌級


<評価>

 総合評価:☆10


<評価内訳>

 ☆10:力を示せ#1 - 中級試練ダンジョン “試練の間の踏破“ 短期踏破達成

 ☆10:力を示せ#2 - 冒険者ランクC以上達成

 ☆10:力を示せ#3 - 第1回大規模イベント PVP大会 パーティー戦の部 小人数にて1位達成


<達成報酬>

 EXP、スキルEXP

 アイテム:紹介状 辺境伯領領都 ”商業ギルド”、最高級 “家具店”、最高級”服飾店”、

 アイテム:家具等 目録 (別途商業ギルドから納品手配)

 MC:0 GOLD:10億


【確認】

 ===============


 また、この他報奨金が30億GOLD。白金貨30枚で入っていました。



 紗雪さんの冒険者登録を済ませ、あわせて、クラン創設も。

 次のタワーディフェンス型イベントや、先々を考えると、その方がよいとの紗雪のアドバイスをいただいたので。

 それに、クラン倉庫やいろいろと特典もあるそう。

 エンブレムは後日考えることにして名前ですが、さんざん相談した末、今回獲得した領域の名前から、クラン“悠久の楽園”と決めたのでした。


 銀の姫や、古代魔導人形に絡めた名前をと意見も出したのですが、結局しっくりこず。

 紗雪さんを除けばたった2人で、申請が通るのか内心不安でしたが、自分たちのクランホームたり得る十分な拠点があり、実績(辺境伯様の指名依頼達成と評価が大きかったようです)もある事で、問題なく通りました。

 今後魔導人形が増えますしね。彼女らの冒険者登録はしないと思いますが。



 商業ギルドへ赴くと、辺境伯の紹介という事で軽い接待を受け、預けられていた目録の品をインベントリに受領。

 なお、非常に質と格調が高いことが見て取れる、アールヌーボー調の優美な家具一式で、3人そろって感激してしまいました。使わないなんてとんでもないと、白亜城側に用意する私室に据え付けることが確定したのでした。


 しかもオーダーメイドしてくださったようで、翼を考慮した椅子とひじ掛けは、複数の部屋で使えるようにか、何脚も。

 さすがにハウジング要素はゆっくり楽しみながら進めよう。できれば今後、長い年月の中、旅をする先々で買い集めるのもありでは? という事で。辺境伯の素晴らしい贈り物で当座の生活空間は満たされ事もあり、今日の所は家具屋さんでのさらなるお買い物は我慢。


 ちなみにベッドは、しっかり、特注のキングサイズ1台でした。うふふ。辺境伯様、分かっていらっしゃいますね。



「あとは、今後生み出す魔導人形達用のスキル結晶を買っておきたいのですが、よろしいでしょうか」

「勿論。というか、任せてしまうのが申し訳ないのだけれど……」


「どうかお気になさらず。むしろお任せいただけるのが正直ありがたいといいますか。ご要望などありましたら、仰ってくださいね。それで、ポイントでも計算はしたのですが、さすがに全てをまかなうのは、あまりにもったいなく。いくつか試練ダンジョンの攻略と並行して、獲得可能そうな素材はある程度ピックアップしてみました。よろしければ、準備期間の一部を、素材収集にあてませんか?」


「うん、いいですね。3人パーティーでの連携の練習にもなりそうですし」

「はい。ルナリスちゃんも、いいかしら?」

「もちろん……です。是非に」

「PVP大会用に取り急ぎで穴埋めしたアクセサリー類とかも、より良い物が手に入るかもしれないね」



 移動について確認したところ、アレイスター王国脱出時の馬車で十分だろうという事になり、これの買い替えも見送り。

 夜や休憩は、どこからでも、ハウジングエリア”悠久の楽園”のお城に移動できてしまうので、今すぐは馬車の居住性はそこまで気になりませんからね。


 扉は3人とも権限を付与し、それぞれで出し入れができるようにもしておきました。

 ミニチュアコテージの出番が減りそうなのは少し名残惜しいですが、さすがに、やむをえませんね。

 あそこはあそこで、ルナリスとの、様々な思い出が詰まっていますから、大切に。そして、たまに思い出に浸るために過ごすのです。


 最後に、長くお世話になった高級宿をお礼とともに引き払い。いよいよ次へと動き出すため、今は”悠久の楽園”へと、帰還したのでした。


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