43.2章-第16話 ” 第1回大規模イベント 開幕”
「ナオ……様……頑張りましょう、ね!」
ルナリスが大変やる気でいらっしゃいます。
私たちの未来のため。も、もちろん2人ともあるのですが、ポイント交換景品を見たルナリスが、あるものに大変、心打たれまして。
「お城……私たちのお城で、一緒に暮らせる……!」
「ええ、が、がんばりましょうね」
「1位に、なりましょうね!」
普段どちらかというとクールな表情の彼女が、ほっぺを紅潮させて、ほんのり軽くぴょんぴょんしながら、抱き着いてくるの、控えめに言って最高。
少し振り返りましょうかね。
イベント開始当日。サーバー別のイベントとはいえ、1サーバーあたりでも、何十万人どころかプレイヤーだけでも80万、住民やテイムモンス等こみでは、軽く倍以上になる人間を、1か所に入れられるはずもなく。パーティーやクラン、事前申請のあった方以外はランダムに割り振られたインスタンス空間に集められました。
そこは屋台や、アミューズメント施設も用意された、まさに、お祭り空間。
中央にコロシアムがそびえたつ、闘技場都市といった雰囲気です。
イベント期間がリアル2日、ゲーム内8日。はじめ6日が予選で、自分の試合回数9~12回程度。最後2日が本戦で、ベスト16の勝ち抜き、最大4戦。
観客はコロシアムのリアル座席で同じ空間の試合を観戦するもよし、他の空間も含め、指定したプレイヤーの試合を、仮想モニターで見ることも可能。
参加者は、自分の試合の少し前になると自動的にコロシアムの個別控室に転送されます。
アミューズメント施設はそれこそ千差万別で、これもリアルコラボコンテンツも含まれるらしく、
著名なイラストレーター様の個展に、特別開催絵師1,000人展。
様々なオン/オフラインゲームの新作発表&体験会場
食品、玩具、生活用品、リアル企業の分野別パビリオン
様々なリアルの食品を提供するフードコート
一方でもちろんSteps to Elysium Online内部の住民を含む
生産職の店舗に出張工房
食品販売、レストラン
リアルコラボスペース含め住民と一緒に楽しめる。
さらに、プレス(報道陣)には特別に機材が提供されたらしく、そこそこの頻度で姿が見られます。
あ、にゅっこにゅこ動画さんや、あべにゃんTVさんのロゴも見えますね。
今回の大規模イベント、今後のリアルイベントでおそらく動きがあるのかもしれませんが、リアル企業への時間加速技術やVR空間活用とか、SEO内外の交流なんかも視野に入っているのかもしれませんね。
ちなみにこの空間はこの第1回大規模イベント期間ずっとOpenされているそうですね。
そんなお祭り空間をルナリスと、またまたまた、嬉しい”で~と”しながら、楽しんでいたところ、見つけましたのが、イベントの景品交換ブース。
メニュー画面が使えない住民と、雰囲気を楽しみたいプレイヤーのために開設された場所ですね。
住民も等しくポイントももらえ、賭けにも参加できる本イベント。
中で目録を確認するルナリスも真剣かつ楽しそう。
なお、目録は見るプレイヤーによって中身が異なる、この辺りは便利なVRMMO仕様になっていました。
で……そんな景品交換ブースで告知されていた張り紙風告知が事の発端。
リアル8月9日(土)、10日(日)、つまり、今日7月26日(土)から14日後。ゲーム内56日後に開催される 「タワーディフェンス型」の狩りイベント。基本はランダムに配置されたフィールドで参戦するわけですが、今回のPVPイベントに追加された、各種建造物をポイント交換で獲得すると、そこを自身の拠点として個別フィールドで参加できる。
そしてその拠点は、今後永続的に所有できる。
さらに拠点とその周辺エリアは、現状個別の仮想インスタンス空間にあり、許可した人しか通れない、扉型アイテムを使って入れると。つまり、ミニチュアコテージに近い、野営やダンジョン内での休憩にも使えるわけです。
プライベート空間と、ハウジングコンテンツの実装ですね。
私も大好きな要素なので、これには大歓喜。
で、問題はそのラインアップ。
こじんまりとした長閑な一軒家から始まり、豪邸、工房施設等々、周辺領域の広さもまちまちで、農場など生産設備に使えるモノもあり。
ちなみに、この景品はこの後の「生産イベント」と、「タワーディフェンスイベント」でも、報酬にきちんとあるそうです。
ただ、今回のタワーディフェンスイベントでは間に合わないため、使えるのはPVPイベントの分だけとなっている、と。
長くなってしまいましたが。その交換リストの中に、あったのです。
無数のラインアップの中、さんさんと輝く最上級報酬に。
そのものずばり、夢の「お城」が。
なお、交換ポイントのお値段、驚愕の
最安でも10億ポイント~
ポイントによって大きさ、規模、周辺環境 等々さらに雲泥の差があります。
狙いだった古代魔導人形の魔核が、これまでの最高級景品の一つで、驚きの10億ポイントでしたが、それすら目ではない、超高額景品。
☆6武器が1億ポイント~。上級魔術属性が4大元素で5,000万ポイント~。 ※人によって大幅に異なるが
というレートを考えれば、いづれもの、激レアぶりが分かるでしょうか……。
冷静に、冷静に無茶な計算をすれば、1位になり、なおかつ、全てのポイントを自身に賭ければ、取れます。
むしろ余裕で取れる、ちょっと頭おかしくないか? というくらいのポイントが手に入る可能性があります。
これ、クラン単位で狙う報酬では? とか(ポイント景品の一部は、パーティー等で出し合って共同所有が可能です)
タワーディフェンスイベント、2人でお城守れるの……?
とかさすがの私も躊躇しかけましたが。見てしまったのです。
我が麗しの銀の姫の、それはもう期待に満ちた、そしてすでに、そのお城で暮らす姿を夢見る乙女の笑顔が。
私もハウジングでお城なんて言う夢、諦められるわけも無し。
腹をくくって1位、獲りに行こうではありませんか……!
あ、ちなみに。私の不朽の束縛と顕現体の仕様ですが、さすがにPVP大会中は、顕現体の死亡=デッド(キャラクター敗北)の扱いになるそうです。他の方々も、特殊なスキルや特性には制限がかかる場合があるそう。いくらなんでも、ゲームになりませんからね。本体を破壊するか、蓄積済みの全魔力を枯渇させる、どこの特殊ギミックボスの初見一発クリアですか? なんていう無茶を強いるのはあり得ませんので、納得です。
当初予定では辺境伯の依頼を達成しつつ、古代魔導人形の素材が十分とれるあたりを狙う。
多少スキルなどは隠して駒を進める。
と、ルナリスとは決めていたのですが、ええい、ままよ。全力全開、全ぶっぱで突き進むまで!




