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『運命の供犠姫』私のVRMMO生活は、運命値極振りから始まる百合ライフ。呪いの装備は絆の証?  作者: malka
第1部 - 第2章

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40.2章-第13話 ”ダンジョン-試練の間-踏破”

 白い空間に戻っていました。

 1つだけ違うのは、後ろの大扉がなくなり、目の前には宙に浮かぶ、大きな透明の水晶のようなものが2つ。

 ルナリスを封じた氷の棺もしっかりと腕の中です。堕天使モードの力は偉大ですね。

 早く外に出て、彼女を戻してあげたいのですが?


 水晶の前に、半透明の画面が浮かびます。

  “試練の間、攻略おめでとうございます”


「ありがとうございます」


 “落ち着かないでしょう。まず、彼女の状態を戻しますね”


「本当ですか! それは本気で感謝します」


 運営ですか? 創造神様ですか? ダンジョンの神様ですか? なんでもいいです、超絶善なる神様です、確定です。


 あれ以上の痛みも何も、感じずに済んだでしょう、本当に一瞬で、封印の氷も、傷も何もかもが消えて元通り。

 むぎゅぅぅぅ。

 私の超絶美人な堕天使ボディーの豊満なお胸に、銀の姫をうずめてただただ、抱きしめます。

 くんくん、ああ、ルナリスだぁ。可愛い、綺麗、ちょっと小っちゃくて抱き心地最高。


「な……ナオ様……!?」


 目を白黒させて軽くパニック。それはそうですよね、生死を繰り返した次の瞬間にこれでは。


 抱きしめる力を緩め、優しく頭をなでながら、あの後のことを説明してあげます。

 空気を読んで何も表示が追加されないモニターさん。やっぱり、至高の善なる神様でしょ。


「いっぱい嫌なことをしてしまって、許されないと思いますが、なによりまずごめんなさい。そして、私を救ってくれてありがとうございます。……ただ、どうか、どうかお願いですから、自分の身を犠牲にすることは……しないでくださいね……?」

「嫌な……事は何も……ないです。嬉しかった……くらいです」


 あ、真っ赤になってる……かわいい。

 恥ずかしそうにしながらも、本心ですと、全力でアピールするようにまっすぐに、ふんすと見つめながら、語りかけてくれるルナリス。


「ナオ様の……ためなら何度でも、いくらでも、繰り返します。でも、わたくし……多分、わたくし自身が思っていたよりも……重い、ですよ……? 大丈夫……でしょうか?」

「むしろ望むところですね。これからも末永く、どうかよろしくお願いしますね。愛しのルナリス」

「こちらこそ、どうか、末永く」


 どちらからともなく、深い接吻を交わします。



 ……。

 …………。



 “そろそろ大丈夫そうですかね~?”


「あ、はい。大変お見苦し。いや、美少女同士の百合イチャラブ、見苦しくは……ないな、むしろ眼福? えー大変ご迷惑をおかけしまして。ご配慮痛み入ります。ありがとうございます」


 “わー否定しないどころか言い切った。バカップルぅ! さすがナオさんと、ルナリスちゃん。

 こくこく、と、私の言葉を全面肯定しているルナリスにも、神様? のお言葉がささります。


 “えー気を取り直して。お察しの通り、私は創造神の、写し身の末端の一部です。まずは二人とも、この試練の間の攻略。そして、近世初の全階層踏破 (※プレイヤー”ナオ”のみに表示:サーバー初の中級試練クリア) 、おめでとうございます!たった二人で、しかも、まだまだ成長前の状態で、かなり驚きですよ!”


「ありがとうございます。難易度的にやはりそうだったのですね……」

 ただ、そうですか、これでまだ中級ですか……まあ、そうですよね……。


 “はい。二人にはご褒美を上げたいのですが、その前に、ちょーっと、ナオさんにだけ、メッセージが届きますので確認してくださいね”


 【個人アナウンス:”試練の間”攻略動画の公開を承諾いただけますか? 過度にセンシティブなシーン等は編集されます】


「一つだけお願いが。全編公開はPVP大会後でも可能でしょうか? 公開の予定の告知とかは構いません」


 “もちろん大丈夫ですよ”


 では、承諾をぽちっと。


 【サーバーアナウンス: “試練の間”がプレイヤー”ナオ”により、初めて討伐されました。中級試練のサーバー初攻略成功となります。動画は現実時間7月29日(月)午前0:00の公開予定となります】


 “さてさて、ではお待ちかねご褒美タイムですよー!”


 ルナリス的にこの、自称神様の雰囲気は大丈夫なのだろうかと、ふと気になり横を見ますが、平然としていますね。

 当たり前、あるいは既知の事、なのでしょうか?

 そういえば、いまだにこの世界の神話とか神様とかについて何も聞いていませんでした……ルナリスを中心とした、☆8クラスの連続クエストが進行している真っ最中。天使が教会絡みへとか、確実に厄介クエストの引き金を引きそうで、極力その辺触れていなかったのですよね。


 “まず、こちらの”試練の間の魔核”、が贈呈されます。別に、ダンジョンを作れるようになるとかそういう効果はないので、ごめんなさいね。純粋な、巨大なマナエネルギーの源というだけです。換金するか、将来何かに使うか、のいづれかがおすすめです。この魔核は、各試練で一人1回しか入手できないので、ご了承くださいね”


「はい」


 きゅっと手を握り合う2人。1個幾らになるのかわかりませんが、辺境伯への借金が無事返せる……はず。


 “続いては、選択式の報酬です。一人1つ、選んでくださいね。いづれも細かな内容は指定できないです。が、試練の間での様子とかが考慮されますので、武器種違い! とかで悲しい思いをすることはないですよー”


 ・装備品(武器、防具、アクセサリーいづれかを選択)

 ・スキル結晶

 ・アイテム


 正直一番気になるのは、エンゲージメントクエストのアクセサリーなのですが……。

 仮に外れても天使状態はアクセサリー枠がまだ3個も空いたまま……。堕天使状態だと武器一択ですが……。


 “2人とも同じことで、悩んでいるみたいだから1個だけサービスしてあげるね。『2人の絆の証を得るのはここではない』よ”


 いやもう本当に……神ですか、神でした。


「ありがとうございます、本当に。ルナリス、そっちは二人で頑張ろうね」

「はい♪……同じこと……考えていたとわかって……嬉しいです」


 なでりこなでりこ。頭をなでなでしちゃいます。


「好きな物を、選んでくださいね」


 こちらに、ゆだねてしまいそうな彼女に念のため。


 “決まったみたいだね。一応、聞かせてもらおうか”


「私は武器を、お願いします」

「わたくしは、アイテム……を、お願いいたします」


 “承った。君たちはとても、とてもたくさんの想いをこの試練で重ねたからね。期待していいよ?”


 光が、2人の前に現れます。

 とても神聖な光。


 “あ、もう少し時間がかかるから、先にこっちを伝えておくね!“


 Steps to Elysium Online の創造神様、気さくすぎでは!? 思わず突っ込みを入れそうになりますよ。



 “この試練を介して、いくつかの新しい縁。クエストが発生しているよ、いつ、どのように、進めるか進めないかは君達の自由だ”


 一つ一つが羊皮紙に刻まれた文字や、絵図として、私とルナリスの手元にそれぞれ、出現します。


 ナオ

 ・ クエストスクロール:旧支配者クトゥグアへの誘い

   表記:フォーマルハウトへの道が開かれうるダンジョンの情報


 ・ クエストスクロール:魔書の源流へ

   表記:複数のダンジョン、土地の名称が記載されている


 ルナリス

 ・ クエストスクロール:想いと技、託して

   表記:鍛錬あるのみ いづれ、標(しるべ)は示される


 ・ クエストスクロール:共にあるために

   表記:人の身にとどまるを望むか、あるいは……。今はまだ、器が満たされていない。




「創造神様とは異なると思われる神話体系に関わりがあるように感じるのですが……よろしいのでしょうか?」


 “全く問題ないよ。私はこの世界において唯一絶対。その庇護の下、この世界を維持管理する神々や使徒が数多存在するわけだが、私たちは、この世界は、異なる神話体系、伝承、あらゆるものを許容する。それが、それぞれの、理想郷へと至る助けとなるならば。より多くの、想いを、紡いでくれるならば。だから、あぁ、ルナリスちゃんの事も含めて、むしろ、よろしく頼んだよ。数多の来訪者の中でも、特に厳しい運命を選びとった君達。楽園へと歩む1歩。運命の選択、その先を、ぜひとも見せてくれたまえ”


 光がほどけ、試練の報酬、姿を現した。


 “さあ、用意ができたようだ。あらためて、おめでとう。そして、これからにも期待しているよ”


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