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4.第4話  ”キャラクターメイク #3/3”

 「結論、要約すれば。普段は、この特級呪物なチョーカー状態。今後”封印体”と呼びましょう。で、外界の様子は最低限見える、聞こえる。チョーカーの宝石に蓄えたMPを使って、”顕現体”という、この宝石に封印されている”本体”を自力で召喚。顕現体が実質、本来のプレイヤーキャラクター。というわけですね」


「はい。そして、二重性というスキルで、顕現体。いわば本来のプレイヤーキャラクターを2つ保有、切り替えて使えますね。制限はいろいろありますが……」


「"不朽の束縛"さえ無事なら、何度でも、この本体である装飾品をリスポーン地点としてゾンビアタックもできちゃいますね。これも強みかもしれません」


 とまあ、そういうわけでした。

 いろいろとサユキさんにサポートしてもらいながら、試行錯誤してみましたが、標準のポイントでやろうと思っても決してできないキャラクタービルド。制限も致命的に大きいものの、面白そうな特性もてんこ盛り。


 当座の現金収入の心配をしなくてよくなった、という現実的な大前提があるからこそ。ではありつつも、俄然、わくわく感が増してきましたよ。


 “統合スキル:二重性” を調べようとすると、”顕現体が未設定です”、とエラーメッセージが表示され。

 ではと、“顕現”を調べたところ、等身大のデッサン人形が2体、音もなく出現。


 “顕現体”のメイキングを開始してください”


 とのアナウンスを受けたのです。


「まったく別のキャラクターを2種類作って、暗躍プレイとかもできるでしょうが……」


 本来1プレイヤー=1キャラクターのSteps to Elysium Onlineにあって、かなり特殊なプレイングが可能となるのでしょう。


「顕現のためのMPを補充するには、契約者が必要。契約者から装備状態を解除できないので、常に契約者がそばにはいる。となると、よほどうまくプレイしたとしても、いつかはばれそうですね~」


 サユキさんの指摘通り、顕現体の移動距離は封印体であるチョーカーから半径、SLv×100m。いづれは自由度が上がるにしても……うーん。


 それ以上に、取得可能なスキル一覧を見れば、変装、変身、幻影魔術に隠蔽、等々。そうしたプレイイングに適した能力はこれまた星の数ほど。逆に”二重性”のスキルは初期取得可能一覧にはありませんでした。


 いくつものスキルを組みあわせて疑似的に同じことはできるかもしれませんが、その場合スキルスロットの上限10個というプレイヤー共通の制約が厳しいでしょうね。


「はい。それに、顕現体の切り替えは近しい姿かつ、反面要素で構成されていればいる程、瞬時にその場で入れ替われる。というのも……」


 ここで私の“顕現時”のデフォルト状態のステータス画面を再び開いてみる。

 初期キャラクターとは思えない情報量なので、今考えたい事に関連するところだけ見て見ましょう。


 ============

 ■二重性:☆8 魂魄置換 (身体、傾向値、スキル)

 ============


「顕現体-表と裏、要するに、キャラクターデータ2つをその場で入れ替えるスキル。ただ、入れ替わるのが、決まった組み合わせ。これがつらいですね」


 ============

 顕現体-表と裏で、次のステータス傾向値が相互に入れ替わる。

 “HP(生命力総量)⇔MP(魔力総量)”

 ”STR(筋力)⇔AGI(敏捷)“

 ”END(耐久)⇔DEX(器用)“

 ”INT(知力-魔術威力)⇔MND(精神-バフデバフ)“

 ============


「スキルの入れ替えは教会等特定の場所か、スキルでしかできないので、これをいつでもできるのはかなりのメリットですよ?」


 入れ替わるものを、指で追いかけながら、うに~っっと、可愛いうめき声をあげながら。考え込んだ後に助言してくれるサユキさん。


「う~ん。それはもちろんそうですね。ただ、入れ替わってしまうステータスの組み合わせがこれだと、表を魔術特化、裏を物理特化、とかもできない。かといって、片方を戦闘系、もう一方を生産系にしてしまうのは、高レアリティーの貴重なスキルが生かせず、もったいない。ぜいたくな悩みですけれど、これは悩みますよ~」


 このアーリーアクセス用の空間、回数制限やMP消費無しで何でも試せるという、なんとも太っ腹な仕様でして。

 実はここまですでに検証のために、リアル4日間を使っていたりします。


 その間献身的にサポートしてくれるサユキさんには、感謝しかありません。

 自分のことで手いっぱいで、掲示板などの外部情報をまだ見ていませんが、ナビゲートAIは皆さんこんな感じなのでしょうかね? これだけで生活系ゲームとして完璧以上なのですが。


 少し意外だったのは、サユキさんと、ゲームの管理システムは明らかに別、ということでしょうか。聞いたこと、検証したことを一緒になって学び、それを元にデータとして蓄積し、考察する。そんな挙動をしているように感じるのです。

 いちユーザーの対応AIからして、生きた一人の人間と見分けのつかない感情表現、知的な応対。いやはや、オーバーテクノロジーと騒がられる片鱗をすでに味わい尽くしていますね。


「さて、方向性はようやく固まりましたので、キャラクタークリエイトを進めますか」

「いよいよね? どんなふうにするのかしら♪」


 すっかり癖になってしまったようで、ぴょん、と膝の上に横座りなり私を見上げるサユキさん。

 香水とは違う、自然なほんのり甘い香りが鼻腔をくすぐり、胸をざわつかせます。

 く、ここまで表現するとは、恐ろしや……!


「ええ。それはですね?」


 さあ、キャラクターを完成させて、残りの期間はプレイが許される時間いっぱい、最大限練習に充てなければなりませんね。あの体感2年のアドバンテージを、さらに昇華させるのです!

 キャラクターの体系や種族も、あの時訓練をした感覚に、できるだけ近いものにしますからね!


 キャラクター本体がアイテム。という制約の関係でゲーム開始後、プレイ環境が整うまでは、活動可能時間にはかなり制限を受けると予想しています。

 開始時点の顕現体のキャラクタースペック自体は、かなり高いでしょうけれど、おそらくそれは運命値が引き寄せる境遇と、制限を加味してのもののはず。


 いづれにせよ、未だ見ぬ実際のゲームの世界にむけて、胸が高鳴りますよ!











 ※※※※作者注釈を失礼します※※※※

 ステータスについては、フレーバーとして、ご興味のおありになる方用に以下にご用意しました。

 必要な情報は本文でナオ達が会話しますので、付録/後書き程度にお考え下さい。

 今後もステータス系の表示は極力必要な情報部分のみ掲載し、章の終わりごとに、おまけ/付録として、詳細全般を掲載する形をとらせていただきます。

 ※※※※以上作者注釈でした※※※※


 あとがき的なおまけ:

 ナオ「サユキさんに聞いた補足や、この空間で実際に検証してみた内容付きで抜粋するとこんな感じですね。」

 サユキ「ナオさん、真剣になんでも検証するから、大変でしたよ!」

 ナオ「記憶はあやふやな部分が多いですけれど、元ガチゲーマーとしてそこは絶対に譲れませんからね」


 ###【顕現体:表】###

 種族  :未設定

 性別  :両性

 状態  :封印

 運命値 :100


 <スキル>

 Slot1 ☆8 Lock:統合スキル-二重性 (制限-顕現体) SLv1 UP10,000

 Slot2 ★8 Lock:呪い-統合スキル-封印 SLv N/A UP-10,000

 Slot3 ☆5 Lock:顕現 SLv1 UP500 ※行動可能半径SLv×100m

 Slot4-10 未設定


 <プレイヤー共通スキル>

 メニュー、ステータス、インベントリ、物理演算カスタマイズ、初級言語(人類種共通語)、初級簡易鑑定


 <統合スキルの内包スキル>

 ■二重性  累計UP3,000

 ☆8 魂魄置換 (身体、傾向値、スキル) UP10,000

 ※顕現体-表と裏、要するに、キャラクターデータ2つをその場で入れ替えるスキル

 ※顕現体-表と裏で、次のステータス傾向値が相互に入れ替わる。

 “HP(生命力総量)⇔MP(魔力総量)”、”“STR(筋力)⇔AGI(敏捷)“、”END(耐久)⇔DEX(器用)“、 ”INT(知力-魔術威力)⇔MND(精神-バフデバフ)“

 ※スキルの入れ替えは教会等特定の場所か、スキルでしかできないので、これをいつでもできるのはメリット

 ※表と裏が類似しているほど、即時入れ替わりが可能

 例)表=エルフ 魔術師、 裏=ドワーフ 鍛冶師 ⇒光の繭に包まれて、10分ほどかかる

 例)表=エルフ 火魔術師、 裏=エルフ 水魔術師 体系もそっくり ⇒一瞬発光し、その場で即時

 ☆6 装備置換 UP1,000

 ※顕現体の表と裏で個別に装備をセット、顕現体の表裏切り替えで自動的に装備も変わる。

 ※☆6クイックチェンジ-ALLというスキルも存在。キャラの装備をあらかじめプリセット登録、瞬時に入れ替える。


 ☆6 両性具有 UP1,000


 ☆6 平均化 (インベントリ重量、非戦闘時移動速度)  UP1,000

 ※STR依存のインベントリ重量、AGI依存の移動速度を顕現体表/裏の平均値で処理してくれる、特殊スキル


 ☆7 特化効果強化(魔術、武術) UP5,000

 ※特化スキルの効果量SLv×10%上昇 この効果は特化効果そのものと乗算関係にある

 ※例)接触発動型魔術特化Lv10で効果100%上昇 ×このスキルLv10で合計4倍に効果増幅

(威力、範囲、効果時間等、特化している内容によって効果対象は異なる)


 ☆7 反属性強化 UP5,000

 ※魔術属性の効果量SLv×10%上昇 この効果は他増幅効果そのものと乗算関係にある


 ★6 制限:置換回数制限-SLv×4回/日 UP-1,000

 ※ゲーム内時間1日の中で、顕現体の表/裏、入れ替えができる回数制限


 ★8 制限:傾向値上限(3)×4 UP-10,000

 ※顕現体表/裏での入れ替わり対象のステータスのうち、それぞれ片方を基礎値3以下にしかできない

(通常の各基準値は10。Lv10/傾向値10で一般成人並み)

(ステータス傾向値3が一般成人並みと同等になるのはおおよそLv33)


 ★7 制限:獲得経験値半減 UP-5,000


 ★7 制限:自然属性-統合スキル習得不可 UP-5,000

 ※例えば以下のような制限になる

 ―火水土風の4つが統合された4大属性スキルの習得不能。

 ―各戸別習得はできるが、統合によるスキルスロットの節約不可。

 -統合上位スキル、例えば、火と水の統合上位で霧魔術等を習得不能

 -単一属性の上位スキルや、個別属性の習得は可能(火の上位、溶炎)

 ■呪い-封印 累計UP-10,000


 ★7 解呪抵抗ランク8 SLv N/A UP-5,000


 ★6 制限:顕現体-装備枠Lock×1:封印の楔 SLv N/A UP-1,000

 ※装備スロット標準5個のうち、1枠が使用不可(効果なしの封印の楔に占有される)


 ★6 制限:顕現体-スキル帰属化 SLv N/A UP-1,000

 ※習得したスキルが帰属化される。つまり、結晶化し、販売、譲渡することができない(換金も不可)

 ※テイム、眷属等の対象のスキルも帰属化される。

 ※テイム、眷属等の対象へは貸与可能。貸与先から第三者への譲渡は不可。


 ★6 制限:影響力制限 SLv8 UP-1,000

 ※顕現体MP回復速度低下SLv×50% 

(MP100%自然回復に必要な時間が通常、ゲーム内6時間がSLv8=400%低下で30時間必要)


 ★6 制限:顕現制限 SLv8 UP-1,000

 ※顕現体MP自動回復向上スキル取得不可


 ★6 制限:強制契約 SLv8 UP-1,000

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