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『運命の供犠姫』私のVRMMO生活は、運命値極振りから始まる百合ライフ。呪いの装備は絆の証?  作者: malka
第2部 - 第6章

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142/200

139.6章 - 第8話 ”現実での初配信 #2/2”

 いちゃいちゃ配信に移行しそうな空気を、しっかりと巻きなおそうとしてくれた紗雪ですが……。


 でも、紗雪? 貴女もいつの間にかこっそり近寄って、天使ボディのお膝の上にぴょんって。あ、頭を撫でで欲しい? そうですか、でも大丈夫? 貴女もまだまだ敏感ですよね?

「ゲーム側は先日までと同様に、ミドガ帝国領内のダンジョンを中心に回りながら、ゆっくり育成をして……あひゅ」

 ほらぁ。

 案の定、気持ちよさにこらえきれなくなって、腰砕けになってしまった紗雪をそっと、よしよしと撫で続けながら、言葉を引き継ぎましょうね。


「聖国マリシア以外の大陸への移動手段を見つける」 「それか、竜の因子持ちなクジラモンスターがベースの、”アリア”の成長を待って、乗せてもらって移動するか。と、考えています」

 実際アリアがそこまで進化できるのか、とか、どれくらいかかるのか。は、分からないので、悠久の楽園にいる人形少女の子達には、大陸間移動の手段を調べてもらってはいます。


「ですので、私達はSEOでは当面、ミドガ帝国にとどまります。一番面白そうかなと思っているのは、大陸南部。前人未到の”彷徨いの樹海”攻略チャレンジですね。アレイスター王国からの侵攻で一度荒らされ、軍や冒険者の皆様が交戦されましたが。その時も戦場となったのは、中層の浅いところどまりですからね」

 リアル8月の末頃に、アレイスター辺境伯から調査依頼の打診もありましたし。ちょうどいいと思うのですよね。

 11サイバーまで、ですと、この最初の大陸を自由に冒険できるのは私達のいる001サーバーだけですから、需要もあるでしょう。


「それも踏まえて、引き続き育成にも励みます。現実でのルナリスと紗雪との生活がありますから、まったりですけれどね。このひと月で多少ましになったとはいえ、急激な成長とかで今の新しい種族、力に応じた基礎がおろそかになっているのは相変わらずですから」


 `魔法の単独安定発動も目指したいよね`

 `公開されている範囲だと、魔法発動できているの、まだナオさん達だけ`

 `検証勢も頑張ってるけれど、”魔力視”が、自力習得しないと意味がないスキルらしいから`

 `スキル結晶が、プレイヤーオークションだと超高騰していたやつね`

 `あれは悲しい事件……`

 `003サーバーの悲劇`

 `十億単位のMCがごみに……`

 `まあ、売れた人は大歓喜だったしいいんじゃない? 噂じゃFIREしたって`

 `住民に後から情報収集して、無意味なスキル結晶だから、ゴミ扱いされてたってわかったやつね`

 `そうそう。売っていなかったのは希少だから、っていうだけじゃなくて、無意味だから誰も売らないし、買わない。で、知らずに超レアと思って、とんでも札束バトルが発生したプレイヤーオークション……`


 魔力視というスキルを私達は直接的には覚えていませんが、“魔力変質:神代魔法適正“に内包されているらしいです。そしてこの現実では、身体自体が適性をもって作られていると。

 黒蝶姫さんからは、ゲーム内よりもむしろ現実での魔法練習の方が、魔法習得は早いだろうから、頑張りなさいと言われました。彼女は当然魔法が使えるわけですが、情報を公開していないので、プレイヤーは誰も知りません。人目があるところではうまく誤魔化しているようですし。


「皆が聖国マリシアのイベント? シナリオ? をこなしている間に、邪神パワーとかに頼らずに、攻略を進められるくらいに鍛えなおしますよ」


 `聖国マリシアは3人にはむかないし、あり`

 `どのサーバーも大規模船団の第1陣が辿り着いて、少しづつ活動領域を広げてるけれど、とにかく堅苦しい`

 `裏はわからないけれど、表向き滅茶苦茶厳格で、遊びがない`

 `同性でイチャイチャとかしたら、神官兵がとんでくる`

 `服装すら注意されるよ。短いスカートとかもNG`

 `治安はいいけれど、活気も薄い`

 `無理にメインクエストに絡まなくても、この3人なら何やっても面白いし`

 `てか、今もめっちゃ面白いんだがw`

 `眼福`


「そう……ですね……わたくしは、もうただの……ルナリス、ですが。アレイスター王国と……かの国は、関係性も緊迫した……ものでしたので、おそらく入国……する事すらも難しい、です。邪教の……国と認定……されておりました、ので」

 ちょっと息も絶え絶えですが、そっと私の胸元から横目でコメントを覗き見たルナリスが、反応します。



「で、次の話題が、皆さん気になって仕方がないでしょう、ナオさんの事でひゅね……!」

 あ、ふにゃったまんま、張り切って喋って、かんだ。

 紗雪かわゆ。


 くすりと、思わず笑みを浮かべてしまった私を、恨めし気に真っ赤な顔で、上目づかいで見る彼女。知らない人が見れば、AIとは思えないでしょうね。まあ、その感覚の方がある意味正しくて、魂を。本当に魂を宿した存在ですから。生命の定義は置いておいて、その本質は私達人間と何ら変わりないと、誰に何と言われようと、私は主張します。

 まあ、これも今は秘密のお話しなので、言えませんが。


「あ、私の事でしたね」 「姉妹、実は仮想世界、片方がロボット……皆さんのコメントでは主にこの辺りですか」

 ここの説明については、斎賀さん達とも少し議論になったのですよね。私もまさか、2つの身体が用意されるなんて思ってもおらず。本体が現実でも特級呪物というのがまず、驚愕でしたが。まあ後者については、死んでも(死なないらしいですが)、明かせませんが、前者は目に見える異常ですし。

 で、まあ、結論は


「「はい。正解は……!」」


 `超絶美人姉妹、姉妹!`

 `wktk`

 `姉妹プレイ……`

 `姉妹のどっちが、どっちと結ばれるのか`

 `wkwk`

 `いやむしろ4人で!`


 姉妹押しが圧倒的優勢ですか?というか、うん……まあいいでしょう。


「「片方が元々の生身、片方がルナリスと同じ創られた身体、です!」」


 `ナオ氏は一人`

 `姉妹派敗北`

 `え、でもそれどうやって……え?`

 `片方はAIっていう事?`

 `再現性高すぎない?`

 `どっちが生身なんだ!`

 `つまり、セルフでいちゃいちゃして、イケナイ事をでき……`

 `金眼はあり得ないから、天使ボディの白髪赤目の方だろ`

 `アルビノ?`

 `アルビノっぽいけれど、それにしては肌の色がそこまで色素抜けた感じしない`

 `堕天使ボディの髪色は日本人っぽいし、カラコンとか?`


「は~い。どちらが、というのは内緒。ですが、人格? というか、本人は一人です。SEOにログインするみたいに、もう一つの身体を同時操作してる感じですね」

 HENTAIも混ざっていますが無視です、無視。ええ、自分でどうこうなんて、ルナリスと紗雪が許しませんから。そんな暇ありませんよ。


 `ナオ氏、さらっととんでもない事言ってる`

 `元々、無いはずの翼の精密制御とか、人外な事してたけれど……それはないやろ!`

 `ゲーム内ですら、並列思考をプレイヤーが使いこなすの、無理すぎってなってるのに`

 `体を動かすっていう事は、五感とか、全部の入力も受け取ってるって事?`

 `さすがにAI補助とかじゃない? 昔ながらのゲームのアバター操作するみたいに。ほら、最低限の指示だけボタンポチポチする感じでさ`


「そのあたりの細かい制御方式とかは正直、私も分からなくて」 「感覚的になんかできちゃってる感じですからね!」

 ええ、実際は魂は体の中に納まっておらず、別に分離していて。両方共の身体を操作している、多重思考だなんて……それこそ本物の人外認定されますから。黒蝶姫さん曰く、元々の資質と、SEOサービス開始前の空間での経験。だ、そうですが。


 `Deus ex Machina Corp.の超技術か`

 `デウス、どこまで未来を突っ走ってるんだ`

 `それ、身体が動かない障害とかの、まさに救世主になれる技術じゃ`

 `実際そうだろ`

 `イベントの展示でもやってたべ`

 `治験を政府が止めていたとか、いろいろ騒がれてるじゃん`

 `思考混濁の恐れがーとか、義手義足はまだしも、植物状態に対して完全な別の身体は、AIではなく本人であるという同一性の保証がとか、意味の分からない指摘を政治家がしてたり`

 `人権団体が、どっちの側につくべきかで真っ二つに割れたとか`


「はい。まあ、そういうわけで、これもある意味、治験? というか、社会実証実験の一環にもなるわけですね」 「わたし、もるもっと!」


 `それ、明るく言う事ちゃう`

 `ナオ氏……w`

 `でも、実際これで安全性が立証されれば、医療技術としての認可に向けた動きも1歩前進するかもね`

 `でもそれだと、ナオ氏はいいの? ほら、思考汚染? 混濁? とかで解禁されなかったんでしょ?`

 `そこは、VRMMOを遊んでいるのと同じ、医療行為ではないとかの抜け道じゃない?`


「さて、大体の予定はそんな感じで。本当はこのまま」 「お出かけの動画を見てもらう配信を続ける予定だったのですが」

 そこで、お膝の上のルナリスと紗雪に目をやり。うん、これはちょっと、一度ガス抜きしないと無理ですね。

 静かだなと思ったら、2人そろってもはや配信も忘れ、私の身体にすりすり。カメラの画角からはカットされていると信じたいですが、太ももにその……すりすり、してきていたりですね。


「うーん……すみません、みなさん。ちょっと、この2人が甘えん坊になっちゃって……」

 私の言葉に、堕天使ボディの膝に顔を埋めている紗雪が、もぞもぞと動いて、愛らしい声で反論します。

「ち、ちがいますっ! ナオさんが……っ、ナオさんがいけないんですよぉ……!」

 一方、私の天使ボディに抱きかかえられたルナリスは、真っ赤な顔で私を見上げ、潤んだ瞳で訴えます。

「ナオ……様……わたくし……もう……」

「はいはい、わかってますよ。だから、ちょっと休憩をはさみましょうね」


 `ナオさん、完全に2人の彼女? 彼氏? あれ?`

 `ガチ百合はかどる`

 `ナオさんゲーム内だと両性具有だから、ある意味彼氏でもあるんだよな……(混乱`

 `あー、もう、このいちゃいちゃ最高すぎ!`

 `ねえ、まさか、現実でもその……デウスが作った方のお体って……両性……な、ないですわよね`

 `まさか`

 `え……`

 `は、はえて……る?`

 `ガタッ`

 `片方はリアルの身体、ふくよかないただきからして女性であることは確定的に明らか。で、あるならば!!!`


 ますます加速したドローンカメラ下のコメントの濁流を、超性能ボディで全て知覚しながら。

 うん、それは答えませんよ? まさか両方の身体ともに両性具有だなんて。ねぇ?

「1……2時間後に再開という事で。アーカイブも残りますし」 「同時視聴する、お出かけの記録動画は先に公開しますので、リアタイは無理しないでくださいね。ではでは、また後程」

「のち……ほど、です」

「あふぅ……」

  あ、紗雪完全に蕩けちゃってる。


 `2時間(意味深)`

 `2人を抱きしめなおして時間延ばしたのリアルすぎるwww `

 `ぉぃ`


 画面が暗転する直前。私の堕天使ボディがルナリスを、天使ボディが紗雪を、それぞれしっかりと抱きしめ、お姫様抱っこで抱き上げる姿が映し出されるのでした。


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