指名依頼 その2
依頼内容は彌埜主王国までの護衛である。
一週間(6日間)のうち都合が良い日で良いらしい。
彌埜主王国は彌埜主族が治める国で
ダンジョン?迷宮?ラビリンス?を中心とした王国であり
連邦の国の一つである。
州都から河を船で遡上すれば一日で着く。
そもそも船に乗ってるだけで護衛の必要なんてない。
まぁ船をハイジャックする物好きが絶対いないとは断言できないけれど。
そんな物好きがいてもダンジョンに用がある冒険者が
わんさか乗っているのでハイジャックされてもわたしが出る幕はない。
はっきり言ってしまえばだれでも出来る子供のお使い並みである。
ということはわたしに護衛して欲しいわけではなく
太郎のほうに用事があると考えた方が筋が通る。
ということでお断りとエマに伝えようとしたら
満面の笑みでクリケットがやってきた。
どうやらクリケットは100%善意だったらしい。
村長がわたしとスクーナを州都に一ヶ月残すつもりであることを聞き
ストーンゴーレムの登録のための「土」ランクに到達するように
少しでも冒険者のギルドポイントの足しになれば良いと思ったらしい。
小娘がゴンズに勝てるとは思ってなかったらしい。
この世界には「ほうれん草」は無いのだろうか?
完全にありがた迷惑である。
まぁどちらにしろわたしは明日帰るのでお断りしなければならない。
エマが業務の処理が面倒くさいというようなことを
オブラートに包んだ物言いで言ってくるけどわたしのせいではない。
じゃぁこうしよう。
今、指名依頼達成の書類にサインしちゃえば良いじゃないか。
実際護衛なんかいなくたって安全に行けるのである。
ここにいるみんなが口を噤んでしまえば誰にもバレない。
みんな幸せである。




