【看破】VS【鑑定】 その2
そろそろユミルのMPが尽きそうだ。
【鑑定】で覗いていたらガシガシ減っている。
「おい、喉が渇いた。水持ってこい」
ユミルがそう言うと警吏がビンに入った水を持ってくる。
【鑑定】マナポーション。うーん、振り出しに戻る。
さて、最後の関門はスキルを隠し通すことである。
プランAは【鑑定】【アイテムボックス】両方を隠し通すこと
プランBは【鑑定】隠すこと。あえて【アイテムボックス】はバラす。
【アイテムボックス】も珍しいスキルではあるが数千人に一人くらいはいる。
しかし【鑑定】数万人、数十万人に一人ととてもレアであることはもちろん
【鑑定】所有ちと相手が知らないことによるメリットが大きい。
それに比べて【アイテムボックス】は所有ってない振りをするために
バレないように利用制限し普段使いしないのはもったいない。
それに【アイテムボックス】を利用してることはスクーナたちにもバレてるし。
のらりくらり、まどろっこしい回答を続けていると、ついに質問がきた。
「おまえはスキルを持っているか?」
「それは必ず答えなければなりませんか?
わたしが持っているスキルがバレるとそれを悪用しようとする人たちが
近づいてきたり、誘拐されたりする可能性があるのです」
ユミルは「ほぅ」と言うとアゴをさすっている。
ユミルも【看破】を隠そうとしているので気持ちは分るのだろう。
「それはダメだ。この州都の治安を守る部隊として
犯罪を犯す可能性があるスキルは把握しておかねばならない」
「どうしても知られたくないのならば保安部隊以外の者を
この部屋から出すことは出来るぞ」
うーん。どちらかと言うと保安部隊の人たちに知られたくないんですけどね。
しょうがない。プランAからプランB変更だ。
「それは大丈夫です。ここ居る人たちの前ではスキルはよく使っているので
わたしがスキルを所有っていることはみんな知っています」
「どちらかと言うと保安部隊の人たちに知られたくないのです。
例えばお店の前で物が無くなったとか、ぶつかった通行人の財布が消えたとか
その度にわたしが疑われるのは面倒くさいのです」
わたしのスキルは【アイテムボックス】だよ、と思考を誘導する。
「お前が所有っているスキルは【アイテムボックス】だな?」
ユミルは勝ち誇ったようにニヤついている。
わたしは心の中でガッツポーズをしながら狼狽し窮する演技をし
「スキルのことは言いたくありません」と聞こえるか聞こえないか
という小声で絞り出したようにつぶやく。




