浄玻璃の鏡 その2
村長は「OK」を貰い次いでスクーナが質問に答えてる。
スクーナは子供っぽい、どうでもいいような見栄を張って鏡を光らせている。
特に問題も無く「OK」を貰いビコーナと替わる。
見栄を張っていたのがバレて恥ずかしそうに言い訳をしている。
そんなどうでも良いことよりも問題はわたしだ。
わたしは隠し事が多い。どうしたものか…。
まぁ最初から決めているのだが。ウソをつき通そう。
「いやぁ、ホントにスゴイ魔道具ですねぇ。こんなスゴイ魔道具があるならば
ウソを見破るスキル所有ちなんて無用の長物ですよねぇ」
わたしがそう言うと空気がピリ付いた。どうやらビンゴである。
ユミルは【看破】スキル所有ちであることは【鑑定】済みである。
そして「浄玻璃の鏡」はなんの変哲もない大きいだけの鏡だった。
わたしの脳細胞の片隅にこびりついた記憶をこそげ取る。
たしか【看破】は【鑑定】の下位スキルで
対象者のウソを見破れるスキルだったような覚えがある。
ユミルが徐に機嫌が悪くなり、隊員たちが【看破】のすばらしさを語っている。
「浄玻璃の鏡は持ち出せないので使い勝手が悪い」とか
「鏡の前に立って貰えないと使えない」とか「浄玻璃の鏡は燃費が悪い」とか
「ユミル隊長はとても優しくて聡明で美しい」とか
ユミルが【看破】所有ちであることをバレないように
ユミルの機嫌を取っている。バレバレだけど。
そんなに【看破】がコスパ良いのならユミルが【看破】すれば良いのである。
しかしそんな「浄玻璃の鏡」をあえて使っているように見せているのは
ユミルが【看破】していることを隠したいということだろう。
基本的に「Yes」か「No」で答えるような質問である。
そしてウソをつくとユミルがジャガの髪の毛を引っ張る。
もちろん他の人間には気付かれないように。
合図を受けたジャガがスイッチのようなモノを押している。
もちろんバレないように。
すると「浄玻璃の鏡」が光る仕組みだと推理する。
わたしがそんなことを妄想しているとドンドン進んでいく。
わたしが最後なのだがわたし以外はどうでも良いかのように
質問が簡単なモノばかりになった。
ついにわたしの番が回ってきた。
「最後はお前の番だよ」
ユミルは不機嫌そうにアゴをクイっとし
わたしに「浄玻璃の鏡」の前に立つように促す。
わたしは「ふぅ」っと息を吐き精神を整え
リングに立つ挑戦者の気持ちで鏡の前に立った。




