誘拐 その6
ボスの死体を埋めることを「隷属」し
わたしたちの情報を漏らさないこと、悪人と会わないこと
この国、連邦を出ることを「隷属」させ放流する。
わたしたちは誘拐犯のお宝を物色し兎人族たちと
分配しようとしたら固辞された。
わたしは隠れ家の壁に【A.V.カッター】で
上弦の月“Ⅾ”参上!!
と彫る。スクーナが不思議そうな顔で”D”のことを聞いてきた。
いやいや、さっきクリケットの宿で情報収集したではないか。
「上弦の月“Ⅾ”」とは帝国やその周辺に現われる義賊である。
バレる可能性は低いと思うが、わたしたちの情報は減らしたい
こんな面倒くさい話は他人に擦り付けるに限る。
義賊ならば擦り付けても確かめようがないはずである。
タマウたちにも“Ⅾ”に助けられたことにしてもらい
口裏を合わせてもらう。
どうせDNA鑑定や指紋採取とかはないだろうし。
そんなことをスクーナに兎人族に説明していると
タマウはクスクス笑いながらわたしの顔を覗き込んできた。
「コウメ様たちは州都にいらっしゃるのでしょうか?
私たちもご一緒させていただいてもよろしいでしょうか」
護衛をお願いされた。
わたしは肯んずる。スクーナも了承した。
タマウは微笑んでる。
「そうそう。可愛い猿人族のお嬢さん
こちらを頂いてもよろしいかしら」
タマウは演技がかった物言いでそういうと
わたしの犬耳カチューシャにそっと手を伸ばし
自分の耳をたたみカチューシャを頭に乗せ相好をくずしている。
わたしは、めぼしいお宝を持って村長たちの待つ野営場に戻った。
するとタマウと目の合った村長が目を丸くしている。
まぁ相当な美人さんだしねぇ。スクーナママには黙っておくよ。
タマウは顔の前にそっと人差し指を一本立てる。
なんだろう?忍者のマネかな?
ニンニン。




