最速記録
激しい悪臭を余所に辺りを見回すと
見窄らしい格好をした子供たちが汚物やゴミを
撒き散らしていた。
遠くの方でその汚物やゴミにスライム状の魔物が
集っている。
子供たちの後を尾けて進んでいくと
丸い石造りの球体に手を付ける。
すると忽然と姿が消えた。
わたしも真似をして触れると転位した。
どうやら2階に下りたようだ。
2階に下りるとあれ程あった悪臭が薄れた。
特に階段で下りた訳ではないけれど
ダンジョンでは先に進むことを
下りる、降りる、潜ると言う場合が多い。
下りたのなら今いる所は地下一階なのではないか
とも思うがなぜか今いる所は2階である。
そういうもんだと納得するしかない。
子供たちがズンズン進んでいくので付いていくと
床が光り魔法陣が現れ淡い光に包まれた。
魔法陣を【鑑定】すると「-2」という部分は解った。
他の部分は古代エスペラント語で書かれているため
解読は出来なかった。
盗賊のスキルの【罠探知】を使ってみると
「転位陣」という罠らしい。
わたしも真似をして乗ってみると次の階に...
行けると思ったのにダンジョンの入り口に出現した。
捥りのお姉さんと目が合った。恥ずかしい。
どうやら最速記録更新らしい。恥ずかしい。
ダンジョンに入ってから数分しか経ってないらしい。
おかしい。暗い部屋の中で数時間は遊んでいたのに。
そうか、初期設定時間中は時間経過しないのか。
捥りのお姉さんにクスクスと笑われてしまった。
本当ならばもう一回入場料を払わないといけないらしいが
オマケをしてタダで再入場させてもらえることになった。
ダンジョンの外に出てステータスを確認してみたが
MPはいつもの通り10000を超えていた。
他のステータスも元に戻っていたけれど。
どうやらダンジョンの内のステータスは
外に持ち出すことは出来ないようだった。
再突入すると激しい悪臭がする。一階に出たようだ。
悪臭に耐えられず駆け足で2階に向かった。




