謁見 その7
わたしが感動に打ち拉がれていると
村長がイノウエ大臣に吶喊し切りかかるが剣が根元から折れ
折れた剣先がわたしの目の前に突き刺さる。
「あぶないなぁ」と思うが村長の素早い判断に感心する。
すると思い出したかのように衛兵や騎士たちも襲い掛かる。
ここにいるのは王を守る近衛兵や騎士だろうに
判断が遅いなぁと思いながら眺めていると
竜のウロコを持つイノウエ大臣にキズ一つ付けることが出来ない。
しかもイノウエ大臣も理性がなくなってしまった。
暴れていてもう制御出来ないようである。
わたしはもう少し忠臣の徒であるイノウエ大臣への
感動に耽っていたかったのだが
暴れ過ぎだし騎士や村長も役立たずである。
イノウエ大臣も後のことを考えて欲しいものである。
「はぁ」と大きいため息をつくと前に進み
【アイテムボックス】の入り口で
竜の姿になったイノウエ大臣を包む。
【アイテムボックス】は生き物を収納出来ない。
逆に言えば【アイテムボックス】の入り口で包んでしまえば
生き物を完全に固定することが出来るのである。
【アイテムボックス】の入り口で包んだが一箇所
胸の部分だけは開けてある。
イノウエ大臣は暴れているようだが全く動くことが出来ない。
胸の部分をわたしが持っているコバルト製のナイフで
コツコツ叩くが通りそうもない。
青生生魂の剣を借りて切りつけるが
僅かにキズが付いたくらいであった。
しかたがないので昆吾鋼製の剣を貸してくれた。
昆吾鋼製の剣ならば竜のウロコを通すことが出来たようだ。
というかなぜわたしが働いているのだろう。
納得がいってないがしょうがない。
イノウエ大臣もとても苦しそうにしていたが
心臓を繰り抜く前には絶命したようだった。
合掌。




