謁見 その8
わたしがイノウエ大臣の心臓を繰り抜き
「竜の心臓」を手渡すと周りの人たちはキョトンとしている。
なにをキョトンとしているのだろう。
サッサと働いてほしい。時間との勝負だろうに。
イノウエ大臣も草葉の陰で泣いていることだろう。
竜の心臓は変若水(エリクサー)の材料だろうに。
本当にこの人たちは王を救おうと思っているのだろうか。
わたしがこと細かに説明してやっと動いてくれた。
今すぐに薬師か調合師を手配すれば今日中に
変若水(エリクサー)は出来るだろう。
これでやっとイノウエ大臣も浮かばれるってものだ。
ドラゴンなんてここから狩りに行こうものなら
何週間、何か月掛かるか判らない。
また火ランクの冒険者でもドラゴンを
倒すことが出来るかどうかもわからない。
イノウエ大臣の命を賭して王を救うという決断がなければ
王は亡くなったに違いない。
イノウエ大臣もスローなライフ信奉者で
サボろうとしていると決めつけ
叱責してしまったことを謝りたい。
ドラゴンは捨てるところがない生き物である。
心臓や血は効果の高い水薬に。
軽くて頑丈な鱗は防具として
骨や牙、爪も武器に竜の眼は宝石として重宝され
肉は不老不死の伝説もあり高価で売買される。
本当は不老不死の効果など無いのだけれど
プラセボ効果ぐらいはあるのだろう。野暮なことは言うまい。
わたしは竜の髭を貰うことにした。
竜の髭は一本一本は
髪の毛よりも細い白い毛の束で出来ている。
魔力を良く通し魔力の量に依っては非常に硬い棒
槍のように使用うことが出来る。
また慣れてくれば柔らかくすることもでき
鞭のように利用することも出来る。
あくまで想像で予想だけれども
極めれば自由自在に動かすこと可能になる気がする。
なかなかのチート武器を手に入れてしまった。




