ジャム その2
おさんぽを兼ねながらゆっくりとジャムのお店に向かっていると
赤い頭巾をした羌人族の女の子がお花を摘んでいた。
うーん。声をかけて良いモノだろうか?
わたしは狐掘人族の変装をしているので
傍からわたしが襲っているように見えないだろうか。
痴漢か痴漢ではないかと問われればギリギリ痴漢ではないハズ。
「警吏さん、この人チカンです」と言われたら
逮捕されない自信はないけれど。
羌人族のペローちゃんはわたしが向かっているジャム店の
孫娘らしい。
寝込んでいるおばあちゃんのお見舞いに行く途中だそうだ。
さすがに先回りしておばあちゃんを食べないよ。
ペローちゃんに案内してもらいながらジャムのお店についた。
とても雰囲気が良い木造のお店で
「森の中の喫茶店」という感じである。
ペローちゃんが言うにはお店の中で紅茶も飲めるそうなので
喫茶店も兼ねてるのだろう。
山の麓の長閑な喫茶店でスローなライフを満喫。
うーん。いいねぇ。
ここをお気に入りの隠れ家として楽しもう。
というか初めに気付くべきであった。
「閉店」の看板が見えた。
おばあちゃんが寝込んでいるのだから閉店している可能性に。
ペローちゃんもおばあちゃん病気だからお店やってないよ。
くらい言ってくれても良いじゃないか。
いや、子どもにそんなこと言っても仕方ないか。
ペローちゃんはお店の裏の勝手口のドアから入っていくが
わたしのような初対面の人間が病気のおばあちゃんのお見舞いに
行くというのはいかがなものだろう。
しかもエビのジャムを売ってくれと言えるほど
厚かましくもないし鬼畜でもない。
わたしが帰ろうとしたらペローちゃんのお母さんが出てきて
お店に招いてくれた。
いやいや、急にやってきた一見のお客を招き入れるのは
どうかと思うが、お言葉に甘えて入店することになった。




